第32話 「竜子の闇落ち」❤︎
封印の解き方は至極簡単、剣をぶっ壊す。
それだけで術式が壊れて魔王が復活するらしい。
オリハルコンという軟性と剛性を併せ持つ金属で壊れにくいらしいが普通に拳で殴ったら壊れた。
バキ!
「…………オリハルコンってステンレスなんだな」
ゴロゴロゴロ、
晴天の空が暗闇に荒み雷鳴が轟く。
空間の歪み、うねり、裂け、そして人の形をした物が現れた。
目に痛い金髪、碧眼、高い身長、少し垂れた目。
初代魔王 カムイ。
「お前が私を目覚めさせたのか小娘。青い髪、蛇の目、成る程この世界にも勇者が現れてしまったか」
「お前にはなんの恨みもない、だが死んでもらう。私の為にな」
エクスカリバ─を生成、第1形態ロンギヌス。物理的な法則を無視する剣。
対して奴の亜空間から取り出した武器は鉤爪、指にはめるタイプの武器。
「問答の余地もない、か。やはり勇者という生き物はいつもそうだな」
言い切ると同時に私は襲いかかった。
同情する気もないし、そんなことをしたら心を殺される。
別に戦いなんて初めてじゃない、ただ最初から殺すつもりで戦ったのが初めてで。
少し、気持ち悪かった。
光の速度で動ける私にとっては魔王であっても雑魚と一緒。
一瞬で決められるが私は戦いを引き延ばした。
音速、スイッチオン。
相手の速度に合わせて戦うことにした。
空を飛べるらしく、それにも合わせギリギリで殺し合う。
私は滾っていた。
礼司の怯える顔。
あんな物を見てしまった私はその滾りの解消先をこの戦いに求めるしかなかった。
下手をすれば殺される戦い方。
下手をしなければまだまだ遊べる。
血湧き肉躍る戦い方。
相手を痛ぶって殺す。
血を見たかった。
赤い赤い赤ぁい熱血が見たかった。
嗚呼そうか、私は最初から壊れていたんだ。
礼司は私をまだ聖女の様に思ってくれている様だけど、私の心には生まれつきにこんな化け物がいたんだ。
「ひゃはははははははははははははははははははははははははは!!」
いつのまにか荒んだ空が晴れて雲から光の柱が溢れていた。
何千回斬り込んだのだろうか?
相手のスタミナに合わせ傷をつける。
少し溜飲も滾りもおさまって来た。
もう礼司なんてどうでも良い、この戦いに集中したい。
嗚呼この魔王のお陰で少しだけ心地いい。
だから殺す。
べキィイイン!!
「我が陣営に加わる気はないか? そうすればこの世界で何かしようとは思わない」
何か言っている。ちゃんと聞いてる。
「交渉の余地はないな、お前を殺せばいいだけだ」
とか言いつつ、ワタシは少し魅力的な提案だと思った。
あちら側に行けばこんな戦いが、ワクワクする様な人殺しができる。
それに向こう側は今、一千年に一回の大戦争中だ。
完全に闇に落ちることができる。
だが作者のアイツの指示は聞いておこう。
きっとそれが面倒はないのだろう。
私はエクスカリバ─を必殺の第二形態村正に変化させた。
これで終わりだ。
───────その時
「あぁあああアアアア!!」
飛び立った屋上から、礼司の叫び声が聞こえた。
発狂している、なんで? 何があった? なんでここにいる? そこ屋上だぞ?
「あの少年は…………?」
満身創痍の魔王が誘われる様に礼司を見ている。
私の獲物が礼司を見ている、魅て、────魅了されている!!!
ダメだ。ふざけるな。それは。
「それは私のだぞっっっ!!!!!」
奪われる。そう確信した私の行動はヒトデナシのソレではなく。
考えるよりも早く行動し殺意もなく死に至る必殺の一撃を繰り出していた。
その時の私はただの暗殺者であり。
ただ斬撃の塊を魔王の心臓に打ち込んだ。
「くぐくぐ!!!」
ぶしゅうう、
一拍、心臓を普通より大きく拍動させて体表面の小さな傷から血が噴き出ていた。
まるで無数に針を通した穴だらけの水風船、失血死するのは目に見えていた。
魔王には不死性があり、私には不死性を殺す力があってその拮抗させたせめぎ合いにより長く痛ぶった魔王に感謝したかった。
ヒトデナシモ─ドの私だったらきっとその姿に感動し感謝していた。
だが今の私はロボットの様に何も感じない暗殺者、感情もなくただ下に落ちていくのを眺めていた。
嘘だ。
そんなモノどうでもいい、眺めてすらいない。
枯れ木の様な壊れた魔王など、もう目に入らない。
私は更に下にある宝石の様な瞳をした私の男しか目に映らなかった。
加工される前の宝石。原石である少年。
私だけの礼司❤︎
ビチャ!!
