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僕の片目は灰色  作者: 摩子猫
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おしっこがでない

しばらく、せどといっしょの、あたりまえのせいかつをしてたんだ。


いっしょのごはん。

いっしょのおみず。


いっしょにとろとろ。

たまにおたがい舐め舐めして、気が付くとぼくもせども、

じゃれあってたのが、みょうにコウフンしちゃって、

ウンドウカイをしてみたり。


ぱぱも、ぼくをみて、

「ツチノコだな・・・」

って言ったり。


つちのこってなに?


ままも、ぼくをみて、

「よーぅ、そこのアザラシ!」

って言ったり。


アザラシってなに?


「こめぶくろふたつぶんだよね・・・」


だからこめぶくろふたつぶんってなにー?



でもままとぱぱが、ぼくをカワイガッテくれるから、

ナデナデもしてくれるし、イトオシソウにみてくれるから、

そんなのどうでもよくなっちゃった。



そんなある日。

ぼく、なんかヘンだ。

いままでちーって、おしっこでてたのに、

とつぜんでなくなっちゃった。


まま、ぼくちょっとクルシイです・・・

ぱぱ、おしっこがね、でないの。


それでもやっぱり通じなくて、そのうちくるしくて、

おなかのあたりもいたいいたいで、

そんなぼくをみてたぱぱとままは、

おかしいとおもってくれたみたいで、

ぼくをハコにつめて、

今度はちがうせんせいのとこにつれてった。


まわりは暗くなってた。


「すいません、急患なんですけど。」


「どうしました?」


「おしっこが出ないみたいなんです。

膀胱あたりはパンパンなんですけど・・・」



「それは尿道結石かもしれない、ちょっと診てみましょう。」


かなしそうなかおしてるまま。

ぼく、だいじょうぶだから。

ちょっとおなかが痛いだけだから・・・


でもやっぱり、ちっくんされて、いろいろされた。


「やっぱり尿道結石だね、お小水抜いちゃいましょうね。」


「よろしくお願いします。」


「それではちょっとお預かりしますね、すぐ終わりますので。」


まま、かなしそうなかおしないで。

ぼくだいじょうぶだよ。


そうしてるうちに、あちこちナニカされて、

そしたらおしっこがね、ぴゅーぴゅーって!


あれはなんだったんだろう?

とつぜんでなくなったんだけど、ぼくには何もできなくて。


おしっこだしおわったら、ぱぱとままが待ってた。


「とりあえずたまってるお小水出しました。

これ、サンプルなんですけど・・・

リオちゃん去勢手術しましたよね?

その関係で、食事を変えたほうがいいかもしれません。

これからは療養食を与えたほうが良いかと思われます。

ご検討くださいね、お大事にどうぞ。」


そういって、いつものせんせいとちがうセンセイは、

ぱぱにぼくをわたしたんだ。


ぱぱとままは、

「ありがとうございました。」

って。


ぱぱとままは、

「とりあえず楽になれてよかったねえ。」

って。


うん、ぼく、もうラクになったよ!

だからだいじょうぶなんだよ!

おうちへかえろうね、まま!

おうちへかえろうね、ぱぱ!


ふたりにごちん、ってやったら、ようやく笑顔の花が咲いて、

ぼくはそれだけでほっこりしちゃったんだ。






初めまして、読んでくださってありがとうございます。


好意的なご意見も、否定的なご意見も持たれやすいですが、

それでも読んだぜえええええ!!!とひとこと、お願いいたします。



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