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五章23〜“ホウレンソウは大切です”

 俺は今レイスとメリエルと俺でナタリアに会いに冒険者ギルドに来ている。

 何故この3人かというと……。


 案の定あの夜ルシエルにコテンパンにされたエイルーナ。

 エイルーナはクリスとアルフリードくらいしか格上を知らない。

 さらにいえばクリスは手加減なんて言えるレベルじゃないくらいの手を抜いていたのだ、まぁあの頃の事は仕方ないとして、クリスは知らないと言っても言い過ぎではないだろう。

 アルフリードに関しては本人談で、シンプルな剣術として自分のレベルはとても剣士としては胸を張れる実力はない…と。

 実際剣だけならもしかしたらエイルーナや俺の方が勝る点もあるかもしれない。

 だが、それを補う経験や知識、魔法を織り交ぜた技術で、俺とエイルーナ2人がかりでも楽々倒す事が出来るほどだ。


 そして俺も色々な奴と戦ったりしたが、やはりその中でもルシエルはレベルが高い。

 解説できるほど戦った訳でも、戦う姿を見ていた訳でもないが、速さも力も相当なレベルだろう。

 エイルーナが俺とどっこいどっこいだと考えれば、やはりルシエルには及ばない。

 そして歳が近いのがエイルーナが受け入れることが出来ない一番の理由なのではないかと思う。


 まぁつまりはというと、コテンパンにされてダウンしたエイルーナ。

 それでも予定通り自分が付きそうとか言い出したが、ミシェイルさんが怒りました。

 エイルーナは宿で待機、ミシェイルがその付き添い。

 ルシエルは疲れてるのにエイルーナに起こされてこんな事に巻き込まれたので寝ると。


 ルシエルが相手をしてくれないので何故か俺に絡み始めるメリエル。

 そしてルシエルくんのお姉さんのメリエルさんは暇なので外出にもついてきました。


「ねぇレオ、この子どういう扱いをすればいいかわかんないんだけど?」


 あら、意外。

 俺の中でレイスは女なら見境ないプレイボーイ系かと思っていたので…こんな反応は意外だ。

 そんなことをコソコソと耳打ちしてくるレイス。


 まぁ確かにメリエルは独特である。

 天然ってよりはどっちかっていうと精神が幼すぎる?そんな感じなのでレイスが苦手に思うのもわからなくはない。


 しかし問題は話の場にメリエルがいて大丈夫かと言う事だが……。

 すでに遅い…メリエルが冒険者ギルドに入っていく。


 俺とレイスはそれに続いて入る。

 何かエイルーナが絡まれた時のことを思い出した。


「メリエルさん!あんまり離れないでくださいね?」


 先に進むメリエルの肩を止めてそう声をかける。


「わかった」


 そう答えてくれたが、なんかこう言うキャラの肯定は不安な気がする。

 可愛い精神年齢の低いキャラなんてアニメや漫画の中だと決まってトラブルメーカーだろ…。


 冒険者ギルドを見渡すと、中央のテーブルに当たり前のように座っている女性がいる。


「レイスはメリエルさんの事見ててくれ」

「ん〜…了解」


 レイスがナタリアをなんとなく嫌がっているのは顔を見てわかった。

 出会い頭に鼻っ柱を折られたのが効いているのだろう。

 本人の中でナタリアかメリエルどっちとの強制イベントがマシなのかを選択したに違いない。

 俺はナタリアが待つテーブルに、人を避けながら近付いていく。

 その後ろをレイスやメリエルが付いてきている。


「どうも…前、空いてますか?」

「…ああ」


 俺は軽く会釈してからナタリアの向かいの椅子に腰を下ろす。

 その後ろにレイスとメリエルが立つ形になっている。


「数日前と顔付きが変わったな」

「そうですか?」


 まぁ死にかけたからな、って普通なら思うのだろうが、シンプルに病み上がりで顔色が良くない可能性の方が高い。


「この前の小娘は?」

「まぁ、色々ありまして…もしかしたらご存知なのでは?」

「まぁな」


 あら知ってるの?

 どっちかっていうとカマかけてみた感じなんだけど…俺が甘いのか?

 とりあえずエイルーナに教わった通りに、銀貨を懐から取り出してテーブルに置く。


「とりあえずお前に紹介する傭兵の目星も予定も把握してる、話はつけてるしここからリズまでの道にも詳しいはずだ、後はお前ら次第だ」

「迅速な対応ありがとうございます」


 エイルーナがどんな話をしていたのかも聞いている、だが俺からも提示しないといけない事があるのだ。


「ただ、依頼してたのと違って麓のルートを通ろうと思ってまして」

「なんだ?急ぎの用でも出来たのか?」


 この様子だと俺がストーンタイガーを討伐した事実を知らないらしい。


「いえ、麓を避ける理由はストーンタイガーですよね?あれならなんとか討伐できまして…」

「なにっ?あの群れを討伐しやがったのか?」




「えっ?群れ?」


 ん?虎だろ?虎だよな?

 いや、間違いないんだ、俺は見た!生で見たのだ。

 俺は誰がどう言おうと虎だった、確かに色は変だし、デカさも俺の知ってる虎よりデカイけど、あれは虎だ。

 虎は群れないだろう?


 少し沈黙が流れる。

 ナタリアの視線も心なしか冷たい。

 背後のレイスの視線も…そう、俺は調子に乗ってレイスに何を話すか伝えてなかった。

 というか誰にも話してなかったのだ。


「…や、やっぱり傭兵紹介してもらえます?」


 母様、祖父様、アストラルの名を背負ってきた御先祖様。

 調子に乗ってアストラルの名を汚してしまい本当に申し訳ありません。


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