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イリーナお嬢様の都市計画

メア…もとい、イリーナ・シュトレイは宇津木さんのスキルを再構成して上位スキル【大賢者】を獲得した上に記憶と意識を統合した残念お嬢様になっていた。


とはいえ、俺が来るまではこの観光都市・ホンゴウを病に臥せった父親に代わって整備し統治していたらしい。


この観光都市・ホンゴウは200年前の王国時代にナシビトの森を焼いた炎が飛び火した上にその後数十年に渡って厳冬の季節という呪いに掛かる事となった。更に100年前には王国壊滅に追い込まれつい30年ほど前までは村すら言えないほど廃れていたそうだ。で、ここを都市にしようと立ち上がったのがイリーナの父親を筆頭とした村人と他の都市の協力者だった。


とはいえ、彼らには都市と呼ぶにはあまりにもお粗末な街を20年近くかけて作るのが精一杯だった。更にリーダーであったイリーナの父親も無理が祟って病に臥せった。そこに現れたのは幼いイリーナ。彼女は言った…「名物が無いなら作れば良いじゃない」と。


幸か不幸か彼女には【大賢者みちるのちしき】があった。早い話がテーマパーク作りである。彼女は【地の聖剣】がかつて安置されていた地下迷宮に数多くの宝石がある事も知っていた。それを発掘させ資金を捻出し、それをテーマパークや観光施設の建築に当てた。


こうして、ホンゴウは観光都市として華々しく表舞台に返り咲く事が出来ましたとさ…



「なのに、それを壊して構わないと?」


「最近、わたしの実績を狙ってお見合いの話が絶えないんです。わたしはイリーナとして生きるのは疲れました…全て良かれと思ってした事。ですが、陰口は絶えません。昔は良かった。こんなのは本当のホンゴウではないと。ならば、灰塵へ還すのが領主代行の使命だと思うのです」


「あー…だいぶ参ってるって事か」


「はい。それにわたしにはやらなければならない事があります。わたしの所為で無駄死にさせてしまった2人を兄様と今度こそ仲直りさせなければならないのです」


「はい?」


「姉小路さんの前世はディナ、御字さんの前世はユーカと言えば分かると思います」



ディナとユーカ…その名前を聞いて鳥肌が立った。それは、アレクがよく知る名前だった。俺を裏切った信頼していたはずの仲間…



「ちなみに、近江くんがユートではなかったのではないかと考えています。彼は藤島先輩の死後、夢で何度も先輩を殺しかけたと言っていましたから」



更に竜介がユートとか、ありえないだろ…



「…根拠は?」


「近江くんは完全に推論です。でも、2人に関してははっきりと見ました。満としての死の間際に開花した【大賢者】ではっきりと」


「…マジか」


「はい。更に2人の今世の姿を知っています。未だに苦しみ続けている事も…ですが、山根さんの事は分からなかった。まだまだわたしは【賢く】ないようです」



何と言ってよいやら…イリーナはイリーナなりに友と俺を心配していたのか。いや、それはさて置き俺は言わなきゃいけない事があった。



「メア…お前がバカなのは知ってる。どうしてあの時逃げなかった?」



リーシャに無謀にも向かい、殺されてしまった。せめて、メアだけでも生きていれば俺は…



「どうしようもなくレトラ兄様が好きだったからです。それ以外の理由なんてありません。今だってトウマ兄様と一緒に生きていけないのなら足枷は全て排除しようと考えていますよ?」



妹のように思ってた女の子が病んでしまったみたいなんだが誰か対処法を教えてくれ…無理か。なら、レトラとしてはこう言うしかないだろう。



「メア…いや、イリーナの頑張りの結果を壊そうとするな。いざとなったら攫ってやるから」



せめて魔王らしく、今度は手離さないように。やっぱり、どうしようもなく彼女は大切な存在だったのだし…やっぱりシスコンなんだろうな、俺。

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