第二章第十話『デスゲーム』
世界が止まったその瞬間、アヤトは絶望した。
「言ってたそばから来たよこれ……」
ッ。
や、め
…
終わった、世界が動き出す。
アヤトの顔から血の気が引いていた。
「ん?どうした兄ちゃん?」
「……」
「ん?」
「あ、いや……なんでも、ない、すまない」
「りんごありがとよ!」
「おう!また来いよ!」
アヤトは足早にその場を離れ、人目につかない路地裏へと駆け込んだ。
「オエッ……!ゲホッ…!」
胃の中のものを吐き出す、だが吐き気は一向に収まらない、喉が焼けるように痛い、息もまともに吸えない。
「なんなんだよ……あれは……」
気持ち悪い、死ぬ死ぬ気持ち悪い死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬys............
「あ……はは……はははは……」
乾いた笑いが漏れる、あれはもう、自分がどうにかできるレベルじゃない。
いや、それ以前の問題だ。
あの未来では、自分も死んでいた。
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見渡す限り血まみれの地面。
視界を向ける先すべてが赤く染まっている。
右を見ても首。
左を見ても首。
転がる眼球。
潰れた顔。
砕けた骨。
肉片。
まるで人間を玩具のように壊した跡だった。
そして、その中で一番目を逸らしたかったものがあった。
地面を転がる――自分の首。
黒いコートを纏った男が、その光景を眺めながら不気味に笑っている。
男の傍らには、人の肉と骨だけで作られたような禍々しい剣が地面へ突き刺さっていた。
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これがアヤトの見た未来だった。
世界の終わり。そんな言葉ですら足りないほどの地獄。
しかも今回は、自分自身も死んでいる未来だった。
「無理だ……」
「無理無理……こんなの無理だろ……」
アヤトは頭を抱え、その場へしゃがみ込んだ。どうすればいい。どうすればこの未来を変えられる。
これまで未来視で見た出来事は、どれもその日のうちに起きている。つまりこの地獄も、今日起こる。
誰がどう見ても、自分一人でどうにかできる規模じゃない。
「あ……ジョワ。」
その名前が頭に浮かぶ。
「ジョワなら……この未来も変えられるんじゃないか?」
昨日受け取った徽章、あれを握ればジョワが来てくれる。
だが徽章はノアの家に置いてきた、取りに戻る時間なんてない。
戻っている間に、この街は血の海になってしまう。
「じゃあどうする……」
「この街のみんなが死ぬ……」
――みんなが死ぬ。
ん?
その言葉が頭の中で引っ掛かった。もし仮説が正しいなら、未来視を見た相手の能力はコピーできる。
なら、この街の人たちの能力を集めれば、何か未来を変えられるんじゃないか?
「そういえば……八百屋のおじさんの能力って何だったんだ?」
自分の能力さえ確認できれば、ゲームみたいなステータス画面でもあれば──。
ビビッ!
青白い光がアヤトの目の前へ浮かび上がる。
「……これは」
透明な画面がゆっくりと表示された。
「マジか!出るなら最初から出てくれよ!言わなかった俺にも非はあるけどさ!」
と思わずツッコミを入れながら画面へ目を向ける。
「どれどれ……」
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Lv:2
HP:5000
MP:1200
STR:500
AGI:600
INT:800
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【オリジナルスキル】
『未来視』
・死が確定している人物へ触れることで未来を見る
・未来を見た人物の能力をランダムでコピーできる
・コピー可能数は無限
?????
レベルアップで解放可能
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【所持能力】
・糸生成
糸を自在に生成・操作できる。
・身体能力上昇
HP低下時に発動。
STR・AGI5%上昇。
・身体能力上昇
MP低下時に発動。
INT10%上昇。
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「え!?全部見れるじゃん!」
さっきまで一人で必死に考えていた時間が馬鹿らしくなるほど、欲しかった情報がすべてそこに書かれていた。
「未来視は予想通りだな……。」
気になるのは三つ。
レベル。
オリジナルスキル。
そして身体能力上昇。
レベルはどうすれば上がる?そもそも、いつレベル2になった?
オリジナルスキルも、レベルを上げればもう一つ解放されるらしい。
そして身体能力上昇。同じ名前の能力が二つある。
「……あ。」
「八百屋のおじさんも身体能力上昇だったのか!」
そう考えた瞬間、アヤトのやるべきことは決まった、正直、逃げたい。
あの未来を見てしまった今でも足は震えている。怖い。
でも──もう逃げない。未来にも。運命にも。最後まで争って抗ってやる。
「未来……変えてやんよ。」
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「アハッ」
黒いコートの男がゆっくりと街へ足を踏み入れる。
「さぁ舞姫を奪いに行くかぁ……」
男は口角を吊り上げ、不気味に笑った。
「さぁ──。」
「デスゲームを開催をするよぉ。」