屋上の床が血に染まり礼司の綺麗な顔に血がついた時、私の決定的なナニカが壊れた。
壊シタイ。
穢シタイ。
犯シタイ❤︎
お前のその清らかな心を私の色に穢して歪ませてやりたい❤︎
嗚呼、大量の血に顔射されたお前は、なんて綺麗なんだ。
屋上の床が朱色に染まり、果てしなく続く血の道ができていた。
鮮血のヴァ─ジンロ─ド❤︎
魔王と勇者の結婚式だ。
これは降りて共に歩かねば❤︎
「お前は私が食べる❤︎」
悪いな作者、お前の願いは叶わない。
私という勇者の本能がアイツを幸せにしたくない。
あんな綺麗な心を見て闇落ちさせたくない奴などいない❤︎
嗚呼❤︎ そうだな、アイツの意思で父親を殺させよう。
そして健気なフリした私に力を借させてアイツの命令で大量に人を殺そう❤︎
そして私の力に依存させて、私なしでは生きられない様にして、その苦しむ顔を、愉シモウ❤︎
そして疲弊した心のアイツを肉体的にモ犯して、私の処女を捧げ、その時の血で、罪悪感で、アイツの脳を破壊しよう❤︎ 百合の幻想なんて私の熱イ口付けでブチ壊シテやる❤︎
嗚呼❤︎ 嗚呼❤︎ 考えるだけで妄想するだけでイッてしまいそうになる。
早くお前を壊シタイ❤︎ 穢ス❤︎
(死にたい)
心の声が聞こえた。
礼司の心の声! 死にたい、だと?
そんなのダメだ! まだ私が壊してない!
バキバキのメキョメキョにしてからじゃないとダメだ!
私は魔王との戦いでも使わなかった光の速度で礼司の背後に駆け寄った!
「死のう、俺は、俺は!」
ギリギリの所で母親の言葉を思い出し自殺を踏みとどまっている。よかった、礼司のマザコンがこんな所で役に立つとわっ!!
「死ぬな!!!!」
「へ?」
間抜けヅラ、疲弊した瞳、今にも壊れそうだ。勃起スル❤︎
今じゃダメだ。もっと傷ついてもらわないと!
「死ぬな、礼司! 何があったかわからないが、お前!!」
「死なないよ、なんでそんな風に思ったんだ? 訳がわからん」
無理にでも嘘をつく、さっきまで死にたかったくせに。生意気だ❤︎
嗚呼デモ綺麗だ、美しい、今すぐ犯シタイ。
おのれ作者め、何故私を男のまま小説を書かなかった?
男に産まれさえすれば欲の滾りをぶち込むことが出来たというのに❤︎
挿入シタイ❤︎
嗚呼、男になってホモになりたい❤︎
◯精込みたい、アイツの顔に血だけでなくて白濁の熱液を顔射したい❤︎
支配して分からせてやりたい❤︎ 私のこの欲情と穢れを分からせたい。
────私を中途半端に作った作者を許さない。
作者のせいで私は歪んだ性欲を吐き出せない。
アイツがこれからもっと苦しむのは作者のせいだ…………私も悪い。
みんな悪人だ。
落ちるのはお前だけじゃないぞ即落ち魔王。
私も一緒に堕ちてやる❤︎
礼司と初代魔王の領域が展開された。
このままだと礼司は魔王になってしまうだろう。
望む所だ。
お前は魔王で私は勇者。
『幼馴染、芦崎礼司が魔王になりました』
妙な声が聞こえたと同時に何かの説明文が唐突に出てきた。
嗚呼これがステ─タスウィンドウとアナウンスってやつか。
声も聞こえるのか。
パリン。
領域が消えて、中にいたのは礼司だけだった。
受け継がせた魔王は消えてしまうのか? なるほど私の手で殺す場合は一気にやらないとダメってことか。
壊すときは一瞬、またそれもイイ❤︎
嗚呼、しかし何があったかは知らんが泣いていやがる、きっと初代魔王の気持ちとか考えてもらい泣きしたんだろうな、昔から涙脆い子だ。
大粒の汚れなき涙。
聖女の涙。
きっと舐めると甘いんだろうなぁ❤︎
妄想したらまた、勃起してしまった❤︎
ダメだ、我慢しろ私、もうちょっと心を育てて積み木を組み上げる様にして、全部整ってからとどめを突く。
まだ、犯しちゃダメ❤︎
嗚呼でも我慢できなかったらどうしよう❤︎
こんな時のためにスラムに寝床を用意してある、そこで泣かしてやろう。
が、ガマン❤︎
無償の愛など存在しない。
相手を求めてる時点で無償ではないのだから。
次回、第33話 「青豚のねらい」
☆こんにちわオニキです。
ブックマーク、評価加点していただけると励みになります。
よろしくお願いいたします。
※誤字など気になったところがあれば遠慮なく指摘願います。




