3-5 語学 のち 浪漫
二対二。
数的優位というものが無くなった状況下で、「光速の騎士」側はこの場をどう収めるべきかを考えねばならなくなった。
同型機の増援を得て、どのように彼らが動くのか。
大本命としては「騎士」達を牽制しつつの撤退。大穴は増援を頼りにしての「騎士」達との総力戦である。
五号がジェイクと通信で連絡した内容については当然のことながら、秘匿回線であり内容を「騎士」達が知るすべはない。撤退の方向で彼らは考えているのだが、それを知らない「騎士」達には相手が全力で仕掛けてくるという非常に小さな可能性を排除は出来ないのである。
(……やっぱ面倒なことになったなぁ。……ほら、当然だけど警察とか来るじゃんか)
遠くからファンファン、といくつものサイレンの音が近づいてくる。サイレンの種類から察するに消防車、救急車も到着予定だろうことは容易に想像できる。普通の人間よりも幾分上等な聴覚能力を持っている分、風に流れてきたその音は「騎士」にしかまだ聞こえていないだろう。
先日来の銀嶺学院襲撃の傷跡も未だ癒えぬこの街を守るのは、本来「光速の騎士」などというファンタジー野郎ではなく、治安と平和を守る警察官であったり消防士であったり救命士であったりするべきなのだ。
その方々に多大なるご迷惑と、要らぬご足労を掛けていることで、とてつもない居た堪れなさに苛まれた胃がきりきりする。無論それは申し訳なさもあるが、それに加え自分が捕まるのではないかという恐怖も加味されてはいるのだが。
ずしゃっ……。
そんな中、ジェイクがゆっくりと体を起こす。破断している前部装甲の隙間から漏れて見えるライトは激しく明滅しているが、全体の動きとしては先ほどまでよりもスムーズである。恐らくではあるが一定のダメコンは終了し、復旧モードとでもいえるものへと切り替わっているのだろう。
「提案が、ある」
五号が初めて外部に向けて口を開いた。中性的な男性とも女性とも採れる声色で、「騎士」達のようにボイスチェンジャーで変声をしているわけでもない。
その必要性を感じていない可能性もある。
「……何? 言ってみて? 採用するかは別だけど?」
マユミが「騎士」の了承を得ずに答える。それは致し方ない事情があるからなのであるが。
「我々の邂逅は非常に不本意な形で敵対的に行われてしまった。こちらとしてはこの状況を継続していくことは望んでいない。この襲撃を計画した者たちは然るべき処分をこちらで行うことを約束する。何らかの形で双方、冷却期間を置いたうえで再度建設的なプランを持って交渉を一から始めさせてほしいと考えている。……ここは、痛み分けということで双方引く、ということはできないか?」
「随分、そちらに都合のいいことを言ってるけど……。それはそっちの総意ってこと? ……違うでしょ?」
「……この場での意思決定権は私に一任されている。先ほどまでそちらと“不幸な行き違い”のあったこの者についても、私の指揮下に入ると了承した。もちろん我々が言い出した条件だ。当然、こちらはかなりの譲歩するつもりでいる」
「そう、そういう話になってるのね。……さて、じゃあどうしましょうかね」
手に持ったハンマーをごん、と地面に突きたてながらマユミがそう返答して横に立つ「騎士」へ顔を向ける。ここまでの会話を主導してきたわけであるが、「騎士」側の最終決定権は当然「光速の騎士」にあるからだ。
ぼっ、と兜内部にはめ込まれている通信回線が「騎士」に入る。
こちらも秘匿回線。通話先はマユミである。
『あー。……どうするの?』
「……どうするって、そりゃお前」
こちらをジェイクと五号、さらにはマユミが見つめてきているのを感じる。
そのプレッシャーに耐えきれず、首をかくん、と横にかたげる。
「……つーか、何言ってんのか半分以上わかんなかった。まず通訳してくれよ、頼むから」
