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お土産は名物に限る



灯里の恋人に認められそうだった男が、実はそっち方面の人だったかもしれないとも思ったが、400年も少女の姿で生活していれば女として気持ちを変容していくだろうと納得した。後は竜介だけだが…あいつが一番ダメな気がする。女の子としての人生謳歌し始めてるらしいし…


そんな挫折を味わいながら、猫耳大魔王からコピーした【地図師マッパー】のスキルで祭壇の跡地を見つけ手を合わせて帰ってきた。



「というわけで、土産だ。皆で分けて食え」



その跡地に居た魔物があまりにも巨大で邪魔だったので駆除して持ち帰ってきた。まあ、魔物を食す風習はあるし、最初から焼けてあるので大丈夫だろう。



「お兄…これ、世間一般では朱雀とか鳳凰とか不死鳥とかフェニックスっていう神獣なんだけど…」


「ただの燃えた巨大なスズメだろ、気にすんな」



奏多が変な事を言う。これはそんな大層なものではない。ただの直火焼きされてた巨大なスズメだ。焼き鳥の匂いしてるだろうが。



「兄様、神獣の類いを食べようなんて普通は考えません」


「食わないなら我輩が独り占めにゃん」


「我も食うみゃん。胸肉が良いみゃん」



イリーナはそう言うが、ミケとアクアは寛容だ。後、ファルとサレナも物欲しそうに見ている。「そんなのよりお兄ちゃんを食べたい」なんて聞こえたが空耳だろう。



「…だそうだが?」


「猫耳族を基準にしないでください」



美味しそうなんだけどな…まあ、俺は焼き鳥なつくねが一番好きだから構わないんだが。シュウに店を教えてもらうか。



「完全に死んでますね…僕のスキルじゃ復活は無理です」


「…お兄が倒した時点で不死鳥でも復活は無理だよ。灯里ちゃん、前神としての記憶に四霊とか四神とかの情報ある?」


「そんな材料のレシピは知らないよ」


「食べる方面で考えないで」



そもそも、俺だって墓参りの邪魔さえされなきゃ手を出さなかったし使役しようとも考えたさ。だが、それもレジストされたから奏多の捜してた神の類いや眷族じゃないかなとも考えて…なんて発想は無く、匂いが煩わしかったからです。フレアにも襲い掛かろうとしてきたし。



「とりあえず、お兄はこれの所為で災害が起きたらきちんと対処する事。後、お腹壊すかもしれないから食べちゃダメだよ」


「お腹壊してもいいから食べたいにゃん…」


「仕方あるまいみゃん…だが、研究材料にするみゃん。場合によってはフレアのパワーアップとかに使えそうみゃん」



アクアの研究熱心さは感心するが、こっそり食いそうだからきちんと見ておかないと心配…というか、聖剣に腹壊すとかあるのか気になるがそういうのは聞くものではないな。


しかし、土産らしい土産にならなかったな。溶岩の塊でも取ってくれば良かった。








トウマくんは昔と変わらず悪食だと思う。まあ、セイントドラゴンと暮らしているうちに魔物を食べる事が染み付いたのだろう。一部の魔物は食用にも出来たけど…あくまでも前の世界ではの話だから、今回の焼き鳥が食べられなかったのは残念。



「というわけで、猫耳アホ魔王の処遇は種馬ならぬ種猫になるという事で」


「…実質的な被害はわたしたちが出した気もするのだけど」


「まあまあ…」



トウマくんにも参加してもらって、4都市代表会議と称した話し合いも猫耳大魔王ブチに今回の騒動の責任を全て擦りつけてシラヌイの男娼館へ売り飛ばしてその資金を分配して墓荒らしの賠償や遺族への見舞金にするらしい。名目上は…



「という事でトウマくんにはボクの奴隷としてシラヌイに来て欲しい」


「…どういうわけだ」



シラヌイは女性の行き来は割と自由。でも、男の人は入るのも出るのも厳しい。全ては魔族の風習から…というより、勇者を裏切った魔族の男たちへの徹底管理から発展したもの。火の勇者を深く傷付け責を感じた魔族は他種族から遠ざかり独自の文化を築いた。でも、そんな中で直面した問題を勇者ラピス…マリンちゃんが解決してくれた。そして、その恩を仇で返した。


でも、マリンちゃんは女の人を1人たりとも傷付けなかった。多頭のヘビに攫われた人たちだから、生け贄にされたからと。だから、魔族は過ちを犯した男をどんな種族であれ最底辺として扱う事にした。例外はあるけれど…



「その例外が、勇者と魔族の頂点、鬼族の男。それに所有者の決まってる奴隷」


「だから、奴隷と偽って入れと?」


「うん。弟に領主を譲るためにも話し合いが必要。そこに同席して欲しい」



弟はまだ幼いけど、領主の資格は満たしている。好きな男と添い遂げるための修行と称して旅をしていたボクの目的は果たした。名ばかりの領主を辞める時が来た。



「ちなみに、勇者…特に幻の勇者だって知られたら種勇者になって酒池肉林。そっちの方が良い?」


「その時は魔族皆殺しだ」



トウマくんならやりかねない。でも、きっとしないし、させない。ボクたち以外にトウマくんは渡したくない。とはいえ、あの面子がトウマくんを見逃すかどうか…








というわけで、帰ってきた早々ブチのドナドナの護衛をしなきゃいけない事になった。まあ、それでシラヌイに墓参り行けるなら構わないんだけども。


ただ、シラヌイに全員で押し掛けると要らぬ誤解を招くとかでサレナは俺だけを護衛にしたいそうだ。駄女神は像で姿を知られすぎてるからカティナへの姿変更を練習しているがどうして剣に戻らない…しても置いていくが。


ミケもおそらく今生の別れになるであろうというのに、食える不死鳥を召喚しようと躍起になっているので行かないそうだ。奏多が泣いて止めようとしているが素直に食わせてやらないからそうなるんだ。


アクアに至っては直系の子孫じゃないから知らないと言い、ウィンディアな竜介は男のロマンだからと戦艦動かすのに夢中だし男として幸せに生きろとかいう始末。北方猫耳族の始祖はかなりの繁殖力で増やしていったとかって噂あるが事実な気がする。そんな奴だったっけ、竜介って…


更にファルたちも大森林への通達やら何やらの下準備にレベル上げをするからと行くのを辞退。サレナに気を使う愚勇者様と駄剣も来ないし…


お前ら、知らないから安心しているが…ユーカ時代のこいつは積極性では灯里に負けてなかったんだぞ?

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