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第8章:ドワーフ王国との同盟

新たな課題

オーガの村に平和が戻った。

夕陽が森を照らし、金色の光が木々の間から差し込んでいる。

私たちは村の中央広場に集まっていた。

狐族12名、蜘蛛女王3名、オーガ部族300名、そして竜姉妹2名。

合わせて――10,000名を超える軍勢。

族長グロマシュが前に出た。

彼は腕を組み、真剣な表情で私を見つめている。

「ヴィカース様」

彼の声は、重く、威厳に満ちていた。

「我らの数を考えてください」

彼は周囲を見渡した。

「オーガ戦士200名以上」

「進化した鬼族オーニ26名」

「狐族精霊12名」

「蜘蛛女王と蜘蛛軍団10,000」

「そして、竜が2頭」

グロマシュが私の目を真っ直ぐ見つめた。

「これほどの勢力を持つ我らには――本格的な王国が必要です」

王国建設の提案

私は少し考え込んだ。

確かに、彼の言う通りだ。

今は、仮の集落に過ぎない。

だが、これだけの勢力を統治するには――

城、城壁、訓練場、住居、倉庫――

全てが必要だ。

「でも...僕、王国の作り方なんて分からないよ」

私は正直に答えた。

グロマシュが大きく笑った。

「HAHAHA! ご心配なく、ヴィカース様!」

彼は胸を叩いた。

「我らオーガは、戦士であると同時に、優れた建築家でもあります!」

アイラが前に出た。

「建設は私たちに任せてください。ただし――」

彼女の目が輝いた。

「一つ、条件があります」

「条件?」

グロマシュが熱っぽく言った。

「巨大な闘技場を作りたいのです!」

「戦闘訓練、決闘、祭りの試合――全てに使える、壮大な闘技場を!」

私は微笑んだ。

「いいよ。作って」

グロマシュとアイラが、嬉しそうに拳を突き上げた。

「ありがとうございます!」

ドワーフの技術

その時、アイラが真剣な表情になった。

「ですが、ヴィカース様――」

「本当に素晴らしい王国を作るには、私たちだけでは不十分です」

「どういうこと?」

一人の鬼族オーニが前に出た。

彼は進化後、さらに強力な戦士になっていた。

身長190cm、赤い肌、額に一本の黒い角。

筋肉質で、背中には巨大な戦斧を背負っている。

「私の名はカイゼン」

彼が自己紹介した。

「ヴィカース様、この世界で最高の建築家と職人は――ドワーフです」

「ドワーフ?」

カイゼンが頷いた。

「はい。彼らは山の民。石と金属を自在に操る種族です」

「彼らの建築技術は、この世界で最高峰。城、要塞、橋、武器、防具――全てにおいて、ドワーフの技術に勝るものはありません」

アイラが付け加えた。

「そして、ここから北東へ約500キロメートルの場所に――」

「マウンテン・フォージ・ネーション(山岳鍛冶国家)があります」

「ドワーフの王国です」

交渉の難しさ

私は興味を持った。

「じゃあ、そのドワーフに頼もう」

だが、グロマシュが首を横に振った。

「そう簡単ではありません、ヴィカース様」

「ドワーフは誇り高い種族です。無償で何かをすることはありません」

「必ず、対価を求めます」

カイゼンが続けた。

「しかも、彼らは外部者を警戒します。特に、強大な力を持つ者に対しては」

彼は私を見つめた。

「ヴィカース様、あなたの力は強すぎます」

「もしあなたがドワーフ王国に行けば、彼らは恐怖し、警戒し、交渉どころではなくなるでしょう」

「では...?」

グロマシュが提案した。

「我らが代表団として行きます」

「まず、交渉の土台を作る。そして、条件を整えてから、ヴィカース様をお呼びする」

私は少し考えた。

確かに、それが賢明だ。

「分かった。じゃあ、誰が行く?」

代表団の編成

グロマシュが言った。

「私が行きます。そして――」

彼はカイゼンを指差した。

「カイゼンも。彼は以前、ドワーフ王国で武器を購入したことがある。顔が利きます」

カイゼンが頷いた。

