↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
338/347

第261話:雲海の助け船

 白銀の雲海の上を、キャンピングカーは優雅に滑空していた。


 スタラグランドを離れてから数日。反重力エンジンの静かな重低音と、天窓から差し込む心地よい陽光が車内を満たしている。セリスが淹れたハーブティーの香りが漂い、ルナがソファでうとうとと船を漕いでいた。


『マスター。前方三万メートル上空にて、生命反応および戦闘反応を感知しました』


 ナビの静かな報告に、ユウはハンドルを握る手に力を込めた。天窓のグラデーション表示に、赤く明滅するホログラムが映し出される。


「戦闘反応? こんな雲海の上でか?」


『肯定。大型の双頭魔鳥《ツインヘッド・ワイバーン》一頭が、人型の飛行物体を追撃中。被追撃者の魔力波長は減少傾向。墜落の危険性あり』


「なっ……大変じゃない! ユウ、急ぎましょう!」


 セリスが立ち上がるのと同時に、ユウはアクセルペダルを限界まで踏み込んだ。


「反重力ブースター、全開!」


 ドォン! と空気が爆ぜるような音と共に、キャンピングカーは雲海を切り裂いて急加速した。


 ——雲を突き抜けた先。


 そこでは、朱色の小さな翼を傷つかせ、必死に飛ぶ少女——竜人族の姫レニが、巨躯を誇る双頭のワイバーンに追い詰められていた。


『ギシャァァァァッ!』


 ワイバーンの鋭い爪がレニの背中に迫る。彼女は恐怖に瞳を大きく見開き、ギュッと目を瞑った。


「誰か……助けてぇっ!」


 その悲痛な叫びに答えるように、巨大な金属の城——キャンピングカーが二頭の間に割り込んだ。


「ウォーター・キャノン、放水っ!」


 車体上部の高圧ノズルから、圧縮された高圧水流が爆発的に射出された。直撃を受けたワイバーンは悲鳴を上げて吹き飛ばされ、そのままバランスを崩して雲海の下へと墜落していく。


「え……あ……?」


 助かったことに気づき、呆然と滞空するレニ。

 キャンピングカーのサイドドアが滑らかに開き、ユウが手を伸ばした。


「怪我はないかい? 入っておいで!」


 白銀の空の下、神秘的な動く城と手を差し伸べる青年の姿に、レニは吸い寄せられるようにその手を取るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。