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友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
夏祭り
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打ち上げ花火

 七月下旬の今日と明日は高校のある町の夏祭りだ。

 でも、私は行かない。

 紺野はんはクラスの友達に誘われていたから行くだろう。

 きっと、紫桃くんも。

 私もその夏祭りに行ったことがある。

 小さい頃はそこに住んでいたから当然だ。

 その夏祭りの中で一番楽しみだったのが、夜になって行われる打ち上げ花火。

 もし、この打ち上げ花火に花言葉があったら、何て言うのかな……。

 一瞬の輝き、華やかな喜び、注目の的、青春の思い出……。他にもきっと、人それぞれに意味のあるものが付けられるだろう。

 私としては家族との思い出だけど。

 最近、紺野はんと歩いたあの七夕飾りをやっていた商店街にもいくつか屋台が出て、もう一本行ったメインの通りにはずらっといろんな匂いやらで誘う屋台が並び、たくさんの人が集うだろう。いつもは居ない人達が集まって、ぞろぞろと欲しい物を買って、楽しく騒ぐ。

 小さい時の私にはその道がとても長くて歩きにくかったけれど、それでも、綿菓子やら金魚すくいなんかして楽しんでいたっけ。

 もうそろそろ、打ち上げ花火の時間だろう。

 いろんな色が混ざり合ってきれいに見える時間。

 誰かの思い出にきっとなる時間。

 遠くから見てもきれいな時間。

 私には似合わなくなった時間。

 私はとても嫌な女だ。

 怖いからって、卑怯になった。

 そんな私に誰が声をかけてくれるだろう。

 一瞬で消えてしまう打ち上げ花火が羨ましい。

 いつまでもここにいなくて良い、それがとっても羨ましい。

 私はそれでも夏祭りに行く。

 その場所のではないけれど、皆とわいわい出来るだろうかと今から不安だ。

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