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俺の初恋は若年性  作者: わたしはオジヘル
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突如理性を奪われ

さて只今夜勤(の休憩時間)中である私はというと、我にしろ親にしろ無宗教ないし無神論家庭ゆえに、彼女と同じでありません。学校で聞かされる聖書のお話を、ひとつとして覚えませんでした。宗教なんぞ爺さん婆さんがする暇つぶしだと高をくくっていたものだから。


テレジアと通学した中高一貫校は、ミッションスクールです。プロテスタント系のそれでした。したがって彼女がそこへ通うとしてちっとも不自然でありません。七つ上のお兄さん──今は教会の牧師さん──が出た学校でもあります。この私は父母の気まぐれで入学させられたのでしょう。(牧師だとか神父だとかをさして言うとき、「ヤソの坊主」と、そのようにパパは揶揄しましたっけ。)


申しましたように、テレジアという子がいる事実に気づくまで──あの、涙ぐんだ彼女を見かけるまで──通いはじめて一年たっていました。それほどに、彼女は目立ちにくい存在だったと思うのです。


友達が多いようには見えず、楽しく部活動しているふうでもありませんでした。恐らくですが、雑居ビルへ帰って聖書を読み讃美歌を弾いたのだと想像します。こちらとしては向こうの存在に気づくようになったし、綺麗な泣き顔をもった女子だと認識したに違いないけれども、先方は──これも恐らくですか──私を気にとめなかった。


私とて、べそかきだからとの理由のみで誰かに熱をあげるべくもなく、テレビに映る人気歌手のブロマイドを入手すべく熱中しました。同年齢男子の御多分に漏れずです。中学の三年間、それから高校生になっての二年間、意識下でこそ思いを募らせつつあったわけです。


なぜ「意識下で」と言えたか。それは、麻雀友達と入ったファミレス、そこで彼女にまつわる逸話を聞いたことを境として、突如理性を奪われた。健全な思考が出来なくなったからでした。

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