「はい。私はマスター・ブラックスミス、ソリン・アイアンハンマーと知り合いです」

アイラが続けた。

「そして、オーガ戦士を4名。護衛として」

その時――

セレスティアが前に出た。

「私も行きます」

全員が驚いた表情を見せた。

「セレスティア様...?」

セレスティアが優雅に微笑んだ。

「ドワーフは、力を尊重します。そして、竜を畏怖します」

「私が同行すれば、交渉はスムーズに進むでしょう」

彼女は私を見つめた。

「それに、私はヴィカース様の代理です。様の威厳を示す必要があります」

私は頷いた。

「分かった。気をつけて」

代表団、最終構成:

カイゼン(鬼族リーダー) - 交渉担当、ドワーフとのコネクション

オーガ戦士4名 - 護衛

セレスティア(ホワイト・ドラゴン) - ヴィカースの代理、威厳の象徴

セレスティアが両手を広げた。

彼女の手のひらから、青白い光が溢れ出す。

空間が歪み、円形の光の門が形成された。

転移魔法テレポーテーション

セレスティアが説明した。

「この門を通れば、マウンテン・フォージ・ネーションの近くに一瞬で到着します」

カイゼンが戦斧を背負い直した。

「では、行ってきます、ヴィカース様」

オーガ戦士たちが、武器を握りしめる。

セレスティアが最後に振り返った。

「必ず、成功させます」

そして――

WHOOSH!

光の門に飛び込んだ瞬間、全員が消えた。

マウンテン・フォージ・ネーション

ドワーフ王国の外観

光が消えた時、彼らは巨大な山脈の麓に立っていた。

目の前には――

山そのものを削り出して作られた、巨大な城塞都市。

高さ200メートルはある城門。

それは黒鉄ブラックスチールで作られており、表面には無数のルーン文字が刻まれている。

城壁は花崗岩と鋼鉄で補強され、まるで山の一部のように堅固だ。

城塞の各所から、煙が立ち上っている。

それは無数の鍛冶場から出る煙。

ゴン...ゴン...ゴン...

遠くから、金属を打つ音が響いてくる。

空気は熱く、金属と石炭の匂いが漂っている。

「これが...マウンテン・フォージ・ネーション...」

カイゼンが呟いた。

「ドワーフの誇り。世界最高の鍛冶と建築の国...」

門番との対峙

一行が城門に近づくと――

二人の重装備のドワーフ警備兵が、槍を交差させて道を塞いだ。

ドワーフ警備兵の姿

身長:約130cm(ドワーフとしては標準的)

ずんぐりとした体格だが、筋肉質。

長い茶色の髭が胸まで伸びている。

頭には鋼鉄の兜、体には重厚な板金鎧。

手には、ミスリル製の槍。

その槍の穂先は、魔法で強化されており、青白く光っている。

「止まれ!」

左側の警備兵が大声で叫んだ。

「ここはマウンテン・フォージ・ネーション!許可なき者の立ち入りを禁ず!」

右側の警備兵が続けた。

「お前たちは何者だ?何の用だ?」

カイゼンが一歩前に出た。

「我らは、ヴィカース様の使者だ」

「ヴィカース?誰だそれは?」

「至高竜ラーヴァンの御子だ」

警備兵たちが一瞬、硬直した。

だが、すぐに疑念の表情を浮かべた。

「ラーヴァンの...御子だと?証拠は?」

カイゼンが後ろを振り返った。

セレスティアが前に出る。

彼女の存在感に、警備兵たちが僅かに後ずさった。

「証拠なら――」

セレスティアが微笑んだ。

「私です」

拒絶

だが、警備兵は頑固だった。

「いや、ダメだ!」

左側の警備兵が槍を突きつけた。

「たとえ竜がいようと、許可なき者は入れん!」

「王の命令だ!」

カイゼンが冷静に言った。

「では、知り合いを呼んでくれ」

「ソリン・アイアンハンマー。マスター・ブラックスミスだ」

「彼なら、私のことを知っている」

警備兵たちが顔を見合わせた。

右側の警備兵が言った。

「...待て。確認してくる」

彼は城門の中へと消えていった。

ソリンの登場

10分後――

城門が僅かに開き、一人のドワーフが出てきた。

ソリン・アイアンハンマー - マスター・ブラックスミス

身長:約140cm(ドワーフとしては大柄)

