↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/150

第33話 「青豚のねらい」1/2 ❤︎

 ◇ ◇ ◇ ◇


 礼司の中に作者が入り込んだのはすぐに理解した。

 まぁそれでも礼司を支配することはできなかったみたいだ、作者の性格上の問題なのだろうな。


 まぁ一般的な常識的倫理観があれば生きてる人間の体に乗り移るなんてありえないしな。


 そんな悪霊みたいな奴ならまず私を支配してるだろう。



 ふふ、どうやらまだ作者と私の戦いは終わってない様だな。



 作者は罪悪感から礼司を幸せにしたい。たとえその一生が醜いモノだとしても。


 私は礼司を闇に落とシテ愉シンデボロボロにシタイ❤︎ 綺麗に綺麗に燃やし尽くしたい❤︎


 いわば神に対する叛逆だ。

 神を否定する作者(かみ)に対する勇者(わたし)の叛逆。



「竜子?」



 おっと、私の礼司が私の様子を気にした様だ。


 まぁ何も話さず過去を振り返って数分何も喋らなければ気にもなるか。


「お前の中の作者の事を考えていた、結局お前の中ではどう言う位置付けなんだ? 一時はお前自身だったんだろう?」


「…………転生して記憶を思い出した。って感覚だったんだけど、今はなんでそんなふうに思ったんだか分からない、洗脳されてたのかな? 作者って奴に」


私の中にも同じやつが現れた、などとは言いたくない、何故ならあいつは礼司のことを弟分と言っていた。

恐らくだが礼司にも私と同じ様に作者との忘れられし記憶があるのだろう、作者の事はなるべく忘れさせたい。


これ以上ホモライバルを増やしてはいけない。


だからトボケながら少しアドバイスをする。


「…………そいつの事はよく分からんがなんて言うのかな? 多分おまえと趣味があったんじゃあないか? 百合がどうとか言う奴」



 少し礼司が驚いた様に顔をして黙る、少し考えた様な顔になって笑った。


 その様子を見た私は、何故か嫉妬した。

 だって私にはさっぱりわからない、男同士の友情の様なものを感じたから、その対象が姿形も顔も声も名前もわからん作者だからだ。


「あー、成る程そう言う事か、つまり全然悪い奴じゃないんだなこいつ。だって俺に自分の記憶だけ渡して全然自分にメリットある事してねーし、何がしたかったんだか」


 少し切なそうな顔、やばい。

 嫉妬してる、そんな恋患った様な顔をワタシはサセた事がナイ。


「だ、だが油断は禁物だぞ礼司! 考えてみればお前が魔王になってしまったのも何もかもがソイツのせいだ! もしかしたら隙を見て乗っ取ってくる時かもしれん!」


「んー、そんな感じのやつじゃないんだよな。なにせ記憶を共有してるからさ、なんて言うのかな? 無駄に誠実過ぎて歪みまくった? みたいな? だって本当だったら何もしなければ俺はバッドエンド確定だったんだぜ? なんでそんな奴の身体を乗っ取るんだよ? 乗っ取るなら竜子の体だろ? まぁ女になるのは嫌だったみたいだけど? あははははは」


 笑っていた。


 今の状況を冷静に俯瞰するなら礼司は王への叛逆者だ。

 世界に喧嘩を売って明日の身も保証されないと言う状況だ。


 だと言うのに屈託のない笑顔だった。


 やめろ、そんな解放された様な笑顔を見せるな。

 そんな顔を見たことがない。それを語るのが作者だなんて許せない。


「さてと、あんまりこんな所で駄弁ってても妹に在らぬ疑いを掛けられるだけだ、竜子、この部屋をぶっ壊してくれ」


「何も、するつもりはなかったんだがな」


「?」


 とぼけたツラを見せたから私は分からせる事にした。


 びゅん、ドサ!


 ベッドの上でヘラヘラしていたクソガキを光の速さで押し倒した。


 何が起きたのかわからないクソガキは混乱して笑い顔のまま驚いていた。

 あ、ダメだやっぱ可愛い❤︎


「妹に誤解されるのが嫌なら本当にしてしまえ、アイツは大好きなお兄様が私に貪られると興奮するらしいぞ?」


「? ? ? ! ?」


 キョロキョロして状況を理解しようとしている、もうキスしちまうか?

 あーでもそれはXデーまでしないと決めた。


 嗚呼、でもキスじゃなくてもキスはできるんだよなぁ。



「りゅ、竜子さん!!? まだ、その、僕たちは高校生でして!」


「はぁ? おまえだってそう言ってきた女を抱いてきただろう? 同じ事をするだけだ」



 まぁあの女たちの営業トークの様なもんだけど。ほとんど仮面のメイドの中身だし。


「お前は、レズで! こ、心の準備が!!」


 必死に力で抵抗しようとしているが勇者である私の腕力に敵うわけがない。


「ここはエッチしないと出られないんだろう? 今から口付けでないキスをおまえに強行する❤︎」


「い、いや! だからこの部屋はおまえの剣でぶった斬れるだろ?!!」


 顔を近づけて口を塞がれると思ったのか、顔を逸らして目を瞑った。

 そんなに嫌か? 軽くショックなんだが、嗚呼まだコイツあの魔女とのゆりゆり幻想を諦めてないのか、バカが。


 私は礼(・)司(・)の(・)首(・)筋(・)に(・)口をつける。


 ぐちゅ、チュプゥウウ、


「んぎゃ!! 何これ!!」


 あの女たちはこんな事した事ないだろう?

