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10.

「備えはシグルド殿下のご寵愛の賜物ですにゃ」

「ルーシャ! そ、そんなこと……あ、ありがとう」


ルーシャが持ってきてくれたお茶を一口含んで、ほっと息を吐いた。

シグルド殿下は魔導具で補えない予防魔法は自分でかけてるって言ってたし、私も難しくないのは教えてもらって覚えようかな。

魔法の精度は……しばらくはかけてもらった方が良さそう……。





なんだか部屋の外が騒がしいと思ったら、リアナさんが乗り込んでこようとしたらしく、部屋から出ないように言われた。


「この部屋には強固な結界が敷かれているし、心配いらないよ」

「心配はしてないんだけど……このままでいいのかなあって」


ソファに並んで座っているシグルド殿下を見上げると、片手で髪を撫でられる。


魔力の時間だったけれど、様子を見ることに決め、シグルド殿下もここで足止め。

「このままにするつもりはないよ。でもカスミは気にしなくていい」

「本当に? 私に出来ることなら協力するよ?」

「危険な目にあわせたくない。まずは公爵家に抗議するから、成り行きを見守っていてくれれば、それで」

「分かった……」


リアナさんの登城は禁止されているはずのに、どうやって城に入ってきているんだろう。


シグルド殿下は心当たりがあるのか、難しい顔をしていた。






「私のもとにも色々と情報は入ってきているんだけど、あの子には口止めされてて……カスミちゃんにはただ信じていて欲しいみたい」

昼の午後の光が差し込む城の一室。

穏やかな表情でティーカップを傾けるシア妃殿下を見て、私はそうですかと小さく言った。

「ね、それより、魅了魔法防止の魔導具のアクセサリーはどんなデザインがいいかしら? ってこれも言ってはいけなかったかしら」

ふふふと笑うシア妃殿下はとても嬉しそうに、紙とペンを私の目の前のテーブルに置いた。


「でも身に付けるのはカスミちゃんですもの。要望は伝えましょ」

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