年齢:約250歳(ドワーフの中年期)

長い赤銅色の髭が膝まで伸びている。

髭には金属のリングが編み込まれており、歩くたびにチャリンと音を立てる。

筋骨隆々とした体。

腕は丸太のように太く、無数の火傷の痕がある。

服装は、黒い革のエプロン。

それは無数の工具で汚れており、金属片が付着している。

腰には、巨大なハンマー。

それはミスリルで作られ、柄にはルーン文字が刻まれている。

彼の目は鋭く、職人の誇りに満ちている。

ソリンが、カイゼンを見て目を見開いた。

「カイゼン...?」

彼は驚いた声を上げた。

「本当にお前か?だが...お前、変わったな!」

カイゼンは以前、ここで武器を購入したことがある。

その時は、まだ完全なオーニ(鬼)の姿だった。

だが今は――人間に近い姿。

ソリンが近づいてきた。

「お前...人間の姿になったのか?どうやって?」

カイゼンが説明し始めた。

ヴィカースのこと。

至高竜の御子であること。

人間化の力のこと。

そして、王国建設の計画。

ソリンは真剣に聞いていた。

「なるほど...それで、我らドワーフの助けが必要と」

「そうだ」

ソリンは少し考え込んだ。

「待て。王に報告してくる」

門番の頑固さ

ソリンが城内に戻ろうとした時――

左側の警備兵が言った。

「ソリン殿、彼らを中に入れることはできません」

「王の命令です。許可なき外部者は、城内立ち入り禁止」

ソリンが苛立った表情を見せた。

「だが、彼らは重要な客だ!」

「それでも、規則は規則です」

警備兵は頑なだった。

ソリンが深くため息をついた。

「...分かった。私が王に報告する。だが、彼らをここで待たせろ」

彼はカイゼンに向き直った。

「すまない。少し待ってくれ」

そして、城内へと消えていった。

セレスティアの怒り

時間が経った。

10分。

20分。

30分。

だが、誰も戻ってこない。

セレスティアが、僅かに苛立ち始めた。

彼女の周りの空気が、冷たくなっていく。

カイゼンが気づいた。

「セレスティア様...?」

「待ちくたびれました」

セレスティアの声が、氷のように冷たくなった。

「ドワーフ王は、来る気がないようですね」

警備兵が慌てて言った。

「い、いや、王は忙しいのだ!すぐには――」

「忙しい?」

セレスティアの目が、鋭く光った。

「至高竜の御子の使者を待たせるほど、忙しいと?」

彼女の体から、白い霧が立ち上り始めた。

冷気だ。

地面が、凍り始める。

「セレスティア様、落ち着いて――」

カイゼンが止めようとしたが――

「いいえ」

セレスティアが静かに言った。

「私は、ヴィカース様の威厳を示す必要があります」

「そして今――」

彼女の体が、光に包まれ始めた。

「この無礼を、正します」

竜の怒り

光が爆発した。

セレスティアの体が、急速に膨張していく。

人間の姿が消え――

巨大な白銀の竜が現れた。

体長10メートル。

いや、今回は更に大きい。

15メートル。

彼女は本気で、竜の姿を現した。

全身が純白の鱗で覆われ、ダイヤモンドのように輝いている。

翼を広げれば、30メートル以上。

二本の金色の角が、王冠のように輝く。

そして――

ROOOOOAAAAAARRRRR!!!