 私は思い切り吸い付いた、噛まない。


 噛まずに肌を吸い込んでやる。

 それで血を吸うことも口をつけずに首筋に赤い跡をつける。


 言葉にするとエロいが実際は。



「痛い痛い!! 竜子さん痛いです! 地味に痛いです!!」


 魔族となった愚妹と礼司には耐死の体を得ている、だから私のこのキスマーk、赤痣(あかあざ)つけも外傷として認識されるだろう、消されてたまるか。

 下品に音をたてて外にいる二人に妄想させる。


 特に愚妹の方は大切なお兄様がエッチされて色んなモノを奪われる妄想している様だ。

 …………とんでもない妄想だ、とても口にできない。

 おい、私はそんな酷い事はしていない!  N T R(えぬてぃーあーる) 好きというのは本当に始末に負えない奴らだ。と言うか妄想がゲスすぎてかなり引く、あんなことできるか。


 礼司の姉が邪教扱いするのも納得だ。


「うえぇええええっっ!!」


 礼司のガチ拒否感からくる変な鳴き声は妹の脳内変換でエロ喘ぎ声になっている。

 やばい私の脳まで破壊される。

 実際はかなり間抜けな声で笑えてくるんだが。


「ん?」


 体の芯が熱い。


 [流血器の〈聖杯〉を口にしました]


 〈聖杯〉

 ・偉人、聖人の血などの比喩。またはその器。

 ・流血器の特性で血や汗、涙などを媒介に好意を持った相手に望む力を与える。代償は聖杯を飲んだ人間の魔力量。


 [魔眼スキル〈逆行〉を会得しました]

 ・脳信号のタイムラグ分の時間を逆行する。(状況判断の時間は含まれない。意識を超える逆行時間は得られない、歴史の改変は不可)


 [魔力量変換〈無限の体力〉を会得しました]

 ・魔力をそのまま体力に変換できる。

 ・〈神造の心臓〉との組み合わせによる光の速度モードの時間制限延長可能。


 [性別変換〈男性化〉に、、、失敗しました]

 ・性別を男にする魔術。

 ・流血器自体の潜在的な拒否反応による妨害があり会得できませんでした。残☆念!!


 [耐性強化〈洗脳耐性〉を強化しました]

 ・心理、魔術的の区別なく洗脳に対する耐性を強化する。(はる、なんとかさんの洗脳にかかりにくくなった)


 [性質変化〈狂人性(バーサク)〉を会得しました]

 ・歪んだ思い暴走させる事により反応速度を僅かに早くする。

 ・魔術の詠唱時間を短縮できる。

 〈狂人性〉の発動条件→流血器に関する事に限られる。



 なんだか色々出てきたが要は全部私の『光の速度』の外的要因による遅延を補正するチカラばかりだ。


 いやそんな事はどうでもいい! 一番私が欲しい魔術が会得できてない!!

 男性化に失敗ってなんだ! ふざけんなそれが今一番重要だろ! このまま礼司をホモ洗脳できたと言うのに!! おのれ、これも全部作者のせいだ。



「ちっ、思わぬパワーアップか」


 代償として魔力量が一瞬ですっからかんになったが一瞬で全回復だ〈神造の心臓〉超便利。


「ふぇ??」


 ビクンビクンと怖がってる、脚を内股にして今にも泣きそうな顔だ。

 泣けばいいのに、涙を吸えばもしかしたら男になれるかもしれない。


「竜子、怖い!!」


 おっと、どうやら本性を顔に出してしまった様だな。

 私が腹黒い事はとうの昔にバレてはいるが今はダメだ。

 今は礼司の信用を得なければならない。


『お兄ちゃぁあああん❤︎❤︎❤︎』


「さてと外にいる愚妹の妄想にトドメを刺さなければならんな」


「はい?」



 試し切り。


 〈逆行〉による村正モード発現。


 〈逆行〉による斬撃射出。




 スパ!! シャリ!




 言葉の間も無く目の前の壁がくり抜いた様に粉砕した。


 うむ、元来の速度は上がってないが脳のタイムラグがなくなって体の動きを待つ時間がなくなってる。

 その時間を利用して数千回突きまくって壁をくり抜くと言う余計な手間を作ることができる様になった。



 さてと、それではベッドの上で礼司を抱き寄せて愚妹に赤痣を見せつけてっと。



「何? え? 何?」


「イエーイ☆愚妹ちゃん、見てる〜?」



 ゲスな妄想通りにピースしながらベロを出して言ってやった。



「ほぎゃああああああああああっっ!!!!」


 自分の妄想で卒倒した妹は白目で泡を吹いていたがその表情はやはりゲス顔だった。


「玲奈!!!???」


「玲奈君っ??!」


 男性陣は何が何やらわかってないらしく突然ぶっ倒れた愚妹を心配した。


 さてと、狙いの力が手に入らなかった腹いせはここまでにしておこう、流石に心配する礼司が可哀想すぎだ。


 愚妹にはご褒美だった様で癪(しゃく)だが、まぁいいか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。