61.「でこぼこフレンドシップ(後編)」
前回までのあらすじ
クラスメイト達に応援団の役目を押し付けられた春奈。断り切れずにその役目を受けたまではいいが、経験も無いのに応援団副団長という役職に任命されてしまう。副団長として団を引っ張ろうと試行錯誤するが、春奈のやり方を気に入らない1年生が団から離脱し絶体絶命のピンチに陥る。
そんな折、最終下校時刻を過ぎても生徒会長が残業している姿を見かけ、ひょんなことから春奈は彼女を食事に誘うことになってしまったのである。
会長さんが笑ってからは、彼女自身の緊張がほぐれたこともあって雰囲気がだいぶ軽くなった。最初は、どことなくおどおどしているようにも見えた彼女も、今では秋奈の話題にさらに話を膨らませて返している。いつもは秋奈が話題を出して、それに対してわたしがうなずくというかたちで進むこの時間も、会長さんが加わってからはより話がいろいろな方向へと膨らんでいく。
普段は二人だけで過ごしているから、こういう時間は何だか不思議で。さらにいえば彼女の見せる表情がいつもは見られないもので。だから、そういう意味で……誘って良かったと思った。
だから、こういう平穏な時間が長く続いて欲しいと思っていたのだが。
「……そういえばハル姉、白団の件は片が付いたの?」
そうはいかず、考えないようにしていた重たい現実に引き戻されてしまった。
「あっ、聞いちゃいけなかった?」
わたしたちの表情を見て察したのだろう。秋奈は慌てて、そう訊ねてきた。
「いや、そんなことは……無いのだけど」
年長組二人としては、何事も無かったかのように振る舞おうとした。だけども、会長さんはともかくわたし自身が上手く隠しきれず、つい秋奈から目を背けてしまう。
「あるんだね?」
「……うん」
正直、あまり聞かれたくは無いことだ。というのも、今の白団の状況は割と深刻で崩壊寸前な状況。さらにその原因がわたし自身と秋奈の同級生にあるのだからタチが悪い。特に後者は、秋奈の同級生を間接的に悪く言うことにもなる。
「まあ、正直まずい事態にはなってるよね」
隠しても無駄なので、現状を端的に説明することにした。
「でも、これはお姉ちゃんが何とかすべきことだから。大丈夫、何とかなる!」
こうやって無理やりにでも話を終えようとした。
秋奈は賢い子だから、中途半端に話を取り繕ったって無駄だということは目に見えて分かる。だけども、同級生の悪口を妹に聞かせるというのは姉としてやってはいけないという気持ちだった。
「本当に? ハル姉だけで、本当に絶対解決できるの?」
「またそんな極端な……」
ただ、中途半端に事態を明かすというのもやぶ蛇だったのか。彼女は心配そうな目で、わたしにこう訊ねてくるのである。正直、こういう時の秋奈は意外にしつこくてめんどくさい。
「秋奈が心配することじゃないよ、って言いたいんだよ」
そうやって、食べかけていた煮物を箸で掴む。だけども秋奈は、ジト目でこっちを見つめながら続けた。
「もしかして侮ってるでしょ? でもね、そうやって意地張ってが何度も失敗してるとこ、あたしは見てるからね?」
返す言葉が無い。実際に似たような失敗を何度もわたしはしでかしている。そう言った意味ではさすがは妹、姉の失敗をよく見て学んでいる。
「安藤さんも、こういう時はたじたじなのね」
「会長さん……キャラ変わってません?」
口元を抑えながら笑う彼女。その仕草はとてもかわいいけど、秋奈にやりこめられている今この状況では、無性にムカッとした。
ただ、意地を張っているという秋奈の言葉は――事実だ。実際、これからの白団をどうすべきかのアイデアはわたし一人ではどうやってもひねり出せそうもない。このままでは、それこそ二人だけで本番を迎えるという恐ろしい未来が現実になることはわたしの中でほぼ確定事項になりつつあるのだ。