『……でしょうね、さっきから何も言わないから、多分そんなことだろうとは思ったけど』
「お前みたいにネイティブに英語話せるほうが日本じゃマイノリティなんだよ。……日本で英語がそう簡単に通じると思うなよ」
はぁ、と通話先からため息が聞こえる。
それは至極普通のこと。
日常会話程度のヒアリングならばギリ行ける者もいるだろうが、会話のほぼすべてがお堅いタイプの単語を多用する交渉事であった場合、平均的な大卒の英会話力では流れについていくことすら難しい。
そう、先ほどまでの会話。
それは全て“流ちょうな英語”で為されていたのである。
つまり、「光速の騎士」をめぐるこの一連の流れの中で当の「光速の騎士」本人だけが事態に取り残されるという不可解な状況が発生していた。
(さぁ、どう出て来るか……。あまり過度に期待するわけにはいかないが)
襲いかかってきた自分たちを、分が悪くなったから見逃して欲しいというのは恥知らずもいいところだ。都合のいいことを言っている自覚もある。
だが、いままで「光速の騎士」の行動パターンを分析したところ、ある程度敵対者となる物に対しても交渉じみたものを行っている傾向があるのがわかっている。
結果として決裂となるケースが多いのはその場の状況がそうさせているのだろうが、今回のこの場での接触は望ましいものではないはずだ。
自分たちにとっても「光速の騎士」の側にとっても。
最初の出現時からすべての場面で「光速の騎士」はひどく衆目の面前に立つことを避けている。自身の成果を誇るわけでもなく、緊急事態に陥った場面で急に現れたかと思うと、それが終わるころには姿を消し、沈黙を守っているのだ。
法的な問題点があるにしろ、緊急避難としての拡大解釈を考えれば、民意をある程度は引っ張ってくることもできる。何かしらのコメントを出したりなどの活動すらない。
定期的に本人と称するメッセージが流れ、それについて多角的な側面からそれらが否定されているというのが最近の流れであった。
そこに関しては一ヶ月というそれなりの期間、「騎士」が雲隠れしているということも多分に影響はしている。
自らは何一つ発信せず、新しく出てくる情報も今一つ信憑性がない。
それはまるで一連の事件が異質な夢物語であったかの如くだ。
(そう考えると彼、ないしは彼女の側に表に姿を現せない事情を抱えているということだ。つまり我々と同じ何らかの成果を必要とする“組織”の作品である可能性が高い。……こうやって“二番機”が出来上がっていることがその証左だ。)
そういうバックボーンがあるのではと、考える。
まあ、ぶっちゃけ大外れもいいところであるが、同様の考えに至る組織・団体もあったりする。
普通の考えであれば、一個人が超人的な力を急に手に入れそれを行使している、ということはいかにもな子供向けのヒーローショーで、真っ先に排除される項目だ。完全な除外項目としてはいなくとも順列は大分下に落ちている。
現に白石総合物産の伝手を使い、色々なサポートを受けながら活動している、いやさせられている「光速の騎士」は、大きなバックを持つ組織の一員である、という推測は世界的な認識なのである。
まあ、少しばかり真実からは外しているのだが。
「我々としてはそちらとの協力関係を結び、技術交流を行いたいと考えている。もちろん、迷惑をかけた分こちらが先に技術提供を行い、それにそちらが釣り合うと思うを返すという形が良いかと思うのだが。……如何か?」
返答が無く、動きを止めた「光速の騎士」たち。
五号は時間稼ぎを兼ねた譲歩案を提示する。このラインまでであれば、現場判断で問題ないレベルであるはずだ。
具体的な提供物を挙げて反応を見る。
センサーが捉えた警察車両の現場到着並びに展開までの時間はおそらく五分程度。向こうとて警察からは距離を取っているのだからそこがデッドラインとなるだろう。
つまりはこれからの五分。それを稼ぐことが優先される。言葉での応酬で時間が削れるのであれば願ったり叶ったりだ。
