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晴れた朝に
四季に変わりゆく
木々の枝の向こうから
あたらしい風が迎えてくれる
春が来たから出ておいで、と
そらはあたたかく霞み
流れる小川には木蓮の花びら
気まぐれにひとつ掬ってみれば
冷たくない水になじむ手のひら
小鳥が飛び立つのを見送って
山の木々は桜色に染まって
春の雪解け水のように
あたらしい川が流れていく日に
人間に生まれたわたしは
そらになりたかった
変わらない高さから里を見つめる
静かなまなざしに
日没と夜明けを幾万回繰り返して
そらはそらになっていく
見えない高い場所で
そうやって夜明けの空は
朝を呼んでいる
毎日、朝になると目覚めるのは
そらが、呼んでいるからかもしれない
わたしと
明日を