でもそれを素直に明かすというのは、年上のプライドが傷ついた気がして出来ない。めんどくさい性格だとは自覚しているけど、やっぱり出来ないものは出来ないのである。
「でも、話しておいた方がきっと良いんじゃない?」
それでも、会長さんはそう耳打つ。恥ずかしいけど、確かにそれがいい解決案だというのは誰から見ても明らかだ。
「分かったよ。けど、あまり良い話じゃないからね?」
そう言い、しぶしぶ事の顛末を話すことにした。
でも、話しながらふと思った。もしも会長さんが居なかったら、こういうことは話せたのだろうかということに。
◇
「そんな大事になってるの?」
わたしの話は、やっぱり秋奈にも。会長さんにだって驚かれることだったらしい。
秋奈は途中から身を乗り出して話を聞いていたし、会長さんも明らかに顔色を変えていた。ただ二人がどれだけ驚いたところで、事実が変わるわけも無く。
「……今後は、どうするの?」
それでも、落ち着いたトーンで会長さんは尋ねてきた。口調こそいつもより女の子らしくても、やっぱりそこは鬼会長。潜ってきた修羅場の数が違うのだ。
「まあ、なってしまったのは仕方ないです」
まずは、二人でもできる応援。芦原とわたしだけでも出来そうな計画を立てるべきだと伝えた。さっきは否定的な意見を芦原に言ったが、現時点ではやっぱりそうせざるを得ない状況なのだから仕方がないことだ。
ただそれじゃ見た目的にも貧相だし、このまま進めるわけにいかないことも十分分かっている。だからこそ、同時に次の手を打つしかない。
「もちろん、元の計画も並行して進めます」
「……二人で大丈夫なの?」
「正直、きついです」
圧倒的な人数不足、そんなことは分かってる。
でも、もし仮に白団の全員が戻ってきてくれたときのことも考えれば、やっぱりみんなが帰るべき場所は用意してあげないといけない。それが、白団を引っ張っていく「リーダー」としての務めだから。
ところが、これを聞いた会長さんが意外なことを申し出てきた。
「そっか。じゃあ、道具の準備とか申請関係は私が手伝うよ」
「えっ?」
手伝う、というありふれた言葉。だけどもそれが、鬼会長とも呼ばれた生徒会長から出るとは思わず面喰ってしまう。
正直なところ、生徒会長って良くも悪くも規律に厳しい人だと思っていた。筋が通っていないことを嫌うから、今回のようにうちの団が上手く行ってないとしてもそれはリーダーであるわたしたちの責任だ、って言うと思っていたのだ。
「いや、だって会長さんの仕事が増えちゃうのでは? そもそも、うちの団の責任ですし……」
そういう勝手な思い込みもあってか、せっかく手伝うと言ってくれたのにわざわざ自分の責任と言ってしまう。だが続く彼女の。というか、二人の言葉に目が覚める。
「気にしないの。困ったときは、助け合いでしょ?」
「そこはハル姉の悪いクセ。頼れるものは、頼って良いんだよ?」
頼っていい、か。
二人の言うとおりだ。今までのわたしは、ちょっといろいろ抱えすぎたのかもしれない。考えてみれば、それでゆとりを失って芦原に辛く当たってしまったというのもある。
「あたしだって、衣装作りを眞子ちゃんにお願いしたでしょ? 苦手なこととか難しいことは、周りの人に手伝ってもらうことも大切だよ?」
「けど、リーダーがそれで良いのか?」
リーダーとして、やるべきことはやらないといけない。それを他人に丸投げするのは、何かが違うのではないだろうか?
「良いんじゃない? というかリーダーこそ、色々な人の話を聞くべきじゃない?」
「うっ……確かに」
「それを丸投げとか逃げだとは、あたしは思わない」
そうだよね。秋奈の言う通りだ。立派なリーダーがどうのこうのって悩んでいたけれど、そもそもリーダーがやることを履き違えていたのじゃないか?
