79/81
黄金の葉の降る日
黄金の葉の降る日
光が透けて
天上から何か
あたたかくて優しいものが
降りてくる
雲のかけらのように
空の雨粒のように
音もなく姿もなく
ただ風が葉を揺らしていく
そうやって通り過ぎていく
あまねくかみさまみたいに
秋の一日を
颯爽と歩くだけ
それだけで秋はいつでも
どこにでも見つけられる
たまに来て隣に座る
隣人みたいに笑いながら
風が葉を降らせるのを見つけたら
追いかけてみてもいいし
何か好きなことをしたらいい
今だけの秋を見つけよう
それだけで秋の一日が
楽しくなると思うから