セレスティアが咆哮した。

その咆哮は、山全体を震わせた。

城壁が揺れる。

石が崩れ落ちる。

鳥たちが一斉に飛び立つ。

警備兵たちが、恐怖で硬直した。

「り、竜...!」

「ホワイト・ドラゴン...!」

セレスティアが巨大な頭を門に近づけた。

彼女の青緑色の瞳が、冷たく輝いている。

「2分以内に」

彼女の声が、テレパシーで全員の頭に響いた。

「ドワーフ王が出てこなければ――」

彼女の口が開いた。

喉の奥が、青白く光り始める。

ブレス攻撃の準備。

「この王国を、氷漬けにします」

緊急召喚

警備兵が悲鳴を上げた。

「わ、分かった!分かった!今すぐ王を呼ぶ!」

彼は城内へと駆け込んだ。

「王!王!緊急事態です!ホワイト・ドラゴンが城門を攻撃しようとしています!」

城内が、一気に騒然となった。

鐘が鳴り響く。

ガンガンガンガン!

警報だ。

ドワーフたちが武器を手に、城壁へと駆け上がる。

だが――

竜を相手に、何ができるというのか?

ドワーフ王の登場

そして――

わずか1分後。

城門が、勢いよく開いた。

ドシン!ドシン!ドシン!

重い足音が響く。

そして――

一人のドワーフが現れた。

ドゥリン・ストーンハート - ドワーフ王

身長:約150cm(ドワーフとしては非常に大柄)

年齢:約500歳(ドワーフの壮年期)

