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072 2年進級

 1年生最後の学期末試験も終わり、その結果をもって2年進級時のクラスが決まる。

 私と友人たち(アレン、ルーシーちゃん、ブレンダ、ペリーヌ)は全員2年Aクラスになったので一安心だ。

 ブレンダについては、必須4教科のうち数学の成績だけが心配だったんだけど、試験前に開催した我が家での勉強合宿でなんとかなったよ。ふー、良かった。


 2年生からは武術の授業で武器の扱いを習うことになる。てか、2年生になってもやはり魔法の授業は受けさせてもらえない。アレンやルーシーちゃんも。

 まぁ良いけどね。


 武器は【剣・槍・弓】を選べるんだけど、私はどうしようかな?

 アレンとペリーヌは剣だろうな。

「ルーシーちゃんにブレンダ、二人とも武器は何を選ぶの?」

「実際に戦うわけではありませんし、できるだけ楽そうなのが良いですわね」

「うん、私もそう思う。宿屋の娘に武器はいらないよ」

 うーん、槍は重そうだし、弓は(つる)を引くのに力がいるよね。やはり剣しかないか。これならみんな一緒に学べるしね。


「私は剣かなぁ。消去法だけど」

「マリアちゃんもそう思います?では私も剣にしますわ」

「じゃあ私もそうする。みんな一緒が良いもんね」

 ルーシーちゃんもブレンダも剣を選択か。てことはお兄様を含めた6人全員が剣士だね。もちろん剣士って胸を張って言えるのは、お兄様とアレンとペリーヌの3人だけだろうけどね。


 そういえば、半径1メートル停止時間1秒のタイムストップは2人ともほとんど使ってないみたい。私も全然使ってない。苦手だし。

 でも一応聞いておくか。

「タイムストップだけど半径2メートル停止時間0.5秒の魔法陣を渡しておこうか?」

「そうですわね。剣なら影響範囲を広く取らないと危ないかもしれません」

「うん、欲しいね。半径2メートル停止時間1秒ってできないの?」

 ブレンダは欲張りだな。


「うーん、使用する魔力量が多くなるので、緊急時に確実に発動できるかが怪しくなってくるんだよ。やはり今のパラメータが実績もあってベストだと思うよ」

「そっかぁ。残念」

 そんなに残念そうじゃないな。実際、私たちが使うことってほとんど無いと思うんだよね。なにしろご令嬢だからね。


 2年生になって授業も難しくなり予習・復習なんかで忙しいんだけど、今年の私の目標は魔法防御の結界を魔法陣で実現することだ。

 魔石を使って魔道具で実現する防御結界は魔法攻撃をある程度防いでくれる。魔道具を使わず詠唱魔法でそれを実現することは不可能とされているし、私もできないと思っている。

 でもそれは魔力量の関係だと推測しているので、魔法陣だったらできるんじゃないかとも思っている。


 これまでに設計・実装してきた魔法陣はたったの3つ。

・飛行魔法のつもりがドローン魔法になってしまったもの(魔法名はエアーフライトという安直な名前にした)

・探査魔法のマジックサーチ

・時間停止魔法のタイムストップ

 これだけだ。


 詠唱文などの自然言語で記述したプログラムを魔法陣に自動変換して紙に転写する魔法、つまりコンパイル魔法を開発すればもっと楽に魔法陣開発できるんだけど、それを作ろうとする場合、多分だけど一生の仕事になりそうな気がするんだよね。それくらい時間がかかりそう。

 もしもコンパイルができれば、後世の人にとってはとてもありがたいものだとは思うんだけどね。面倒くさすぎて私がやりたくない。


 なので、今まで通り実装作業はコツコツと…ですな。

 それはそれで面倒くさいけどね。

 でも防御結界が必要な理由は、それが私たちの命を守ることに直結するからだよ。攻撃用の魔法陣は魔導書にたくさんあるんだけど、防御用の魔法陣が見当たらない。世界中を探せば存在するかもしれないけど、探すよりも作るほうが楽だからね。面倒だけど。

 魔道具を使って防御結界を張れば良いんだけど、あれって割と高価だし魔石は消耗品なのでランニングコストもかかるんだよ。さらに携帯型に関しては、軍人以外が個人的に所有するのは難しいのだ。

 なお、開発自体が可能であることは確信してる。まぁ、できるだけ早いうちに完成させたいな。またもや何か帝国がらみのイベントがあるかもしれないしね。


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