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2022年2月16日

 耶馬渓町、旬菜館の天雲龍の幕の内弁当を息子のミラージュの中で食った。行き付けの家族湯、生竜温泉・七福がコロナで休業のため、宝泉寺温泉の上の方の里山温泉・色彩の湯に行って来た。施設が開くのは12時から。着いたのは11時。約1時間くらい待った。

 俺らより先に福岡ナンバーの黒のBMWが来ていて、檜の半露天風呂の「すみれ」は取られてしまって、仕方なく普通の岩風呂の半露天、「つきみ草」にした。ネットでは熱くて水で埋めたと書いてあったが、降雪の悪天候のせいか温く感じた。だが、半露天によるロケーションは最高だった。料金は驚きの60分千円。湯は60分出続けるとのことで、管理人のおばはんに10分前コールを頼んだが、湯が温くなったせいもあって早目に出た。


 温泉を発ったのが12時45分くらい。あいつらが猫に餌をやりに来るのが16時前。それまでに帰りたかったので、ノンストップで走ってファミマに到達した。時刻は15時。荷物を降ろして、積雪で汚く汚れたエボリューションを拭き取ってやっている最中に、あいちゃんときよのちゃん、二人でやって来た。

 あいちゃんに、「かなえちゃんは?」

「今日は用事があるって」

 三人の関係は重々知っているのでこれ以上は訊かなかった。あんまりしつこく訊くと、「猫じい、私たちよりかなえちゃんが好きなん?」とくるだろうから。あいちゃん豆を持参して食べていた。

 俺があいちゃんに渡したパウンドケーキをステファニーにやるため、「猫じい、これ持っとって」と小さな袋。中を見たら大豆だ。俺が、「1個食っていい?」と訊くと、「1個ならいいよ」げな。 ここで、『あいちゃんが昨日豆の件で怒ったんは、こんな風に豆が好きやから、かなえちゃんが兄上(猫の名前)に投げ付けたらと言ったことに腹が立ったんやな』とつい口に出そうとして思い止まった。今更詮無いことだ。


 再び雪が降ってきた。二人、寒い中、ステファニーとだんごを愛でる。まぁその内車の中に入れてぇとくるだろうから。温泉に持っては行ったが、食べなかったスナック菓子二つと、五つ残っていた七尾製菓のパピロを二人にやった。

 あいちゃん、「寒い!猫じい車の中に入りたい」

「おう入れや」と俺。

 最初はきよのちゃんが後部座席の左側、あいちゃんが右側。

 あいちゃん、「ねぇ猫じい、いつも車の中で何しよると?」と訊くから、「俺前に言わんかったかいな?いろんな書き物しよるんよ」と、助手席のグローブボックスの上に置いている自主出版の冊子を見せた。

 あいちゃん、「覚えとこ。凶悪…やね」

 おっと危ない。ググられたら俺のブログを特定されてしまう。今、三人のこと書いているから見られたら困る。


 かなえちゃんの動画を俺に見せてくれるあいちゃん。

「猫じいに質問。かなえちゃんってかわいいって思う?正直に答えて」

「正直にか。分かった。普通より上やな」

 あいちゃん、「えっ!かなえちゃん私たちよりかわいいの?」と突っ込んできたから、「普通より上って言うたんやが。お前らはその上やろうもん」

「やっぱりライン繋がりって大事なんやろ?」と俺。

「かなえちゃん嘘つきなんよ。本当は1月には買って貰える筈やったんに、中学に入学してからって言い出したんよ。理由はお父さんと都合が合わないからって。なら初めから中学からって言えばいいのに」ときよのちゃん。


 きよのちゃん、「あっだんご(茶トラの名前)、あいちゃん退いて」

 間に合いそうもなかったから左ドアから出ようとしたが、俺が竹林にぴったりつけていたから降りられず、再び、「もうあいちゃんどいて」とちょっと強めに要求して外に出た。あいちゃんも追い掛けて外に出る。

 車に戻ってきたあいちゃん、「ねぇ猫じい見たぁ?」と訊くから、「きよのちゃんがあいちゃん押し除けて車外に出たこと?」

「違うよ。だんごがサッシ開けて顔出したババア(二匹の茶トラのだんごと茶々丸は、ほとんど俺の家の斜め前の独り住まいの婆さんの庭に居て、家のサッシが開くと、例え女の子三人が相手をしていてもその手を振り払って飛んで帰っていた)無視してマリア(きよのちゃんの愛称)の方に寄って来たけんあれ絶対に怒っとるよ」

「そりゃ大いにあり得るな。あの二匹は婆さん命やったけんな」と俺。


 再びだんごとステファニーの姿を認めた二人は猫缶(ミャウミャウ)を開けてやりだした。雪がちらつく中、俺は車の中でぬくぬく。時折、運転席の窓を下げて、「車の中暖めてやっとるけん我慢できんごとなったら乗って来いよ」

 息子が屋外に出て来て、「父ちゃん、俺がミラージュでクリーニング屋に行ってくるわ」

 送れて屋外に出て来た嫁、「今日は1人?」

「いえ違います」とあいちゃん。

 俺、にやにやしながら、「あいちゃんに丁寧語は似合わんな。俺と話しとるタメ語が一番やわ」

 寒さに、「もう我慢できん」とあいちゃん。

 車の中に二人、三度入って来てアイパットのゲームに興じだす。俺は自分のスマホを弄る。


 17時50分、きよのちゃん、「あいちゃん門限が迫っとるけん歩きながらやろうよ」

 二人、俺に手を振って、「じゃぁね猫じい」

「おう」と答える俺。

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