豪華な金色の髭。

それは床まで届くほど長く、無数の宝石が編み込まれている。

ルビー、サファイア、エメラルド――

歩くたびに、宝石が輝く。

頭には、ミスリルの王冠。

それは古代のルーン文字で覆われており、魔力を放っている。

体には、伝説の鎧「アダマンタイト・プレート」。

それは、世界で最も硬い金属で作られた鎧。

どんな攻撃も通さないと言われている。

手には、巨大な戦槌「ストーンブレイカー」。

それは一振りで山を砕くと言われる、伝説の武器。

彼の目は、琥珀色。

深い知恵と、王の威厳が宿っている。

ドゥリン王が、セレスティアを見上げた。

だが、彼は恐れていなかった。

むしろ――興味深そうだった。

「ホワイト・ドラゴンか」

王の声は、低く、重く、だが穏やかだった。

「久しぶりに見る。我が王国の門前に現れるとは」

セレスティアが竜の姿のまま、見下ろした。

「ドワーフ王ドゥリン・ストーンハート」

彼女のテレパシーが響く。

「我が主、至高竜ラーヴァンの御子ヴィカースの使者として、ここに来ました」

「ですが、あなたの門番は無礼でした」

ドゥリン王が眉をひそめた。

「無礼...?」

カイゼンが前に出た。

「王よ。我らは30分以上待たされました」

「至高竜の御子の使者を、門前で待たせるとは――」

ドゥリン王が手を上げて、カイゼンを制止した。

「待て」

彼は警備兵を振り返った。

「本当か?」

警備兵が震えながら頷いた。

「も、申し訳ございません...規則に従っただけで...」

ドゥリン王が深くため息をついた。

「...すまない」

彼はセレスティアに向き直った。

「我が部下の無礼、謝罪する」

「だが」

王の目が鋭くなった。

「なぜ、我らがお前たちを助けねばならぬ?」

「我らドワーフは、対価なしに働かぬ」

「何を提供できる?」

交渉の開始

セレスティアが人間の姿に戻った。

彼女は優雅に着地し、ドゥリン王の前に立った。

「では、我が主と直接話してください」

「主は、公正な取引を望んでいます」

ドゥリン王が考え込んだ。

「...分かった」

「明日、お前たちの主の元へ行こう」

「そして、取引の内容を聞かせてもらう」

カイゼンが頭を下げた。

「ありがとうございます、王よ」

ドゥリン王が続けた。

「だが、一つ条件がある」

「条件?」

「我が娘を、連れて行く」

王の目に、僅かな悲しみが浮かんだ。

「彼女は...生まれつき病を患っている」

「どんな魔法も、どんな薬も、効かぬ」

「もし、お前たちの主が本当に至高竜の御子ならば――」

王の声が震えた。

「もしかしたら...彼女を救えるかもしれぬ」

セレスティアが優しく微笑んだ。

「ヴィカース様なら、必ず助けられます」

「主は、命を救う力を持っています」

ドゥリン王の目に、希望の光が灯った。

「本当か...?」

「はい。明日、お待ちしています」

翌日 - 王の訪問

次の日の朝。

ドワーフ王ドゥリンは、20名の精鋭衛兵と共に、ダーク・フォレストへとやってきた。

彼らは転移魔法の門を通り、オーガの村に到着した。

そして――

私と対面した。

ドゥリン王が、私を見て目を見開いた。

「これは...」

彼は驚愕の表情を浮かべた。

「お前が...至高竜の御子...?」

「こんなに...若いのか...?」

私は微笑んだ。

「はじめまして。僕はヴィカース。至高竜ラーヴァンの息子です」

ドゥリン王が、ゆっくりと膝をついた。

「申し訳ございません、ヴィカース様」

「私は...あなた様をもっと年配の方だと思っておりました」

「立ってください」

私は手を差し伸べた。

「対等に話しましょう」

ドゥリン王が立ち上がった。

彼の目には、敬意と好奇心が混ざっている。

取引の提案

私たちは、村の中央に設けられた会議用のテントに入った。

大きなテーブルを囲んで座る。

私の隣には、セレスティア、グロマシュ、アイラ。

ドゥリン王の隣には、ソリンと数名の側近。

私が口を開いた。

「ドゥリン王。僕たちは、王国を建設したいと考えています」

「城、城壁、訓練場、住居、倉庫――全てを含む、本格的な王国を」

「そして、それにはドワーフの技術が必要です」

ドゥリン王が頷いた。

「なるほど。では、対価は?」

私は指を折りながら、条件を述べた。

「一つ目――」

「至高竜の加護」

「僕の名の下、ドワーフ王国は保護されます」

「どの国も、どの勢力も、ドワーフ王国を攻撃できなくなります」

ドゥリン王の目が輝いた。

「二つ目――」

「ダーク・フォレストの資源へのアクセス権」

「古代の木材、魔法の鉱石、薬草、クリスタル――」

「ドワーフは、自由にこれらを採取できます」

ソリンが興奮した表情を見せた。

「三つ目――」

「安全通行権」

「ドワーフの民は、いつでもこの森を通行できます」

「そして、彼らの安全は僕が保証します」

「四つ目――」

私は真剣な目でドゥリン王を見つめた。

「あなたの願い、一つ」

「僕の力で叶えられることなら、何でも叶えます」

王の願い

ドゥリン王が、深く息を吸った。

彼の目に、涙が浮かんだ。

「ヴィカース様...私には、娘がおります」

彼の声が震えた。

「名は、エイラ」

「彼女は...生まれた時から、奇病に冒されています」

「『石化の呪い』と呼ばれる病です」

「徐々に、体が石に変わっていく...」

ドゥリン王が拳を握りしめた。

「今、彼女の左腕と左脚は、既に石になっています」

「このままでは...あと5年で、完全に石像になってしまいます」

「私は、あらゆる魔法使い、あらゆる聖職者に頼みました」

「ですが...誰も、彼女を救えませんでした」

王が私を見つめた。

その目には、父親としての切実な願いが宿っていた。

「もし...もしあなた様が、彼女を救えるのなら――」

「私は、全ドワーフ王国の総力を挙げて、あなた様の王国を建設します」

私は微笑んだ。

「娘さんを、ここに連れてきてください」

「僕が、診てみます」

ドゥリン王の顔が、希望に輝いた。

「本当ですか!?」

「はい。約束します」

王が深く頭を下げた。

「ありがとうございます...ありがとうございます...!」

新たな同盟が――

今、結ばれようとしていた。

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