朋ちゃんが田村君を呼んだ
冗談をいって笑っている二人だけど、本当は危なかった。可愛い姪っ子は命を落とすところだった。Stanley君が敗血症を疑わなければ手遅れになっていた可能性だってあった。自分では分からなかったってね、真菜ちゃんは。最初は脱水症だと思ったって。お医者さん夫婦だから助かったんだよ。でも、と言っては不謹慎な結果論だけど、それで真菜ちゃんともStanley君とも知り合えた。でなければ僕が二人を知る機会は永久に来なかったかもしれない。電話もインターネットも何もない山の中だからね。そんなルソン島の山奥で今ごろ台風の備えに忙しくしているに違いなかった。まだまだいるはずだった。四カ月の予定で行ったんだから今月いっぱいはボランティア活動するつもりでいた。思いもよらない形で切り上げる結果になって、だからこそ僕も二人の人間と接点を持つようになった。特に真菜ちゃん。真菜ちゃん伝いで朋子に巡り合った。僕が知らなかった朋子に、やっと最後に出会うことが出来た。巡り合いとは摩訶不思議な因縁を言うんだね。といって、実は、これも、裏で朋子が手をまわしてこうなるように仕組んだんじゃないの?と僕はにらんでいるんだけど、どうなの?伯母様と同じ大胆不敵な遺伝子を受け継いだ朋子は、初めから全てお見通しのプロットを書き上げていた。僕は朋子が書いたプロットに乗っかった駒。去年、僕は自分から行動を起こして朋子がいるホームへ乗り込んだ、と思っていた。どっこいそうではなくて、「朋ちゃんが田村君を呼んだのッ。百パーセント間違いないって断言する」と笑う真菜ちゃん。んんん




