1話
ふと、気が付くと俺は学校の職員室の扉の前にいた。扉は半開きになっており、光が少しだけ漏れている。
寝ぼけ眼をこすり、じっと目を凝らしてみると、中は広く、机の数は少ない。
床は雨漏りのためか、少し膨れている。
また壁が老朽化していて、木製の柱がむき出しになっている。
と、ここまで見ると自分がよく見慣れている景色だとわかった。
「またか・・・」最近よく夢を見るので、少々うんざりしながら呟いた。
この夢で見ている職員室は大山高校のであろう、と俺は思った。
断言してもいい。
眠たくて頭がぼーっとしていても自分の通っている学校の職員室くらいはわかる。
夢だとしても、夜の職員室を見るのは初めてだな、と思いながら何気なしに先生たちの机を眺めていると、片隅にふと人影を見つけた。
俺は小さいころから視力が悪く、裸眼は両目0.3ぐらいだった。
常に、コンタクトか、眼鏡をかけていたが寝るときくらいは外す。
今見てる景色は、夢の中なので、眠ったままの状態である。
なので何かをしている影だけは見えるのだが、誰が何をしているかまでは、はっきりとはわからない。
目を細めてじっくり見てみる。
やっぱり見えない。
「なんで俺は視力が悪いんだよ。」あまりのもどかしさに、耐え切れなくなった。
夜に誰かがこそこしてたら、突き止めたいというのが、人の性格というものだ。
「あの・・・、なにやって」言い終わらないうちにその人影が振り向いた。
そして、突然、その人影が猛スピードで自分の元に走ってきた。
なぜ俺の方向に走ってくるのか?
これはどういうことなんだ?




