102 中級ダンジョン40階層 ボス部屋4
ジローはモコートをエスコートして、要塞内部に入った。
中に入っても何もおらず、敵はいないようだった。
先ほど見えていた製造されていたゴーレムも今は製造されておらず、さっきはあったはずの倉庫のゴーレムは一体も見当たらなかった。
「そのゴーレムハイディングミニは一体どこいるんすかね?」
「ここ以外には、さっき潰したチューブの部屋と何もなかった、から部屋しか無いようだったが?」
ライアンもさっき内部を見たということで、再度、ついてきてもらっていた。
「そうね。実際にがっつり見たわけじゃないけど、広い内部の割にシンプル構造だったわね。」
シズカもさっき内部を見たというライアンと同じ理由でついてきていた。
ジロー、ライアン、シズカ、モコートは要塞内部に隠し部屋がないか?見落としたスイッチのようなものはないかと探して要塞内部をくまなく調べた。
しかし、要塞の壁にそのようなものはなく、倉庫にも入れたが、見落としはなさそうだった。
「これだけ探しても見つからないのはおかしいですね。さっき外から全力鑑定大でスキャンした時は、確かに反応がありました。全体スキャン鑑定だったので位置までは把握できなかったですが、いたのは確かです。」
「モコートさんのことは誰も疑っていませんよ。相手はハイディングのスキルを使っているのでしょう。それで隠れているのでしょう。」
「ハイディングのスキルでも鑑定大を使えば特定できるはずよ。どうしてかしら?何か見落としている気がします。うーん、しょーがないわね。リュージさんにインストールしてもらおうと思っていたスキル、私がこの際だから、インストールしちゃおうかしら。珍しいスキルだから高いんだけど…。まぁ、いっか、女は度胸よ。」
そういって、モコートはアイテム袋からスキルボールを取り出す。やがてそのスキルボールはモコートの体内にインストールされていった。
スキルボールは[看破]のスキルをインストールするものだったようだ。
鑑定大
名前:モコート
種族:獣人族
年齢:21歳
ベースレベル:132
スキル:鑑定大LVMAX、プチファイヤーLVMAX、プチウォーターLVMAX、プチウィンドーLVMAX、プチストーンLVMAX、毒耐性LVMAX、麻痺耐性LVMAX、幻惑耐性LVMAX、音波耐性LVMAX、凍結耐性LVMAX、火耐性LVMAX
プチ支援魔法セット(ブレッシング、速度増加他)
[隠蔽中]鑑定 大、看破 中
[称号]ヒト族マスコットキャラクター
「うん、ちゃんとインストールされているようね。珍しいスキルボールだから、リュージさんにあげようと思っていたのに残念だわぁー。」
モコートは残念そうにしながら、要塞内部を再度確認していく。廊下、倉庫、チューブのあったゾーン、最後に念のために何もなかった空き部屋を見ていった。
すると何もなかった空き部屋に認識阻害の魔法がかかっているのを発見した。
鑑定大
認識阻害:部屋全体が認識阻害となっている。中にいるものは認識されなくなる。
・ゴーレム ハイディングミニ
「発見したわ。何もないと思い込んでいた。この部屋こそ、鑑定大で鑑定をしておくべきだったわ。」
ジローはモコートの誘導に従ってまずは認識阻害の魔法が施されている部屋をストーンクリエイトで周り全体を覆った。
入り口が唯一の入り口になった状態だ。
その後、入り口を塞ぎ、内部を厚くしていく。
全体を小さくするより、厚くする方が簡単でスピーディーだったからだ。
こうすると、見えなくても内部にいるものはどこかのタイミングで潰れるはずだ。
だんだん内部が厚くなっていき、やがて袋状になっていたものがほぼ部屋全体の容積と同じになった頃、バチンッ といった音がしてカシュっと何か潰れた音がして完全に内部の埋まった立方体になった。
「ミニでハイディングして隠れるぐらいのゴーレムだから力は弱いと思ったけど、思った通りでよかったわ。多分潰れたと思う。」
「ジローさんの土魔法の使い方、半端ないぜ。発想がいいね。さすがよな。」
ライアンは素直に褒めていたが、シズカは違った。
「そのゴーレム ハイディングミニは何かドロップあったんじゃないの?なかったの?」
「あっ、うーん、おそらくこの要塞の一部だからないんじゃないかしら?外の倒したゴーレムにもドロップないみたいだし。」
モコートが冷静に分析すると、シズカが被せるように言った。
「じゃ、これでこのゴーレム要塞型の破壊条件は整ったんじゃない? 搭載されたゴーレム全部片付けたんだしね。」
「うん、だから、一旦ここを離脱するっす。行くっす。」
ジローたちはゴーレム要塞型の内部から外部へと移動した。
移動してすぐにゴーレム要塞型はドロップアイテムに変わった。
ゴーレム要塞型のドロップアイテム
・ゴーレム工場
・ゴーレム コア
・ゴーレムマテリアル
・ゴーレムのマニュアル本3
鑑定 大
・ゴーレム工場:ゴーレムを自動製作することができるシステム。展開するときは広い土地が必要。
・ゴーレム コア:ゴーレムを作る際の細かな設定を記録できるコア。
・ゴーレム マテリアル:ゴーレムを作る際の材料を調達できるシステム。
・ゴーレムのマニュアル本:ゴーレムを作る際の設定やマテリアル調達等が書かれた本。
「これは、えーやつやん。やっぱりこの人数でのレイド戦は良かったかもしれない。特にリュージさんがパーティーに加わっていたら、今日のより、さらに面倒なことになっていたかもしれない。」
ジローはドロップを早く試してみたいとワクワクしていた。




