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2022年3月13日

 12時前、あいちゃんだけやって来た。昨日、20時まであいちゃんが一人で俺の家に居た影響がきよのちゃんにあったようだ、「マリア行けなくなったって」とあいちゃん。

 俺は軽く答える、「また次の機会に行けばいいやん」

 本音は、『ラッキー!!2千円助かったぁ』

 一応、嫁には二人と到津の森公園に行ってくるとは伝えたが、子供との約束のこと、俺は真剣には捉えてない。その証拠に俺は二人との連絡手段を持っていない。ただ、いつもの如く、車の中に居る。そして二人がやって来れば動く。

 例え、二人がここに来なくなっても別に驚かない。嫁は、俺が昼から18時まで以内ならサンリブで時間を潰すとか言っていて、息子が出勤のとき、序に連れて行って貰っていた。


「猫じい、ステは?」

「さっきまでその辺に居ったぞ」

「居たぁ。ステかわいい!」

 ずっと左足の断端が痛かったが、2・3日、被せる袋を一枚にして緩めていたら治った。到津の森公園を二人と歩くなると義足がぶかぶかなのはまずい。擦れてまた傷が増える。今日は二枚被せていたが、必要なかったみたいだ。

 あいちゃん、今日も髪を降ろしている。その髪を櫛でとく。

「昨日と今日はポニーテールにしてないんやな?」

「うん何か忙しい」

 あいちゃん、「マリアが言うには今日行けなくなったんはうちが昨日遅くまで猫じいんちに居たせいなんやって」

「どういうことなん?」と俺。

 あいちゃん、「お母さんが要らんことしたん。うちが帰って来んやったけん毛玉のお母さんに電話したみたい」

 俺は、「それできよのちゃんがお母さんに責められたんかな?何で一緒に帰るようにせんやったんかとか?」

 あいちゃん、「そこまでは分からんけど」

 俺は、「やったら家近いけんあいちゃん一度戻ってまた来ればよかったなぁ」

「今日うちは行く気満々やったけど婆ちゃんちに行かんといけなくなったぁ。サンリブで待ち合わせとんの。猫じい送ってぇ」

「ああ分かったわ」

 あいちゃん、「あっステぇ!」


 ステファニー、飽きたのか、一旦姿を消した。あいちゃん仕方なく、持って来たチュールをイモコにやっていた。

 俺の、「また直ぐ戻って来るさ」の通り、戻ってきたステファニー、めっちゃ甘えん坊だ。あいちゃん、ステファニーがかわいくて仕方ない。あいちゃん、ステファニーにチュールをやる。

「そのチュールどうしたん?」

 あいちゃん、「お父さんが三つ買って来て二つもアンバーにあげたんだよぉ」

「アンバーってまだ触らせてもくれんで愛想ないんやろ」

「でもお父さん、ただ家に居るだけのアンバーがかわいいんやって」


 俺は、「あいちゃん到津の森公園の入場料もう一回確めたら間違いなく小学生は百円やったぞ」

 あいちゃん、平然と、「そうだよ。残りの300円はうちらのお小遣いでしたぁ〜」

「あっちゃ〜、やられたぁ、嘘ぴょ〜んか」

 あいちゃん、「じゃなくて、嘘ぴょ〜んじゃでしょ」

「お前らほんと嘘合わせるのが天才的やな。きよのちゃん完璧にあいちゃんにリンクしとったわ」

 あいちゃん、「最初に言い始めたのはマリア(きよのちゃんのこと)だよ」

「そう言えば、到津の森公園の入場料が高い(小学生は百円なのに)っていう話からやったな。うっ、そいで入る前にお前らに400円渡せって言いやがったな」と俺は苦笑い。


「猫じい今何時?」

 俺は車の中のスマホを見て、「12時10分やな」

「じゃぁもう行かんと」とあいちゃん。でもステファニーと別れ難く、もうちょっと愛でる。

 俺はあいちゃんときよのちゃんを車に乗せるときは必ず後部座席だ。少しでも安全性を考慮しないと、人様の大事な娘なのだから。

 嫁にラインで、到津の森公園行き、中止になったこと伝えたが、まだ返事がない。そのままスーパサンリブに向かう。俺の家から住宅街を大通りの方に向かい、突き当りのT字路を右に折れる。左手に築年数が相当経ったであろう、庭が草茫々の広い敷地の家、「きよのちゃんが言いよった上品な猫シャム猫やな。ここに居るぞ」


 田園地帯の離合できない一本道をサンリブに向かって走る。俺の視界を横切った鳥、カラスでも鷺でもない、珍しい鳥だった。

 一本道の向こうで俺が通過するのを待つ対向車、「ありゃ地元の奴やな」

「何で分かるの?」とあいちゃん。

「あのままこの道に入ったら離合出来ないこと分かっとるけんな」


 ホームセンターナフコの横の道まで来て、「猫じいのこの車中古車?」

「いや新車やでぇ。買ったとき160万くらいしたような気がする」と答えた俺に、あいちゃん、「猫じいってお金いくらくらい持ってんの」と、前にされた覚えがある質問。

「100円!」と惚けた俺に、あいちゃん、「もうそんなことある訳ないやん」

「100円掛ける100倍」と適当に堪えた俺に、あいちゃん、「1万円?」

「まぁ100万くらいのものかな(実際はこの10倍なのだが)」にはあいちゃん、納得したようだ。


 日曜日のスーパーサンリブは半端ない混雑だ。警備員が交通整理をしている。出入口近くの駐車場の、枠のない場所であいちゃんを降ろした。

「ありがとう猫じい」と一旦車を降りて歩いて、神妙な顔でまた戻ってきた。

「あいちゃんどうした?」

「うちもうステに会えない!」

「どういうこと?」

「今日はもう猫じいんちに行けないんだぁ」

「あいちゃん心配するな。俺が夕方ちゃんと餌やっとくけんよ」

「うんじゃぁまた明日ね」

「おう!」

『ほんと優しいなあいちゃんは。そしてめっちゃかわいい。あいちゃんのお父さんとお母さん、成長が楽しみでしょうがないやろうな』


 明日は3月14日、ホワイトデー。昨日、トライアルでプレゼントのお菓子は買ってある。あと必要なのはギフト用の袋だ。

 家に帰って直ぐに嫁から迎えに来いの連絡がきて、二度、サンリブに行ったことになった。それからはいつものごとく車の中で過ごしたが、ちょっと昼寝もしてしまった。16時過ぎて嫁とファミマでコーヒータイム。もしかして、夕方きよのちゃん来るかなと淡い期待はしたが、無駄だった。ダイソーでギフト用のピンクのビニール袋とリボンを購入して帰宅。

 あれっ、握り丸か?慣れた空間の如く、俺の家の駐車場の、道路との境目辺りに寝そべって寛いでいる一匹の茶トラ。その回りにもう一匹の茶トラが。こっちは握り丸だ。ということはもしかしてだんご!!

 間違いなくだんごだ。帰ってきたぁ。きよのちゃん、飛び上がって喜ぶのではないか。でも、連絡手段がない。とにかく動画を撮って早急に上げれば、きよのちゃん、見てくれるかもしれない。だんご、また、旅に出なければいいが。


 俺の現役時代の顧客だった矢野さんの奧さんから注文していたジムニーがやっと来ると電話があって、ビニールシート架装はどこに頼んだかと訊かれて到津幌と答えた。矢野さん、糞MBの今の担当者の山口っていう若い奴と代わりやがった。気色悪い!口が腐ったわ。

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