「あー。それがねー?」
甲高い変声で気の抜けた返答をマユミがしてくる。緊迫感をぶち壊してくれるその声は分かっていてやっているのだろう。
ジェイクはもちろん五号もこのスーツを使う以上、薬物投与をしている。それは分かりやすく言えば易怒性を高めるもので、マユミの言葉は五号とジェイクの心の琴線をひどく引っ掻いてくる。
「……まあ、こっちの意見をまとめると、ねぇ? 別にお前らの技術なんざ要らねえ、だそうよ」
「何? それは我々と交渉はしないというこ……」
「そういうのは刑務所でお金払って弁護士に聞いてもらいなさい。それか精神鑑定のオイシャサマにね? ……もうすぐお迎えの車が大挙してくるから」
五号の言葉を遮り、マユミが聞こえ始めたサイレンの方を指さして見せる。
「だから、言っただろう! そんな交渉、時間稼ぎにしかならんと!!」
薬物の効きが五号よりもキマっていたジェイクがその安易な挑発に我慢できず、自身のブースターを全開にして突っ込んでいく。先ほどまでの五号の時間稼ぎ半分期待半分の交渉ごっこの最中に、サポートを受けつつ入り込んだ消火剤の無効化に取り組んでいたのだ。
完全な性能を発揮するには至らないが、それでも本来の六割、いや六割五分まではエネルギーの出力を上げて、サブシステムをバイパスすることで起動できるように再プログラミングした。
試験機とはいえ、戦闘行為に投入する以上問題が発生するのは当然考慮に入るリスクであり、バックアップのプランは準備してあって然るべき。
最低限の強制起動は実装されていた。
がぃぃぃぃん……っ!!
突っ込んできたジェイクとその突進先のマユミとの間に「騎士」が飛び込んでくる。
今の今まで手に持っていたはずのべこべこに凹んだ非常用消火器の成れの果てはどこにも見えない。代わりに持っているのは、大きな黒一色の盾。製作した白石特殊鋼材研究所のネーミングによれば、ヘビー・シールドと呼称されるものである。
それを掲げた「騎士」が姫を守るナイトよろしくジェイクを完全に抑え込んでいる。
ブースターが完全ではないとはいえ、それでも高出力・高質量の突進を真正面から抑えるというのは尋常ではない。
「ふ、んぅぐごぉぉぉ……っ!?」
みしみしとなるヘビー・シールドの裏で言葉にならない唸り声を兜の中で上げながら、「騎士」は両足を踏ん張って必死に耐えている。
強度・遮蔽範囲を重視し、重量と取り回しを度外視した、本来テスト用の試作プランの一つとして出された廃棄予定の盾であったが、試作版からほぼバランス調整のみで採用に至ったものだ。
要するに頑丈でクソ重い盾イコール突進や衝撃に“耐える”という使用目的に合致する品、というわけだ。使用者たる「騎士」が装飾や、デザイン性にまるで興味がなく使えりゃいいじゃん、というスタンスのため、無骨極まりない物になってしまっているのが難点と言えば難点だが。
「ちぃぃっ!!」
舌打ちと共に、ジェイクが「騎士」との距離を取ろうと後退の気配を見せる。
ジェイクたちのアーマースーツは、突進力を主とした一撃離脱がコンセプトであると思われる。昨今の軍事関連の風潮として人的資源の消耗に対し、非常にセンシティブになっていることがそのコンセプトに現れているのだろう。
一兵士の命を守るために一機に数十万・数百万ドルの無人機開発や個人兵装の充実を考慮するトレンドと考えは近いというわけだ。
少し話がずれたが、ジェイクたちのアーマースーツも個人携行兵装の拡大解釈と言え、運用に後遺症のある薬物投与を必須とするものであるという問題点を抱え、使用者の命だけは守るという矛盾を孕んでいる。
接敵のタイミングを可能な限り短く、一撃の威力を最大化させることを本目的としているのだろうというのが、昨日スーツを分析した白石特殊鋼材研究所の「騎士」専用鎧作成チームの面々の所感であった。
ず、ぉっ……!
