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魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ


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第四十一話

第四十一話



魔女会に戻るとそこは地獄絵図と呼ぶに相応しい光景が広がっていて……久しく麻痺していたものが再び込み上げ吐き気を催した。


だけど、本能的に恐怖を感じるのは今の僕にとってこれ以上ないほど幸運だ。


恐怖が僕を強くし、強くなるほど約束も守りやすくなる。


しかも源綾音を辿れば荒川咎に辿り着くのは明白だ。


見せられた記憶が本物なら、僕も父さんにも関係がある。


朱莉と結婚する上でそれは必ず知っておかないといけない、なぜなら朱莉が家族になる際に父さんの件で迷惑をかけるなんてことになるわけにはいかないからだ!!


それに"朱莉のおまじない"もある今なら僕が恐怖でどれだけ強くなるのかを試すことが出来る。


そう考えている僕に源綾音は何故か魔法のアドバイスをしてきた。


「風香の魔法は恐怖を使う。上手く転用させれば魔を取り込まずとも自身と周囲を回復出来るはずだ。そのためにこの子たちを肉塊にしたんだからさぁぁ」


恐怖を使うことで魔を取り込まずに回復が出来る……ホラー映画とかで死の恐怖で普段より精神が強くなり周りの人を助けるみたいな感じだろうか。



だけど、源綾音は何故僕にアドバイスをするんだと考えた末あり得なさそうであり得そうな答えに辿り着いた。


それは


「自分が僕で楽しみたいから教えてるんだろ」


パチパチパチパチ


「ピンポンピンポンピンポーン、よく気づいたね、大正解だよ。だから最初に顔合わせだと言ったよね、そう言うことだよ。雛だってそれで接触してきたでしょ?」


「僕たちは何もされてないけど」


僕がそう言いかけると源綾音は思い出したように叫んだ。


「雛のやつ記憶を消したわけか!! でもこれなら思い出した時に面白くなりそうだからアリかもね。それは置いておいて早く試してくれないか風香!」


最大限の力の出すために朱莉を失う恐怖と朱莉を救うことも出来ない状況と僕への恐怖を想像した。


その時、明らかに僕は冷静だった。


今までは必ず取り乱した想像ですら、期待より下だった時のお化け屋敷に行った時みたいに冷静だ。


そう言っても朱莉のことが大事じゃないってわけじゃないのは分かってほしい。

朱莉は世界で一番大事で大切であい……る人だから。


「百点だよ風香、その恐怖を原動力にする姿!! 良いものを見せてくれたお礼に少し教えてあげる。簡単にこの世界の秘密と君の出生についてを」


源綾音はお礼と称し勝手に話し始めた。


「君たちは魔葬少女がどれぐらいの規模か知らないでしょ、日本だけに留まらず全ての国に適用されている。ある国では死刑の代わりに別の国では犯罪者の更生や娯楽として……そしてその魔葬少女のシステムを作ったのが咎様なのさ!! そして君は咎様の血の繋がった実の娘(最高傑作候補の被験体)なのさ!」


「魔葬少女のシステムを作ったのが、荒川咎って話は本当なの?」


僕の質問に源綾音は真剣な表情で答えた。


「わたしが咎様のことで嘘を言うわけがないだろ」


この表情を見るに本当なのだろう。


「ならば好都合、このまま咎を問い詰めれば元の生活に戻れる可能性が高くなる。それに咎には朱莉を傷つけた罪がある……咎の恐怖で引き攣る表情こそが、元の生活に戻る際の最高の褒美じゃないか」


源綾音は僕の顔を見てネットリと『咎様〜』と呟いた。


それに今、僕は一体何を言ったんだ。

そんな恐怖で引き攣る表情なんて僕にとっても朱莉にとってもどうでも良いことだろう。

なのに、恐怖への謎の高揚感まである。


もしかしてこれが正式な魔葬少女になる過程で必要なものだろうか?


だとすれば成長していることを喜ぶべきだな。


僕は肉塊になった先輩たちを恐怖で歪めて治した。


「咎人候補の成長を咎様にも伝えなければ、咎様と共有しなければぁぁぁ!!」


源綾音はそう叫びながら転移した。


恐怖を利用すれば僕の回復魔法もここまでになるのか、良い収穫じゃないか。

これで朱莉に危害を加えるやつを苦しめられる。

……違う、こんなの僕じゃない!


さっきからなんなんだ、僕は朱莉と元の生活に戻りたいだけで誰かを傷つけたいわけじゃない!


僕の様子を見た一人の先輩が良いことを教えてくれた。


「君のその様子を見るにもう少しで正式の試験を受けられるよ」


何故かと問うと先輩は優しく教えてくれた。


「魔葬少女の雛は正式に近づくほど感情に飲み込まれやすくなる。それに飲まれず感情をコントロール出来るように正式の試験を受ける条件だからね。ちなみに飲まれたら自我が崩壊するから気をつけてね」


ここまで伝えてくれた理由を聞くと、どうやら僕が治した人の一人だったようで、そのお礼だそうだ。


相変わらず狂ってる、正式に近づくだけでもこれなのか。

どうにかして朱莉と一緒に正式にならないと契約霊を殺せるほど強くなれない。


朱莉と元の生活に戻れるなら自我を残したままでも狂ってやる


僕はそう決意し朱莉たちの下へ戻った。


読んでいただきありがとうございます!!

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