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俺の初恋は若年性  作者: わたしはオジヘル
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テレジアにちくられたら

それにしても伯母様というお人は ...... 雨がちの肌寒いなかサラリーマンの通勤かと思うよう。「行って来るわよ。」折りたたみ傘を手にぴんと伸ばした背筋で足早に駅へ向かう。電車バスはどんな事があったって座らないというのだから何とも ...... お若い頃から睡眠時間は四時間半、それ以上寝たことがない ......


というわけで聖霊降臨の主日も二人でお留守番。彼女の誕生日に彼女と二人で朝から留守番 ...... 正直、ときめくよう。ここに至って青春アゲインか。いや、リベンジ戦というべきかな、三十年越しの。これも伯母様のいきなお計らいなのだろう。感謝。感涙。


しかし浮かれてばかりもいられない。お八つになったら神父様を連れてご帰宅の予定。心の内を見あらわされるのではないかビクビクものだ。あの時は騙したのではなかったけれど、事実を隠したのも確かだし。神父様はテレジアの声を聞くそうだし。さあテレジアにちくられたら何としよう。


清らかな心持ちになるために聖書を読みカトリック音楽を聴いて備えようか。『ルカ傳福音書』から今日は東京大司教認可本を読んであげて、お昼を食べて歯磨きをしたらば彼女の音楽コレクションを聴こう。大好きな指揮者だという、日本の朝比奈隆がアメリカのシカゴ交響楽団を指揮した、これまた彼女が大好きだというブルックナーの第九交響曲。欧米歴訪中に入手したカセットテープと見える。


今日は二人のランチを作る僕。彼女の第一の好物はクリームシチュー。小さい時分から大人になってもずっとクリームシチューというから世にも可愛らしい人だ。本格的なやつを作る意気込みで夕べから材料を揃えて持参した今朝。伯母様と神父様にも召し上がってもらうべく秘蔵のワインを引っ提げて。伯母様に伺ったら、カトリックの神父はプロテスタントの牧師と違って大酒飲みが多い、うちの神父様はたんとは飲まないと思うけど上等なワインなら喜ぶわよ、と。ワイン程度で免罪符を交付してくれれば良いのだけれど。テレジア、テレジア、罪深い僕のことをちくらないでおくれね。

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