041 新たなる旅立ち2
リュージたちが異世界に転移した1日後、リュージの事務所に3人の人間が訪ねてきた。
ミカ、シズカ、ゴローである。
いずれもリュージを慕う者たちだ。
「リュージ君、昨日から連絡取れないんだよね。ゴローちゃん、何か聞いてる?」
「いや、何も」
「ミカは?」
「リュージ様はミカに黙ってどこかいなくなるなんてことはないよぉ〜。」
シズカはリュージの事務所を訪ねてきたのはいいが、誰もおらず、途方にくれていたところに後輩のミカと口数の少ないゴローがあとから来たので、聞いていたところだ。
「あそこ」
ゴローが何か発見したようだ。
「リュージ君のバイクじゃん。何であんなところに横倒しになってんのよ。これは何かあったね。リュージ君がバイクをあんな風に置いとく筈がないわ。」
「バイク、あっ。」
ゴローはバイクの側によると、事務所側からは全く見えなかった、壁の穴を発見した。
「何々〜?」
ミカとシズカも寄ってきた。
「壁に穴。」
ゴローは穴の辺りを指差した。
「なぁにぃー、あれー?」
穴はリュージとジローが通った穴だ。
「シズカ姐、ミカはあそこが怪しいと思います。」
「いや、言われなくても、明らかにあの穴は不自然だから。あの穴は何なのかしら? あっ、ちょっと貴方たち、どこ行くのよ」
「穴、入る。」
「中に入って見てくるね。シズカねーさんはここで待ってていーよー。」
「いや、ここで待つのも何だから、私も行くわよ。気をつけて進んでね。」
「はいハーィ!」
ミカはかなりお気楽なキャラだ。
3人は洞窟のような中に入っていった。
しばらく歩くと、やがて少し広い少し明るい場所についた。
そして、部屋の中には、棚のようなものがあり、無数の薄っすら光る玉が置いてあった
「なぁにぃ〜?これ〜?薄気味悪いわね。」
「あー、綺麗なビー玉ーー。光ってる〜。リュージ様にまたあげるビー玉増えたー。キラキラー。」
「止しなさい。あら、これは凄く光っているわ。ダイヤモンド? もしかして、これは宝石?」
「これ、凄く光っている!」
珍しく、ゴローが興奮している。
3人はそれぞれ、光る玉を手に取る。
玉は3人の手の平から、スーッと体の中に入っていった。
「わぉー、何か溶けたー。ビー玉取れなかったー。」
「ひぁぁーー、体の中に入った?のかしら?」
「消えた。玉、消えた。」
3人は慌てた。
しかし、取り敢えず何ともなかったので、しばらくしたら、落ち着いたようだ。
「何とも無いようね。一体何だったのかしら?」
「姉御、出口、消えた。」
ゴローがそう言うと、シズカもミカも入ってきたところを確認した。
「あーぁ、しまっちゃったねー。ヤヴァいかなぁ〜?」
「玉が入ったからだわ。早く何とかして出さなきゃ。」
「姉御、あそこ」
ゴローがそう言うと、指を指した。
入ってきた丁度、反対側に今までなかった出入り口が開いていた。
「さっきは無かったわよね。あんなのあった?」
「さっきできた。」
ゴローは淡々と話す。
「もしかして、この玉が体に入った件と関係あるのかしら?」
「たぶんある。入って開いた。」
「入ってきたところがなくなったら、出口から出ればいいと思いまーす。」
3人は、入ってきたところを丁寧に調べたが、やはり、全く何もなかったので、仕方なく開いている穴に向かった。
入った穴は薄暗いが、なぜかはっきりと道はわかる。
しばらく進むと、体がムズムズしたり、暑くなったりしてきた。
頭も熱っぽい。
「わぁーぉー、シズカ姐、大人っぽくなったーね。お色気ムンムン、ムラムラー!」
「ミカ、あんた何言ってんのよ。まぁ、ミカ、あんた、どーしたの? タダでさえ幼いのに、幼女じゃない? ロリ中のロリになっているじゃない。どーしたの。大丈夫?」
「私はヘーキィー。リュージ様、ロリーとか好きかなぁー?」
「何呑気にしてんのよ。あんた幼児退行してんのよ。しっかりなさい!」
「大丈夫ー。体は子供でも心は大人だからー。」
「姉御、あっち、光!」
「ゴロー、あんたは変わらないわね。何で私たちだけなの?」
「変わった。体重、軽くなった。」
「何それーーー、面白ーーィ!」
「体重軽くなるんなら、私にしなさいよ。ゴローは大人になりなさい。」
「無理。」
「姉御、あっち、出口?」
「あぁ、もぅわかったわよ。あっち行くしかないなら行くわよ。」
「出口ーー、出口ーー!!きゃははは。」
3人は、光のある方へ歩いていった。
出口はうっすらと光っていた。
「ここしかないから出るわよ。」
「イエス、姉御。」
「ハァーィ!」
3人が出たところは、見知らぬ街中だった。
「ねぇ、ミカ、ここどこか知ってる?」
「シズカ姐が知らないなら、知らなーい。」
「ゴローちゃんは?」
「アイドンノゥ」
「あそこにお店があるわ。聞いてみましょう。」
3人はシズカが示した綺麗な外観のお店に向かって歩き出した。
お店は非常に荘厳な雰囲気のあるお店で、何やら見たこともない文字の書いてある看板がかかっている。
しかしながら、なぜか3人ともその文字が読めた。
[宝石ショップ ガリエラ]
「どうやら、宝石屋みたいね。入ってみましょう。」
3人は[宝石ショップ ガリエラ]に入った。
中には、様々な宝石類が陳列棚に飾ってあった。
横長の店は、あちこちに装飾のディスプレイがされており、高級そうな宝石類が展示されていた。
「へー、綺麗ね。これなんか、私に似合いそう。」
シズカは物色しだした。
シズカが宝石を見ていたら、いつの間にかミカとゴローはいなくなっていた。
シズカがゴローとミカを探していると、奥の客室から2人が出てくるのが見えた。
店主は何度も頭を下げ、恭しそうに出口まで見送りをしていた。
シズカは慌てて後を追った。
「貴方たち、何をしていたの?」
「あぁ、シズカ姐、あのねー、ビー玉欲しいって言ったから、おじさんに売ってあげたの。たくさん、お金いただいたのー。」
「ビー玉って、何を売っているのよ。宝石じゃないのよ。バレたらどーすんのよ。」
「ダイジョーブー。念押したからー。」
「姉御、ここ異世界。違う世界。」
「まぁ、何となくわかっていたわよ。やっぱりそうだったのね。リュージ君もここにいるのかしら?だったらいいのだけど。」
「ここは[サトゥ]の街らしいよー。近くにダンジョンとかあるらしいよー。ダンジョンでお金持ちになったらしよー、ここのお店の偉い人。」
「ダンジョンですってー。あぁ、完全に異世界ね。まさかのまさかねー。じゃ、転移者ってことは、内緒にしないと、命狙われるかもしれないわ。ミカ、ゴローちゃん絶対内緒ね。
ちょっと、いくらで売れたのよー?」
リュージとジローとは違う街に舞い降りた、3人だったが、果たしてこの異世界で生きていけるのだろうか?
リュージたちとの再会は?
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