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7作目になります。よろしくお願いします。

 私は王国の貴族学校を十八歳で卒業し、数少ない女性のみで構成される騎士団に所属している。小柄であるが、体力、剣の腕には自信がある。



ーーーーーーーーーー




 私の家は子爵家で姉一人と兄二人がおり、私は末っ子で比較的自由に育った。もちろん淑女教育も頑張ってこなしてはいたがあまり好きではなかった。野山を駆け回る方が好きなのである。




 そんな中、騎士団に所属する母の兄である伯父が遠征から戻る途中で我が家に立ち寄った。この王国は近隣の国と戦争はしないと条約を結んでいるため、騎士の遠征といえば未開拓地の調査や希少資源の採取などだそうだ。初めて間近で騎士たちを見た私は、鎧を外した時薄い服越しに見えた筋肉に驚いた。自分も含めて家族皆華奢なのだ。


 

 ゴリゴリの筋肉を初めて見て憧れを抱いた。色々な筋肉を見たいがために学校の卒業後は騎士を目指す事にした。ちょうど貴族学校入学直前の十五歳の時である。




 その時から私は筋肉フェチになった。特に腕と胸板が気になる。




 伯父に聞いたら、女性は男性がいる騎士団には入団出来ないが、女性のみの騎士団があるらしい。体を動かす事が好きなので淑女よりも騎士の方が向いているだろう。家族も理解してくれているので反対はなかった。




 また、伯父に筋肉を付けるコツを聞いたら体を動かした後に牛乳を飲むと良いと言った。隣町の特産品である牛乳を沢山飲んだ。が、筋肉は大して付かず、背はさほど伸びず、予想していなかった所が大きくなってしまった。少し伯父を恨んだ。





 貴族学校に入学し、学生の間は男女両方の騎士団の訓練を見学させてもらったりしたが、なかなか理想の筋肉に出会えずにいた。そうしているうちに学校を卒業し、女性騎士団に入団した。





ーーーーーーーーーー




 女性騎士団に入団し二年が過ぎた。女性騎士は王家の女性の方々の護衛が主な仕事。私はついこの間二十歳になり、国王陛下の母君である母后陛下にお仕えする事となった。




 母后陛下は大変快活な方で、第一線は退いているものの、精力的に孤児院や施設を訪問されている。私はその護衛を任されているうちの一人だ。




 母后陛下に仕えて一年が過ぎようとした頃、母后陛下が体調を崩されるようになり、王家専属の医師に診てもらっていた。根本治療にはならないが、薬を飲んでいれば症状は落ち着くであろうという診断が下された。




 王家専属の医師は代々医者系の伯爵家の人間が選ばれている。さらに今はその令息が薬師をしているらしい。




 その令息である薬師は西の森の近くにある伯爵家の別荘で引きこもり薬を作成しており、その薬は日持ちしないため週に一度取りに行くことになった。別荘の場所は王城から馬を飛ばせば一時間程の所にあるようだ。




「エレノア頼めるかしら?」



「謹んでお受けいたします。」




 尊敬する母后陛下直々のお願いである。騎馬が得意であるので抜擢されたのだろう。少しでも症状が落ち着いていただきたいし、断るわけがない。エレノアは週に一度薬師のもとへ通うことになった。





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