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カトリックとプロテスタントと
伯母さんに教えてもらった幾ばくかをここへ書きますならば、カトリックとプロテスタントは同じキリスト教だ同じキリスト教だと、世間ではそのように扱われるようだし、教科書にも書いてある事だけれど、本当のところ、ふたつは随分と食い違っており、従っている教えから礼拝の仕方まで、挙げ始めたらきりがない。
こんにちでこそ互いに認め合うふうであるものの、まだ伯母さんが若いころは、絶対にそうでなかったと言います。自分の所のミサをよそに浮気してプロテスタントへ行き礼拝することは、カトリック信者の固く禁じられる行為だったし、あべこべにプロテスタント信者がカトリックの教会へ拝みに来るならわしもなかった。きっとプロテスタントで村八分にされたろう、と。よしんばプロテスタント信者がミサに加わるにしても、カトリック信者と等しく完全参加までは許されない──これは今もって隔てを設けるそうな。
皆聴いた覚えがあろうあの『アベマリア』は、カトリックに独特の歌詞だから、まずプロテスタント教会で聞く機会があるまい。社会科で勉強する教科書は教科書として、カトリックとプロテスタントと、それぞれ別の宗教だと言った方が早いわね、とする伯母さんの考えでした。




