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イノシシ鍋

投稿遅くなってすみません!


 ある休みの朝。

 俺とお母さん、お父さんの三人で食卓を囲み、朝食をとっていた。食卓には、朝食とは思えないほど豪勢な食事が並んでいた。きっとお母さんが気合を入れて作ってくれたのだろう。朝から胃が重い気がするが、母の愛情こもった料理だ。食べ切るのが筋というものだろう。


 お父さんは、いつもこの時間には仕事に出ているが、今日は仕事が休みなようでまったりと朝食を口にしていた。


「アムル。朝食を食べ終わったら、少し付き合ってくれないか?」


 箸を置いて、お父さんはこちらを見た。


「別にいいけど……どこか行きたいところでもあるのか?」


「おう。ちょっと森の中に行こうと思ってな」


 お父さんは言った。


「まあ、俺は構わないよ。特別な用があるわけでもないし」


 今度はお母さんが、心配そうな表情を浮かべてこちらを見た。


「アムル。学校の課題は……」


「もう終わらせているよ」


 魔法の基礎術式くらいなら、十◯分あれば終わるのだ。基本的に、学期の授業は基礎術式の授業がほとんどで、魔法結界のような基礎術式を応用させた授業はもうないと言っていい。

 それでも、一つ星の生徒たちは苦労していたようなのでその度に俺が教えているという感じだ。


「学校のお友達はできた?」


「うん。できたよ」


「いじめられていない?大丈夫?お母さんすごい心配してるの」


「大丈夫だよ」


 俺はお母さんに微笑む。

 見てのとおり、お母さんは過保護なのだ。何をするにしても、お母さんはものすごく心配してくる。それも母親の性というものなのだろうか。


「メイア。ベイラムももう子供じゃないんだ。そこまで心配しなくても……」


「アムルはいくつになっても、私にとっては子供なの。可愛い可愛い子供なの!」


 そう言うお母さんを見て、さすがのお父さんも苦笑いを浮かべていた。


「お母さん。そんなに心配しなくても大丈夫だよ。学院は楽しいし、みんなとも仲良くできている。今度、友達を連れてくる。だから楽しみにしててくれ」


 俺は柔らかく微笑んだ。

 

「たくさん連れてきてね。お母さん気合い入れてご飯作るから。約束よ?」


 お母さんは真剣な眼差しを俺に向けて、そう言った。

 お父さんは、忘れるなと言わんばかりに大きめな咳払いをする。


「話が逸れてしまったが、じゃあご飯食べ終わったら行くか」


 お父さんはガツガツと朝食をかけこんだ。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * *


 俺とお父さんは、アゼッテ村近くにある小さな森に来ていた。小鳥たちが鳴く音が聞こえる。


「それで、用って何かあるのか?」


 尋ねると、お父さんはフンと鼻を大きく鳴らした。


「アムル。お父さんだってな。強いってことを息子に証明したいわけよ」


 どうした?こんなことを言う父ではないぞ。何か変なものでも食べたのか?お母さんの料理に変なものが入っているわけないか。

 建築業によって鍛え上げられた肉体を見せつけるかの如く、俺にポーズを見せてくる。


「毎年この森には、冬眠から目を覚ましたイノシシが出てきてな。それがまた絶品なんだよ。今日はそれをとりにきたんだ」


 ほう、そんなに美味いのか。


「でも、俺はそんなもの一度も口にしたことはないんだが」


「アムルとお母さんに食べさせてやろうと、頑張ってはいるんだが、中々手強くてな。他の人がとったイノシシを食べさせてもらったんだ」


 そう言って笑っていたが、ハッとお父さんが言ってはいけないことを言ってしまったと言いたげな表情を浮かべた。


「とにかく!今年こそはそのイノシシを捕まえて、アムルとお母さんに振る舞ってやる!作り方は教えてもらったんだ!イノシシ鍋は美味いぞ!期待しておけ!」


 捕まえられないから、食べられないんだろう。捕まえてから言ってほしいものだ。強いと証明したいと言ってきたが、俺に捕まえてほしいから呼んだのに違いない。

 俺とお父さんは、草木をかぎ分けながら森の奥へと進んでいく。お父さんはイノシシを見落とさぬよう、キョロキョロしながら進んでいる。俺はお父さんの後ろをただ歩いていた。

 すると、お父さんが鼻を嗅ぎ始めた。スンスン、スンスンと。


「見つけたぞ!ここから少し離れたところにイノシシの匂いがする!」


 お父さんは走り出した。俺も後を追う。しばらく走ると、お父さんが指をさした。

 茶褐色の粗い毛皮を覆い、鋭い牙を持っている。間違いなくイノシシだ。


「ほら!いるだろう!」

 

 お父さんは興奮気味に言う。そして、服を捲し上げて一歩前に踏み出した。


「よく見ておけ!お父さんの勇姿を!」


「ちょ……」


 止めようとしたが、時すでに遅し。お父さんはイノシシに突進した。魔力を持たず、持っているのは強靭な肉体のみ。イノシシは、お父さんを見ると臨戦態勢をとり、突進した。


 結果は……惨敗だった。

 お父さんはボロボロになって戻ってきた。俺は≪聖治癒(シ・エリエル)≫で傷を癒す。


「大丈夫か?」


「こ……これぐらい。なんのこれしき」


「何か武器の一つでも持っていったらどうだ?」


 ≪創造武具(ネギラム)≫で、お父さんでも扱える武器を作り出そうとする。お父さんは、それを静止した。


「これは、俺とあいつの戦いだ。アムル。その目に焼き付けておけよ。この死闘を」


 お父さんは親指を立てて、ウインクを決める。

 大きく息を吸い、吐く。そして、覚悟を決めたかのように走り出した。イノシシもお父さんに向け、突進する。お父さんは、物凄い勢いで突っ込んでくるイノシシを掴む。暴れるイノシシを必死な顔して抑えている。


「なんの……!」


 何を思ったのか、お父さんはイノシシに思い切り噛みついた。イノシシは、あまりの痛さに悶え暴れているが、お父さんも噛みつきを緩めない。

しばらくして、イノシシは大人しくなった。


「ど……どうだ……アムル」


 疲労困憊した様子でこちらを見ながら、今日の報酬であるイノシシをこれとばかりと見せつけた。再び≪聖治癒(シ・エリエル)≫を使い、お父さんを傷を癒した。


「よし!これで二人にイノシシ鍋を振る舞ってやれるぞ!楽しみにしておけよ!」


 嬉しそうに言いながら、お父さんは来た道を引き返す。

 なんだか、狼みたいだったな。

 お父さんの後ろ姿を見て、俺はふいにそう思った。

明日は7時ごろ投稿する予定です!

遅れても8時くらいには……


31日追記

本日は投稿できそうにありません……。

すみません……。


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