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マーダーダンジョンAI攻略記!  作者: あきらとけん
第二章:ダンジョンの仕様と攻略
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【10話】ダンジョン攻略の運

「よし!Newセイの力を確認しにいくぞ!」


 コクリ


 初めての『キオク』による行動改善。

 ちゃんとダンジョンでの動きが変わるのか確認する大事な初回。

 上手く機能しなかったらその時点で今後の色々が頓挫する。


 そもそも今までセイの行動が改善されなかったのが、記憶に問題があるからっていう点すら憶測だ。

 メイの力で『キオク』出来るようになったけれども、それがちゃんと反映されるかも分からない。

 ひょっとしたらダンジョンに行ったら『キオク』が消えるかもしれない。


 色々と不安もあるが、とにかく試してみないと分からない。



 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



<地下1階>


「よーしじゃんじゃんいこう!」


 何回か周回をして慣れてきたので、最近は開幕に『テイシ』する事も無くなってきた。

 セイが勝手に動き出す。


<紅玉丸を倒した>

<茶の宝珠を手に入れた>

<茶の宝珠を使った 茶の宝珠は天撃の宝珠だった>


 セイの周辺に雷が落ちた。

 天撃の宝珠の効果だな。

 セイを中心とした範囲攻撃かな?


 とりあえず、最初の部屋は順調順調。

 そのまま2部屋目に。


「お、早速検証できそうだ。」


 2部屋目には近い順に階段、宝珠、水玉丸。

 今までだったら即階段を下りていた。


「頼むぞー、ちゃんと行動改善されてくれー。

 …おっ!」


 セイが宝珠の方に向かっていく。

 いいぞ!しっかり改善されている!

 階段を無視して探索優先になってる!


