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修学旅行の朝
やっぱり、白見は来なかった。
それは知っていたことだ。
クラスの奴らは白見のことより、海外のことで頭がいっぱいだった。
パスポートは忘れてないか? とか、英語言えない! と騒いでいた。
帰って来る頃には静かになっているだろうか。
今日は晴天だった。
*
行ってしまったんだな……と思う。
少し前までの日々は皆、修学旅行の準備の話で持ち切りだった。
そんな中、私は黙っていた。自分で選択したことだし、騒ぐこともない。
ただ時が経つのを待っていた。
帰って来たら、きっとまた修学旅行の話で持ち切りになるだろう。
私はその中に行くのだ。
ぐっと心が、体が痛くなった。
自分が弱いと、そう思った。




