第二十七話
第二十七話
「おーい紬はおらへんか?」
魔女会で香澄さんは紬さんという方を探している。
なにやら依頼の報酬の大切さを僕と利根島さんに伝えてほしいからだと。
「なんやそこにいるやないか!」
「あっ、香澄っちだ。お久しぶりじゃん、いえーい。そういえばフェルマルの新作コスメ買った? あたしさぁ、買ったんだんだけど合わなくて〜」
「なんか、えろぉ変わったな。まあええわ紬に用があるんや」
香澄さんは紬さんという方を僕たちのところにつれて行こうとすると一人女性が香澄さんを止めた。
「香澄、この紬は分身だから無駄よ」
「分身だなんてひど〜い、あたしだって久蔵紬なんだよ〜。あー、ネイル割れちゃった。なんか不吉なんですけど〜」
分身が出来る魔葬少女って普通に考えてやばすぎるし、流石に冗談だよね。
「なんや分身かいな。本体はあれやろ、また新作ゲームでも買いに行ってんのちゃうか?」
「そうみたい。買い物の時に便利だからって今日だけで、七体も分身してたわよ。買い物なら頼んでくれれば私が行くってのに久蔵のやつ」
……どっ、どういうこと? この目の前のギャルっぽい人は分身で本物は別にいるってこと? 理解が追いつかない。
「風香、安心せえ。最初はだいたいそんな反応や、ウチもそうやったんやからな」
分身の人は僕と利根島さんを見るなり興奮気味に話しかけてきた。
「なになに新人ちゃん? うわーかわいい!! もしかして依頼のこと聞きたいの? いいよあたしが説明したげるよ〜」
香澄さんはまあ分身でも良いかと言いたげな表情で『頼むで』と説明を任せた。
「うんとね〜、基本的に依頼にはおおまかに初級・中級・上級・超級に分かれてるんだけど、達成報酬を事前に決めたりも出来るわけ。だかんね、あたしとかはさリップとか頼むわけよ。
こういうのはみんな使うからね、ほんと大事なわけよ。
そんでね難易度が高くなるにつれて決められる報酬も多くそんで高く出来るんだ。例えば初級だと二百円チョコで上級だと数万円チョコみたいに結構変わるわけだから欲だけで決めてたら死んじゃうかんね気をつけて」
報酬を決めてから依頼を受けられる、結構良いことを聞いたかもしれない。
それになんだが言い方がゲームのクエストみたいだな……ここの人たちからしたらそれぐらい軽い物ってことなのかな。
「あっ、香澄来てたんだ。見てよ新作ゲームちゃんと買えたんだ。さっそくやらないと損だよね。……装備担当の私は何してるの?」
「生成担当のあたしおかえり〜、新人ちゃんたちに依頼の説明〜。新人ちゃんの反応が可愛くってさからかいたくなるよね〜」
「そうなんだ。そこのところは頼んだよ。私は魔女様に報酬を貰いに行くから、欲しいのあったら買い物中の他の担当の私についでに買ってくるよう頼むけどどうする?」
「そういうのはやっぱり自分で買いたいかな〜、合うとか合わないもあるし。心遣いには感謝だね」
……何この風景、頭がバグったみたい。
「うん、私もそう思うよ風香ちゃん」
「あっ! もしかして君、心読める系だ! 青春してるみたいでう〜ら〜や〜ま〜し〜い〜。新しい分身作ってよ生成担当のあたし!」
「作ってほしいなら報酬次第では作るけどどうする?」
「あたしに請求するのはやめてよね〜」
僕と利根島さんは分身さんに依頼について、報酬について、そして必要とあらば魔女会から装備を借りることが出来ることを教えてもらった。
「新人ちゃんたちが最初に受ける依頼ならこれが良いんじゃない? 香澄っちもそう思うよね?」
「……せやな、これぐらいなら特訓にもちょうどええかもな」
僕と利根島さんが勧められた依頼は『深夜の校舎で不審な人影を見たという報告が立て続けにありましたので、調査をお願いします』というものだった。
その校舎が僕と利根島さんが通っている学校だった。
自分の通っている学校でそんなことが起こっているなんて思ってみなかったけど、これが正式な魔葬少女になるためなら僕たちはやる。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




