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彼女はすやすや眠っています
かような程度ならばとうからご存知の方もいらっしゃるでしょうけれど、カトリックの信者さんとプロテスタントの信者さんとの間で著しく異なる点は、聖書を開いて読むか読まないか。プライベートでも聖書を開く人がプロテスタント、そうでない人がカトリック。そして日曜日にプロテスタントの教会へ行こうものなら、牧師さんが聖書から講義している。カトリックのミサで、そういう事をする神父様はいない。どうも、根本的な違いのようであり、ユーチューブに出ている動画等からも確かに伯母さんが申している通りだと分かります。
テレジアは二十代でカトリックに変わるまで、生まれながらプロテスタントだった。転向した後も聖書を好んだ。常に持ち歩いた。通勤電車の中で小型版聖書のページをめくるテレジアを見た。カトリックにしては余程珍しいと言ってよく、神父様だとか神学生だとかなら知らず、テレジアみたいな聖書の虫を、伯母さんは他に知らない。
唯一テレジアの居室にカトリック色をそえるのは、「ロザリオ」と呼ぶお数珠でありましょうか。小さな十字架を結いつけた愛らしいお数珠を枕元にさげて、彼女はすやすや眠っています。