リーダーは上からあれこれ指示をする仕事でも無いし、何でもやる仕事じゃない。目的を達成するために、組織をまとめるのが仕事ではないか。
「私にも刺さる言葉ね」
「会長さんもですか?」
「うん、今までの自分の振る舞いを考えるとね」
そういえば、会長さんも何だかんだで自分で背負うタイプだったっけ。今回だって、色々な仕事を溜めこんでいてだからわたしが引っ張り出してきたわけだし。……まあ、会長さんの背負うってのはわたしとはちょっとベクトルが違う気もするけど。
「だから、辛いことは必ずすぐ近くの人に相談すること。二人とも良いですね?」
『はい』
あれ、なんか最後は二人して秋奈に丸め込まれている気がする。それも、秋奈が一番年下でわたしたちのほうが年上なはずなのに……。
「安藤さん、そんな顔しないの。たまには叱られないと」
「それは……」
会長さんは笑ってらっしゃるけど……あなたは初めてだからそう言えるんでしょ。たまにっていう割に、結構な頻度で秋奈に叱られている気がするよ、わたしは。
でも、相談して話が進むなら今はちっぽけなプライドを捨てて前に進むしかない。妹に酷い話をすることもあるかもだけど、目的を達成するためには手段を選べないことだってあるんだ。
「まあ、たぶん葉月さん絡みだと思うんだけどさ」
「うんうん……えっ?」
耳を疑った。だけども彼女は平然とした顔で続けた。
「知らないとでも思ってたの?」
「あっ、いやぁ……」
「これは、想像以上ね」
ごめんなさい。わたしが秋奈のことを見くびっていた。秋奈は、わたしが思っていた以上に強い子だったみたい。
◇
秋奈には、すべてお見通しだったようだ。
「そりゃここ最近、夜遅くに帰っていたらさすがに何かあったのではって分かるよ!」
「うぅ、面目ない」
自分としてはしっかり隠せていたつもりなだけに、こういうことを言われるのは少し恥ずかしい。だけどもわたしが思っている以上に、秋奈のほうが1年生側の事情を知っているようで、わたしはそれをただ聞くしか無かった。
秋奈によると、葉月さんはたびたび『苦手な先輩がいる』と周囲に漏らしていたらしい。
「その先輩というのは、この人のこと?」
「まあ、ハル姉で間違いないかと」
「うぅ……やっぱりか」
ただでさえ苦手認定されて傷つくというのに、それをわたしと断定されてしまいますます心に刺さる。いくら自身に覚えが無いことだとしても、やっぱりとはっきりと否定されるとそれは結構刺さるものなのである。
「……そう思った原因は?」
会長さんが問いかける。
「そこまではあたしも」
分からないみたい。でもその理由はたぶん表面上の話で、実際はたぶん痴情のもつれってやつ。いや、中学生に「痴情」って言葉はさすがにあんまりだと思ったけど――要するに、わたしと芦原がデキていると勝手に勘違いされて嫉妬されているというわけだ。
「だからっ! 前提としてあいつにそんな気は無いからね?」
もちろん完全に誤解だし、わたしからすればいい迷惑でしかない。というか芦原としても、わたしにそんな気は無いのじゃないか? ただ、芦原にご執心の1年生からすればわたしの存在は目の上のコブってところで。
だから困らせてやろうとこういう魂胆なのだろう。
「何か誤解を解ければ、解決が出来るのかしらね」
「解けそうな気もしないですケド」
思わずふてくされた声を上げてしまう。それが分かっているから、今まであえて誰かに相談してこなかったんだ、と言ってしまいたいところだったのだが。
「あのさ、今のところハル姉と葉月さんが仲が悪いって前提で話が進んでるけどさ……本当にそれだけが原因なのかな?」
突然切り出された彼女の問いかけが、年上組の思考を止める。
「言い換えれば、本当に芦原先輩絡みだったのかなって」
