CⅩⅩ UNNUHONEMIRATUH (2人目の〈憤怒〉)
「なんだテメェリア充かよ」
「ッ………!!」
「いや悪い悪い、場を和ませるつもりだっただけだからそんなキレんな!」
どうやらこれはハヤトにとってかなり重いトラウマなのだろう。
あまり茶化さないほうがよかったのは事実だ。
「ただ、アスモデウスの復活を望んでるってことはアスモデウスが死んでから………まだ1ヶ月も経ってないのか」
「ええ。彼女が連れて行かれたのはちょうど2週間前。
僕は狼に食べられそうになってた子どもを助けたらいつの間にか村長になってましたけど、そんなのはもはやどうでもいいんですよ。」
アスモデウスが死んでから16日経っている。
アスモデウスが死んで2日、ということは俺が〈紫之迅槍〉を取り戻しルシファーと戦っていた頃だ。
「なぁハヤト。〈色欲座〉が………いや、〈蠍部隊〉が憎いか?」
「ッ……!当たり前じゃないですか!」
「本気でアイツらと戦うなら俺はお前に、その剣を扱えるほどの力は渡そうと思う。」
そう。〈神化〉だ。
〈最高神〉の神の駒の術式の1つ。
ただの人間を神にするというとんでもない術式だ。
〈神器〉は神にしか扱えない。
別にその剣を俺が貰って、〈蠍部隊〉を殺してくることもできるがそれだとハヤトが嫌がるだろう。
ましてや、「アスモデウスを殺した神」という印象しかない今、お前がアスモデウスを殺さなければとも言われてしまうわけだ。
「ユウキ……それって……」
「あぁ。この世に神が一人増える。俺が減らしちまったんだ。こんぐらいしていいだろ」
「〈神化〉」
俺がその術式を唱えると、ハヤトの体が光り始め、彼の目の前に神の駒が降ってきた。
その神の駒は………
「おい待て、この神の駒………〈憤怒〉……⁉︎」
かつて俺が使っていた〈憤怒〉の神の駒だった。