<太い宝珠を手に入れた>

<太い宝珠を使った>


 あ、複数回の宝珠だ。

 複数回の宝珠は何回か使えるけれども、使っても鑑定されない。

 使った効果から宝珠の能力を推察して、自分で判断しなければならない。


「まだどんなのがあるか全然把握出来てないけど、今回のは分かりやすいな。」


 たまたま正面にいた水玉丸に太い宝珠から出た弾が当たり、セイと水玉丸の位置が入れ替わった。



【メモ帳】

 ・太い宝珠=入れ替わり



 判断出来たことはメモ帳に書いていく事にしている。

 今はまだあまり意味は無いけれど、今のうちに慣れておかないと後で困りそうなので。


 ちなみに複数回使える宝珠は、今のセイだと拾った後に1回だけ使用。

 その後使う事は無く、手持ちを圧迫させるだけになっている。


 …


 その後、水玉丸を倒して次の部屋に向かった。


 いやー良かった。

 ちゃんと階段後回しにしてくれてるし、探索優先してくれてるね。


 …


<緑の宝珠を手に入れた>

<緑の宝珠を使った 緑の宝珠はメイレイの宝珠だった>


「お、メイレイの宝珠だ。」


 メイが作った宝珠の一つ、メイレイの宝珠。

 実は今までもいくつか拾っており、セイが使うと俺の手持ちへ移動する。

 多分アイテム作成時にそういう設定を入れたんだろう。


 セイが死ぬとセイが持っていたアイテムは全て没収されるが、俺の手持ちにあるアイテムはそのまま持ち帰れるようだ。

 なので、メイレイの宝珠は3個拾って、計4個俺の手持ちにある。


〔なあメイ、メイレイの宝珠は3個拾ったけど、キオクの宝珠はまだ見たことが無い。

 これって単純に運が悪いだけかな?〕


〔いや違うの

 宝珠は効果が強いほど、レア度が高い

 メイレイの宝珠よりキオクの宝珠の方が効果が強いから、じゃろうな〕


 あーそういえば王様もそんなようなこと言ってたな。


〔なるほどね、じゃあレア度が低そうなメイレイの宝珠は結構手に入りそうだな〕


〔そうじゃのー

 1回動きを強制させるだけじゃから、そんなに強力でもないしの〕


〔わかった、さんきゅー〕


 結構手に入るなら、メイレイの宝珠は早めに色々試してみてもいいかもしれない。


 …


 その後地下1階で全ての部屋を探索し、レベルは2に上がった。

 そして途中で「鉄の盾」を拾った。

 とりあえず開幕としてはかなり順調だ。


 「全ての部屋を確認」という制約のせいか、通ってない通路を優先して通り、全ての道を通った事で確認し終わったと認識するようだ。


 ちょっと歩きすぎて満腹度が心配になるが、この世界は日常でも満腹度が減っていくせいか、満腹度の設定がかなり緩い。

 不〇議のダンジョンの5,6倍は持つので、過度に心配しなくてもしばらくは大丈夫だと思う。




<地下2階>


「さあて、わりと万全な状態で地下2階に来れたな。」


 まだ戦闘の立ち回りは猪戦法だけど、1階で「鉄の盾」を拾えたのがデカい。

 体力消耗がかなり減るので、2体に突っ込んでもまだなんとかなる。


 セイの装備品への対処に関しては、後から拾った物を必ず装備し、それを使い続ける、だ。

 だから「鉄の盾」より弱い盾を拾ったら、それを装備して弱くなってしまう。

 ここも早く改善しなきゃいけないポイントだ。


「地下2階は正直1階とほとんど難易度変わらない。

 出てくるモンスターも一緒みたいだし、サクサク行こうか。」


 地下1階の調子でそのまま地下2階を探索していく。


 …


<至高の刀を手に入れた>

<至高の刀を装備した>


「え、なにこれ初めて見た。

 名前からして凄い強そうな武器だ。

 えーっとステータスステータス。」



<<ヴン>>

 =============================

 セイ

 レベル:3 HP:21/24

 武器の強さ:10 防具の強さ:4

 ちから:8/8 満腹度:92%


【アイテム】

 至高の刀 E

 鉄の盾 E

 木の剣 

 太い宝珠 -1

 長い宝珠 -1

 空の宝珠

 守の宝珠

 =============================


「武器の強さ10!?つっよ!!!」


 少なくとも不〇議のダンジョンで考えれば、武器の強さ10は相当強い。

 最上位武器一歩手前くらいの強さだ。


 この世界でも同じかは分からないが、少なくとも木の剣の10倍だ。

 これは今までで最高の出だしかもしれない。


 さらに


<黄の宝珠を手に入れた>

<黄の宝珠を使った 黄の宝珠はキオクの宝珠だった>


「お!ついに来たキオクの宝珠!」


 これでさらにセイの行動を強化出来る!

 何を優先するかは帰ってからじっくり考えよう。


 装備に恵まれた事もあり、2階も苦無く突破。


「いいね順調だね!」


 コクリ



<地下3階>


「『テイシ』。

 さーて、問題はここからだ。」


 地下3階になると、出現するモンスターの種類が増える。

 特に最初に殺されたアロラビーがヤバイ。


 遠距離攻撃がある相手に対して真っすぐ進んでいくと、一歩歩くごとに攻撃を食らう。

 現状セイは一直線に敵に向かうから、本当にいい的だ。


「今『キオクの宝珠』使って対策しちゃうか…?」


 今回はわりとアイテムの引きがいい。

 このままもう少し先に進んでみたい気がするし、対策するのはアリだ。

 どうせ対策は早めに必要だ。


「でもなぁ…今は1,2階を安定させたいんだよな…」


 運ではなく安定で抜けれるようになるには、優先すべきはアロラビー対策じゃない。

 もっと基本的で根本的な対策だ。


「よし決めた。

 今はそのまま進もう。

 そんで本当にヤバくなったら、いい機会だから『メイレイの宝珠』を試してみよう。」


 至高の刀は現状かなり強い。

 これはいい機会なんで、『メイレイ』を使ってセイから俺にアイテムを渡して、持ち帰れるか確かめよう。

 アイテムが持ち帰れれば戦略の幅が広がるし、貴重なアイテムも溜めていける。

 なにより装備品の強化がしていける。


 装備品は『武器強化の宝珠』と『防具強化の宝珠』で強化出来る事が分かっている。

 今までの周回で手に入れた情報だ。


 なので、毎回持ち帰れるなら装備品はどんどん強くなって、攻略が楽になっていく。


「まあ現状は強化しても、拾った装備品を優先して装備しちゃうから意味無いんだけどね。」


 アイテム周りの動きを改善しないと意味はない。

 それでも装備品の強化は先行投資してもいいと思う。


「てわけで、セイ、一旦このまま進むぞ!『コウドウ』!」


 …


 …


 …


「て、『テイシ』!やっば!」


 3部屋目に入った所で緊急停止。

 正面の奥にアロラビーが1体と、さらにその奥にアロラビーがもう一体並んでいる。


 これはまずい。

 まず1体目のアロラビーに狙い撃ちされる。


 その上で、さらに後ろのアロラビーも一緒に打ってくる。

 後ろの矢は前のアロラビーに当たるはずだ。


 敵が敵を倒すとどうなるか。

 まだ検証はしていないが、不○議のダンジョンと同じなら、敵のレベルが上がる。

 そうなったら現状はほぼ絶望的だ。


「現状これを打開するのは無理では…

 撤退の準備をするか?」


 至高の刀を俺に渡してもらって、死んでも良いように準備。

 それが安全策。


 積極策としてもう一つ、効果不明の長い宝珠を使う事。


 壁に打って判別不能だった複数回宝珠だが、これを使えば打開出来る可能性は十分にある。

 仮にあまり意味が無くても、その次の行動で至高の刀を渡してもらえば、大丈夫なはずだ。


「…よし、『メイレイの宝珠』のテストの意味も込めて、試してみるか。

 『メイレイ』、正面のアロラビーに向かって長い宝珠を使う!」


 メイレイの宝珠が消え、パアァッとセイに光が射した。


<長い宝珠を使った>

<アロラビーはレベルが上がった>


「え゛っ!」


<バクアロビーは爆弾矢を飛ばした 勇者に25のダメージ>


<勇者は死んでしまった>


「ああーっ!」


 …どうやら長い宝珠は、当たった対象のレベルを上げる宝珠だったようだ…

 アロラビーがバクアロビーにレベルアップし、爆弾矢を飛ばしてきて一撃死…


 不○議のダンジョンの基本。

 不確定要素の運に頼ってはいけない。


「俺の至高の刀…」


 アイテムの引きの運は良かった。

 そして運に頼ってロスト。

 ある意味運の振れ幅がバランス良かったのか…


 今後は運に頼るまい、そう心に誓った。



 ダンジョン攻略はまだまだ続いていく。

運に頼るまい、そう思っていても運に頼ってしまう。

あるあるです。


一旦、書き溜めはここまでになるため、以降は不定期に更新します。

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