彼女は麦茶を口に含んで続けた。正直、秋奈の言葉の意味が分からなくて思考が固まってしまう。
「……どういうこと?」
固まったわたしに変わって、会長さんが話を続ける。
「噂でしか聞いたことが無いのですが、あの子は小学生の頃マーチングバンドをやっていたようで」
「マーチングバンド?」
秋奈からどんどん出される新しい情報に、頭の処理が追いつかない。それでも、問題を解決するために必死で頭を回して理解しようとする。いつまでも固まっているわけにはいかないのだ。
「うん、今は吹部でトランペットをやってるみたいだけど、本当はそっちに興味があるんじゃないかなって」
「それで応援団に?」
「たぶん」
なるほど、秋奈の言いたいことが徐々にだけど分かってきた。
マーチングバンドと言えば、パレードとかでもおなじみの楽器を吹きながら行進するものだ。その様子は、完全に同じではないとはいえ応援団とかなり近いところがある。だから彼女は、その経験を活かしたくて応援団に入ったのかもしれない。
「……だったら、最初からそう言えよって話」
最初は彼女のあまりにくだらない理由に心底呆れていた。けど、今回ばかりは相手もしっかりとした理由を持っていて。だからこそ、そういうことを言ってくれないことに本気で「怒り」が湧き上がってきた。
「何度も言うけど、わたし、エスパーじゃないから相手の考えなんか分からないし」
そういう「察して」ってことをされても、言われなきゃ分からない。それでいいアイデアが潰されるなんて、こんな勿体ないことはないじゃないか。
「だけども、最初にハル姉が応援の案を作った時、他の先輩たちは絶賛したんだよね?」
「それは、まあ」
確かに、なぜか絶賛されたのは事実だけど。でも、正直そこまで出来がいいとは思っていないし、そもそも眞子が見せてくれた動画のパクリでしかないのだ。他の案を練るうえでの指標程度になれば十分ってくらいにしかわたしも考えていないし。
「それが圧力になっちゃったんじゃないかな?」
「えぇ?」
信じられない。わたしは彼女に圧力をかけたつもりなんてないし、あくまで可能性を提示しただけ。プレッシャーを掛けて追い詰める気なんてそれこそ想定外だった。けど、それを言う秋奈の目は真剣なもので。
「ハル姉たちにはそうでも、1年生にとってはそう思えないんじゃないかな」
――ただでさえ1年生は、中学校の応援団なんて初めてなわけだし。
その言葉が、耳に刺さった。確かに想定外だけど、同じ1年生である秋奈の言葉だからこそますます刺さる。
同じことは、きっと白団でも起こっているんだと思う。あくまで想像でしか無いけど、もしかしたら葉月さんも自身のアイデアを持っていたのかもしれない。けど、それを出す前にわたしのアイデアが絶賛された。
この状況で、自身のアイデアを出そうって。本気でそう思えるのだろうか? わたしたちからすれば、どんなアイデアだって出してほしい。でも、それを言う彼女たちにとってはプレッシャーに感じるってことはあってもおかしくない。
というか、実際に葉月さんが出したあのアイドル風の応援だって……もしかしたら彼女なりの譲歩だったと考えれば。わたしや先輩たちは、無意識に彼女のことを潰してしまったとも言えるのではないだろうか。
「言われてみれば、一理あるかもね」
会長さんは静かにうなづいた。確かに、秋奈の言うことはわたしの想定外のことで……だからこそこの問題を解決するヒントになったのかもしれない。
「ありがとう。お姉ちゃん、もう一回あの子と向き合ってみるよ」
今度は、しっかりと話を聞いてあげなきゃ。仲直りってことは難しいかもしれないけど、せめてあの子の本心くらいは聞き出せないと。それもまた、リーダーの務めなのだから。
◇