後退するジェイクに合わせ、「騎士」がそれにほとんど遅れることなく追随してくる。地面に突きたてて壁のようになっていたヘビー・シールドもアイテムボックスに放り込まれている。
後退のためのブースターを展開しているジェイクに、ほぼぴったりと密着した状態で「光速の騎士」が前進していく。
先の白石特殊鋼材研究所の見立てでは、このアーマースーツの真価は中距離から一気に間合いを詰めること。純粋な接近戦についてはかなり不得手である可能性が高いと思われた。
もちろん、あくまで映像からの分析を基にした“仮説”どまりであるが、プロの技術者たちの目線からの仮説というのは一考に価する。
そしてその穴は本当に穴であったようである。
「くそっ!」
「させると、思う?」
くすり、と笑いながらジェイクの援護に入ろうとする五号の前にマユミが入る。
それに対し、五号は舌打ちをする。
このマユミの行動。
これは完全に確信犯的な意向を以って為されたものであるからだ。マユミのいかにもと言わんばかりの煽り。
明確に精神的ゆさぶりを目的とした見え見えのその挑発だが、非常によく効いた。先行し、消耗したジェイクを「騎士」が抑え、必然五号はデータが少なく、直接にはまだ対峙していないマユミと対することになる。
謀られた、と考えるのは早計だろうか。
(この位置取り、わざわざジェイクを動かした?)
ジェイクと五号がこの場を離脱するには最低でも「騎士」・マユミのどちらかを退ける必要がある。
双方とも時間制限が有る中でもっとも消耗しているジェイクを削るのであれば、この組み合わせが一番理に適っている。
真正面にゆっくりと両手をぶらぶらと揺らめかせながら立つマユミのほんの少し先の空間がわかりやすく歪んで見える。
陽炎のようにマユミの像が歪む。当然それはわざと大きく歪んで見えるようにマユミが力をコントロールしているからだ。
未知に対する警戒心が五号に二の足を踏ませる。
さらに追加装備の高出力ブースターが動きを著しく制限していることもある。これを外すことも出来るには出来るが、離脱が困難になる上、警察組織などに奪取されればその解析をされるのはかなりのリスクを伴う。
「……もう少し、邪魔をさせてもらいましょうか」
「……嫌らしいやり方を」
「正々堂々なんて知ったことか、ってね!」
その辺りを恐らく理解しているため、マユミは五号の前に立ちふさがったのだ。これを小賢しいというか、念入りな策と判断するかは各々の立場による。
そうして対峙するマユミと五号をよそに、ジェイクと「騎士」は戦闘を続行する。
離脱・撃破のためにも急加速の行き足にほんの少しの距離を必要とするジェイクと、そのほんの少しの距離を潰すことに徹底して注力する「騎士」。
ただし、若干であるがジェイクのほうが速度が速い。しかもジェイクが事の起こりを決めるため「騎士」は必ず後手に回ることを強いられる。
複数回のストップ・アンド・ゴーを繰り返すことでほんの少しの猶予を重ねていく。
それはつまり、ジェイクの求める“ほんの少しの距離”に達するまでの道であり、「騎士」へと一撃をかますことに繋がっている。
精神的なストレスを強いられながらも、かんなで削るような薄皮を重ねてそれを稼ぎだす。
周囲から聞こえてくるサイレンの音もすでにすぐ近くまで来ているのがしっかりとわかる。
要するにこれが最後の勝負どころということになるのだ。
(これならば、間に合うっ! 辛うじて、辛うじてだが、届くぞっ!!)
武装関係については試験機ということもあり、追加パッケージで補う仕様である。戦闘の可能性の低い動画投稿者との接触であったのでノーマルの状態での運用であるジェイクのアーマースーツでは仕方の無いところでもあった。
だが、必要最低限の助走距離は稼ぐことができた。
ぼっ…………!!
エマージェンシーが続く表示画面でいっぱいのヘルメットであるが、辛うじて。本当に辛うじて、ブースターが起動できることは確認できている。
最大出力の六〇パーセント弱で、ジェイクのブースターが起動。正常時には起きないはずの不可解な振動を感じながら、「騎士」を迎え撃つための突進に全てを賭ける。この場で邪魔になるような者はマユミだけ。
だが、そのマユミは五号をけん制している。均衡を崩して「騎士」に助力するだけの余力は無いはずだ。
「獲ったぞっ!!!」
間合い。タイミング。余所からの不確定要素。ブースターの出力とそこから考えうる威力。現在の「光速の騎士」の位置。
瞬時に全てを纏め上げたジェイクの判断からすれば、これは不可避の一撃であった。
ごッ…………ッッッ!!!
