22話 接続章 - 歯車達
────本来弓など使わないからな……少し照準がズレたか。
『罪を喰らう者』と転生者が戦った野原から少なくとも十キロは離れている場所から矢を放った男が忌々しく心の中で呟いた。
普段使わないと言ってもその威力はまず間違いなく素人の威力ではなく間違いなく魔力が関与しているのと同時にその者が只者でない事が計り知れる。
「やっぱり剣じゃ無いと無理だな。今ここで仕留めてしまえば例の転生者達や普通の人間が死ぬ事もあるまいし少し頑張りますか」
弓を放った男はその弓を適当に放り投げ、代わりに腰に携えている全長一メートル程の縦の長さもその横幅も巨大な部類に入る剣の持ち手に手を置いて遥か彼方にいる『罪を喰らう者』を見つめ、同時に地面を強く蹴りその瀕死の男の元へ向かう。
彼の命を命令の元、奪うために────
× ×
「以上が君達に倒して貰いたい相手だ。出来るかい……?」
最高神と呼ばれる男は一通りターゲットについて話し終えたと同時に本人達の気概を見極めるかの様な目線を集めた者達に送りながらこの件の了承の言葉を待つ。
「良いですよ、僕はやります」
最高神が集めた者達の中で先程からずっとスマホを見つめている少年が最高神の質問に対して口を開いた。
「その『罪を喰らう者』って相手。僕達で倒して見せますよ」
× ×
「ん〜なんかあの矢を放った相手思ったより面倒臭い気がするな〜」
ある場所に向かいながら『罪を喰らう者』の様子を水晶で覗き見しながらその作成者は楽観的に呟く。
「まあ、少し耐えてよ!すぐに僕もこの歯車を狂わせるために馳せ参じるから!」
× ×
「あの人は……やっぱり何者なの……?」
『罪を喰らう者』の世界の転移を手伝った女神は訝しげな表情を浮かべながら彼の帰りを嫌と思いながらも待つ。
彼が何が何でも帰ってくると心のどこかで確信していたから。
しかし疑問は尽きない。
先程の世界に送った際に見せた迷いの顔がどうも女神の頭の中にチラついていた。
彼は何者なのか。
彼はどこから来たのか。
彼は何のために戦っているのは。その真意は。
彼女はまだ知らない。
しかしいずれ知ることになる。彼女はこの歯車の重要なパーツなのだから。
× ×
肩を射抜かれた『罪を喰らう者』は直ぐに射抜いた者の正体を考えた。
心当たりがあるとすれば限られる。
他の世界の転生者か或いは神の使いか────
その予想は見事に的中し自身の命を狩ろうと目の前に神が降り立った。
「やあ、瀕死の『罪を喰らう者』君」
「遂に神が相手か────」
× ×
歪な歯車は回り続ける。
まるで、全てが一つの終着点に着地する様に。
× ×
一章完結です!お疲れ様!自分!




