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俺の初恋は若年性  作者: わたしはオジヘル
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告白

ここに告白します。わたしは、或る、卑怯な手段を用いて彼女の居場所を突き止めました。


老人施設で暮らしているようだと、あの花見の晩に知って、何も手につかなくなりました。翌朝、デイサービスを欠勤しました。それから十日ほど欠勤し、そのまま退職してしまったのです。


花見をした数日後、勇気を出して一通のメールを送りました。テレジアについて情報の源であるらしい昔の女同級生に。特に親しいでもなく、十五年ぐらい前でしたか、同窓会でメールアドレスを交換したきりの人でした。何か聞き出せるなら聞き出せるだけのことを聞いてみようと思いました──ちょっと耳に挟んだんだけど◎◎が施設にいるんだって?と。


すぐに返信があって、その通りだと。言うには、テレジアのお兄さんが牧師になっているプロテスタント教会に「婦人会」と呼ぶ集まりがあって、「婦人会」で祈りの課題のひとつが、テレジアの今後だそうです。聞いてびっくり、女同級生は信者だったのです、高校生の頃から通う。つまりテレジアがプロテスタント時代、同じ教会の信者どうしでした。


しかし女同級生にせよ、どこの何という施設なのかは知らない。お兄さん牧師が知られぬよう苦心している。教会の中でも知っている者は限られた人だろう、と。


わたしは暫くのあいだ、ずいぶんと悩みましたすえに、ひとつの事をしようと決心しました。ある方法を使えば、施設に辿りつけるかも知れない。テレジアの戸籍名、お兄さん牧師、その教会、高校当時の住所、など、テレジアにつながる材料の多さを考えれば、比較的容易なはずです。お金さえ出せば、見つからないとも限りません。


その具体的な方法──それについてはテレジア本人にも、また伯母さんに向かっても、包み隠さず明らかにし、伯母さんにおいては寛大にも赦してくださいましたことゆえ、ここでは以上にしたく思います。


案の定、分かりました。窓越しに映る車椅子のテレジア、数枚の写真でもって、ほぼ間違いなく彼女だろうと断定してよさそうでした。


こうなるといよいよ矢も楯もたまらなくなりました。施設周辺をうろうろしに出かけました。中を覗こうとして覗けず、窓越しのテレジアは認められない。手に入れた写真は望遠レンズだからとれたものに相異ありません。


求人を出しているか、帰宅してネットをつついていたらです、「単発アプリ」の字が目に飛び込んで来た。単発アプリとは、日雇いで介護の仕事をさせてくれるスマホ用のアプリです。好きな日に好きな施設を選んで働きに行けます。初任者研修を済ませた者であれば、まずどんな施設ででも日雇いで働ける。


アプリをダウンロードして必要な書類を写メします。すると数十分のうちにアプリが使えるようになりました。


しかも。出ているではありませんか。件の施設名。たくさん出ています。毎日のように日雇い介護士を入れている施設が、テレジアが暮らすらしい住宅型有料老人ホームでした。


昨年2025年、5月2日、そのようにして私はテレジアと再会しました。実に三十と二年が過ぎていました。

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