衝突音、そしてミキサーの中に放り投げられたかのような振り回された視点の転換。
最後に襲ってくるのは腹部を中心とした強烈な衝撃。
ど、どどどっ…………ごが、ごんっ!!
勢いよく車道まで吹き飛ばされ、ごろごろとアスファルトを削りながら転がり、反対側のガードレールにぶつかったところでようやく体が止まる。
ジェイクが。
そう、吹き飛ばされたのは「光速の騎士」ではない。
攻撃を仕掛けたジェイクが。不可避の一撃を放ったジェイクが、だ。
「…………な、に? ご、グゥ……っ」
緊急用のバイパスの断裂によるスーツの緊急停止。ヘルメットの黄色のテキストメッセージ混じりだったエマージェンシーは全ての状況を赤色の最重要に切り替え、完全に真っ赤になっている。がなりたてるサポートチームの通信もじゃみじゃみと砂嵐メインのものになった。
ごんっ! がらららっ……!
転がるジェイクの真横に、五〇キロ表示の速度標識の白いポールが空から降ってきて車道の上を滑っていった。
ジェイクが居たはずの場所にあった標識、ガードレール、街路樹。
それら全てが“薙ぎ払われて”いる。
「……本気では、なかったのかっ! 敢えて、俺を、泳がせてっ!!」
あの衝突の瞬間、「騎士」が何もしなかったはずはない。
そう、わざとジェイクに助走のための距離を稼がせたのだ。
どの程度の距離を必要とするのか。出足はどの程度の速度が出るのか。その起こりはどのような作動音がするのか。
それをじっくりと分析し、タイミングを計り、“一振り”で仕留める。
それが出来るのは、余裕があるからでしかない。
つまり、一対一であればジェイクはそういうことが出来る相手だと。
舐められているわけでなく、純粋に戦闘中に分析できるレベルと判断されたのである。
一言で言うと「格下」だと。
ふ、ぉっ!
どんっ!
振りかぶった格好で静止していた「光速の騎士」がその手に持った大物を振り、地面へとおろす。
そしてようやく「騎士」が転がるジェイクに視線を向けた。
「……ふざけ、ふざけるな。そんな、冗談みたいなものを」
ジェイクは腹部の衝撃でまだ立つことができない。だが、アドレナリンが噴き出した頭ははっきりとしていた。
憎たらしい「騎士」の持つ地面に下ろされた大物。
全長は約二メートル。総金属製のそれは総重量一〇〇キロを超える。
片刃のブレード部は一メートルで、「騎士」本人の希望により刃引きしてある。鋭い切れ味を求めるならば、リスクとして刃が欠けることがあるためだ。そこから衝撃による破損も考えなくてはならない。今回のように振り回し、ぶっ叩くというのであれば切れ味は二の次でいい。
大斧とグレイブを組み合わせたようなその仕様。
白石特殊鋼材研究所謹製「光速の騎士」用対剛性武装試作案の一つ。
開発プラン時の通称は「オーガザンバー」、その意は「鬼潰し」に通じる。
銀嶺学院のときからの一月。
このような浪漫武器。
思いのまま造れるというのに、それを造らないはずがあろうか、いや、ない。
ファンファンファンファン!!
そこにけたたましいサイレンと共に、警察車両が到着する。
道路いっぱいに広がり、車両で進路を防ぐ。
機動隊も含め一斉に逃げ道を塞いでいった。
「…………ふぅ、これでなんとかなるか、な?」
首をごき、と鳴らし「光速の騎士」は地面に下ろしていたオーガザンバーを肩に担ぐ。
その重量に耐えられず、みし、という音を立てて地面がほんの少し沈んだ。
戦闘描写って難しい。
もうちょっとコンパクトかつ的確に伝えることができないか。見てて地の文が黒いのがな……。
今回の課題ですね。
こういうのサクサク書ける上手な人、うらやましい。




