色あせない約束:*:・'゜
風の向きが変わり
夏の匂いを連れてくる頃が
私たちの青春だった
:*:・'゜
瑠璃色の海が
あの頃の幸せだった
打ち寄せる波に
時間も忘れ戯れていた
突然のスコールに
びしょ濡れになっても
それが心地よかった
隣には貴方がいたから
夜の静寂に紛れても
あの時誓った想いは
まだ此処にある
「ずっと離れない……」
流れる時間は時として残酷
あの幸せの一瞬でさえ
奪ってしまうのだから
本当に愛する人との別れの時さえ
止まってはくれないのだから
別々の道を歩いても
頑張っていれば また会える
想っていれば また会える
生きていたら また会える
生きていたら……
そう信じて疑わなかった
また会える
容赦なく過ぎゆく時の中で
あの頃の瑠璃色の海はまだそこにあり
打ち寄せる波も引いては返る
あの頃の時間を取り戻せるのならと
何度叫んだだろう
叫んでも
叫んでも
もう戻ることのない時代の海原
変わらず此処にあると思うものが
少しずつ変わっていっても
カタチを変えていっても
変わらないものがある
そう……
時間も時代も流れて時を風化させても
あの時の約束だけは ずっと色褪せない
この胸の中では……ずっと
私が生きている限り
そして
また夏がきた
fin.