白団の件はそれで終わり、あとは再び平和な夕飯が戻ってきた。とはいえ、その夕飯も長くは続けられない。明日も学校なので、あまり遅くまではこういうご飯会を続けることが出来ないのだ。せめて休日にやれば、もっと長い時間遊べるのだろうけど……まあそういっても仕方がないか。
「今日はありがとう。また来るね」
秋奈に手を振り、わたしの元に戻ってくる会長さん。その姿を確認してから、ゆっくりと歩き始めた。
一緒に歩くっていうのはさっきと同じ。けど帰り道のそれは、行きのそれよりも明らかにお互いの距離が縮んでいた。
「……今日は誘ってくれてありがとうね」
続けて会長さんから、そんな言葉が放たれる。
「えっ? ……別にそんな。愚痴だって多かったのに」
会長さんの言いたいことは、何となく分かる。なのに、どうしてこんなあまのじゃくな。マイナスな言葉しか出ないのだろう。そんなわたしの性格に、嫌気がさしてしまう。けど会長さんは、例え愚痴も交じっていたとしてもそれが良かったというのだ。
「あなたは愚痴って言っているけど、私にとっては気取らず、対等に話せた気がしたから。そういう人って、初めてで……」
一見すると、変な話にもとれると思う。けど、彼女の立場が分かる今だからこそ何となく想像がついた。
何でもできる生徒会長。それは、何も知らない人からは尊敬を集めて華々しい立場だって思うのだろう。でもそれは表面的な話で、本当は孤独な存在なのかもしれない。
「もちろん、人と話す機会は多い。仕事のことも勉強のことも。でも結局それって……」
生徒会長って立場だからじゃないか――彼女はそう告げた。
それこそが、「孤独」であり「対等でない」って言葉を裏付けるものだ。
結局人々は、個人としての千歳悠希のことを誰も見ていないんだ。勝手にレッテルを付けて、何かあった時だけ頼る。そんな日常を、半ば諦めつつ彼女自身も受け止めている。
ベクトルが違うとはいえ、結局も彼女もまた独りぼっち。わたしと同じじゃないか。
「だったら……」
誘う時だって同じことを考えた。余計なお世話かもしれないって。でも、ここまで言って今さら引き返すことなんか出来るわけもなくて。
「これは、あなたにとってのキッカケです。 ……わたしとっ、友達になりませんか?」
最後のほうは、何だか恥ずかしくてごにょごにょ声になってしまう。正直釣り合っていないということは、わたしだって百も承知だった。何でもできる生徒会長と、何も出来ない普通の女子生徒――ドラマならともかく現実ではおかしな組み合わせじゃないか。
「私で……良いの?」
「良いとか悪いじゃなくて」
何だかわからなくなってきちゃった。わたしがそうしたいのか、ただ流れに身を任せた結果こうなってしまったのか……。ただ一つ言えることは、彼女を見捨てられなくて、出来れば近くに居て欲しくて。そこだけは確かなようで。
「なんかもう、理由とか理屈じゃ説明できないんですっ! ただ、そうしたいってだけで!」
「けど私は、その……。『友達』ってものを良く分からなくて……」
「だったら! また今度うちにご飯食べに来てください!」
恥ずかしさで顔が熱くなって、というより血が全身に回って何だか全身が茹でダコのように熱くなる。よく考えもまとまらないまま勢いだけで言葉を紡いで、そのまま携帯に電話番号を表示させて会長さんに突き出した。
「何かあったら、ここに電話しろ。いいですねっ!」
恥ずかしくて、会長さんの顔を見れなかった。けど、音で分かった。彼女がメモ帳に電話番号を写していることに。
「ありがとう。なんか私も上手くできないかもだけど――」
「これからもよろしくね」
そう言って彼女は踵を返して歩いていく。恥ずかしくて、でも嬉しくて。色々な感情が交差して去り行く会長さんを見れなくて。わたしはただ、その場で立ち尽くすことしか出来なかったのである。




