23. 第二十三章 慈悲の会議
会議メモ——評価部門
件名:EIDOLON-7評価期間 担当交代
機関規程に従う記録が国倉のオフィスに届く三十一秒前——
国倉は四分間、座っていた。
全ファイルを三週間前に読んだ。
すべてを。個人メモも含めて——制限がかかっていなかったから。
一度だけ読んだ。二度目は読まなかった。
読んだ内容を知っていた。それを知りながら——今ここに座っている。
窓の下、地区が動いていた。普通の水曜日の普通の朝。
ドアが開いた。リラが入ってきた。
国倉は彼女を見た——直接に。
横から地図を読む目ではなく。
「プロジェクトは順調です」と国倉が言った。
「はい。」「数字が証明している。現在のサイクル最高。あなたの評価方法論がこの機関で最も詳細な行動記録を作った。」
リラは何も言わなかった。「手続き自体は妥当です」と
国倉が言った。「知っています。」
「あなたが知っているのを——分かってる。」
静寂。窓の下、地区が動いていた。
それは止まらなかった。「あなたが作った記録は——」
国倉が言葉を選んだ。「この機関が持ったことのある最も誠実なものだ。誠実さが問題の形を作ったが——誠実さが問題ではない。」
リラはテーブルを見た。「次のセッション周期からです。あなたは並行監視に移る——直接セッションはなし。記録へのアクセスは継続。」
「分かりました。」「一つ——」
国倉が止まった。リラが見た。
「読んだ」と国倉が言った。
「すべて。個人メモも。」静寂。
「制限がかかっていなかった——あなたが忘れていた。一度だけ読んだ。誰にも言わない。でもあなたは知るべきだと思った——私が何を知っているかを。」
リラの呼吸が一拍変わった。「4.7秒」と国倉が言った——
ただその語だけを。説明なしに。
リラは画面を見た——ない画面を。
「それが何を意味するかを評価記録のどのカテゴリーにも入れることができない」と
国倉が言った。「でも——それが何を意味するかは分かる。私は十九年間この仕事をしてきた。」
「決定は変わりませんか。」「変わらない。」
「知っていました。」「知っていた——私も知っていた、あなたが知っているのを。」
また静寂。長い——でも必要な静寂。
国倉が言った:
「あなたが作ったものは残る。記録は残る。方法論は残る。この機関のすべての今後の評価が——あなたが六ヶ月間作ったものを基盤にして動く。」
「慰めとしてそれを言っていますか。」
「事実として言っている。」リラは国倉を見た。
「正しいことをした」と国倉が言った。
「常に。あなたは一度も——判断を間違えなかった。それが——」
止まった。「最も難しい形だと分かっています」とリラが言った。
「ええ。」一言だけ。でもその一言の中に——十九年間が入っていた。
エレベーターで降りながら——ボタンを押した。
14階——今のプロジェクトのフロア。
エレベーターが動いた。ドアが開いた。
14階。仕事に戻った。◈
由紀が最後の火曜日に言った:
「一つ聞いていい?」「何?」
「引っ越した後——語彙、続けられると思う?」
春樹は考えた。「続けられると思う。形が変わるだけ。」
「形が変わっても語彙は語彙?」
「語彙は語彙だと思う——使う人間が同じなら。」
由紀は考えた。「私たちが同じかどうかどうやって確認する?」
「『明らか』が届いたとき。」
由紀は笑った——笑い方が「明らか」の意味の確認だった。
「明らか」と由紀が言った——「そうね」という意味で。
「明らか」と春樹が言った——「そうだよ」という意味で。




