魔法爵育成学院3年次の情勢に関する新聞記事
主人公が魔法爵育成学院3年次の国内・国際情勢に関する新聞記事です。
時系列は順不同です。
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【 サッカー界再編の嵐! 森の民サッカー協会組織の大規模刷新 】
サッカー界に激震が走った。現・森の民サッカー協会会長であるオドラニエル・ブランヒルデが『組織体制の民主プロセス化』を掲げ、新体制を樹立することとなったのである。今までの森の民サッカー協会は会長職の補佐役として理事と監事が設置されていたが、協会の運営を監査するはずの監事が理事の下請けとして業務を代行することが度々あり、監督義務が果たされていないのではないかという疑念が指摘されていた。
なのでブランヒルデ会長は理事会と監事を取り纏める理事長職を設置し、会長兼職の形で就任。そして監事の定員3名を2名は近衛兵出身者、そして1名は魔法使い出身者として外部から登用する体制にすることを明らかにした。
また逆に理事会からは近衛兵出身者を廃して、一律サッカー界の有力者を就任させる方向での合意が為されていて、より現場の意見を汲み取り反映できる体制へと変貌を遂げたと強調した。
一方で、監査機関である監事の権限を理事会から分離したことで、今後の組織運営には監事を利用してブランヒルデ会長が指導力を発揮するのではないかという疑念が、一部の理事から囁かれており、『(近衛兵は)金は出すが、口も出す』体制そのものの改革には繋がらないのではと反発の声も挙がっている。
また不可解なのが、これまでサッカー界と全く関わりの無かった魔法使いが監事として名を連ねている点だ。近衛兵・魔法使いの間で何らかの政治的な取引が行われたのではないかと囁かれており、とあるチーム関係者からは『栄えあるスポーツの場に政治を持ち込まないで欲しい』と批判の声を挙げている。
( 世界運動旬報 3月22日 )
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【 工場労働法大改正に伴って 】
『世界繊維危機』勃発以降、長らく我が国の懸念事項であった工場労働法改正案は貴衆両院を通過して裁可・公布となった。本法の適用となる八十万の労働者諸君並びに保護の主たる対象者となる五十万の女子並びに年少者の為に誠に慶賀に堪えない次第である。
この工場労働法改正案と同時に議会を通過した年少者工場労役法案は言わば『姉妹法』と呼ぶべき実質的にはその一部と言える代物であるので関連法案もまとめて説き及ぶ。改正箇所は多岐に渡るものの要旨としては、まず最低年齢に関する部分。現行法においては幼年者の最低年齢を12歳としていたものを、原則15歳へと引き上げ軽易なる業務に限定して12歳以上の者を許可すると変更がなされている。
また15名以上の労働者を有する工場にのみ履行義務が生じていた女性労働者に対する産休・育休制度の適用範囲を5名以上の労働者を有する工場へと拡大している。
加えて一律で深夜の工場稼働の原則禁止も明記されることとなった。
その他労働者賠償に関する扶助制度の拡充や、危険予防・安全管理・衛生規則等の設備に関する規定も強化なされた。
改正法の施行にあたっては内務省の施行規則制定に伴い実質的には効力を発揮する。
今回の改正において産業界に最も影響を及ぼす部分は深夜稼働の停止に関する部分である。主として深夜稼働していた工場の大部分が繊維関連であった。我が国の基幹産業であり対外輸出においては7割強もの割合を占める本業の事実上の操短の実施が我が国の国際競争力を大きく下げると危惧され今日まで踏み切られることは無かった。本改正にあたっても同様の批判は資産家などを中心に根強くあったものの『世界繊維危機』の影響で稼働していない、ないしは既に操短を実施している工場が殆どであるために経済動向に与える影響が軽微とされ通過した背景がある。
また扶助制度の拡充等は地方の零細工場においてはこれを機に助成金の生じる『魔石装置生産』への更なる転換を狙う意図があるとされる。
( 新聞『人道』 10月8日 )
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【 賢者の国経済会議実施――本国と直轄地間の包括的な関税引き下げで合意、金銀と紙幣の交換停止も示唆 】
賢者の国直轄地は、その人口の多さから我が国の繊維製品を積極的に輸入している重要な商売相手である。昨年度の総輸出額のうち、綿織物では2割、人造繊維のレーヨンにおいては3割5分をこの賢者の国直轄地へと輸出している。
しかしこの度賢者の国において経済会議が実施され、その結果本国と直轄地の間においてのみ関税が引き下げられることで合意に達したことが分かった。既に同地において森の民産品と賢者の国本国産品との関税は1割程度異なっており、更なる関税比率の変化は我が国の輸出産業に深刻な影響を及ぼすのではないか、と不安視する声も挙がっている。実際に経済産業連盟、森の民冒険者信用中央金庫、職人金庫連合会等は賢者の国直轄地において反対の魔力通信を送付したと伝えられている。
また同会議においては、賢者の国の金銀準備高の減少も争点となり、国家安全保障上の観点から自国の通貨防衛のために管理通貨制度へと移行する考えを示唆する発言も見られた。
我が国のある経済評論家からは『一連の措置で賢者の国の本国は関税引き下げの影響により他国製品の締め出しよりも直轄地製品の流入で大規模な輸入超過になるだろう』と考えを示す一方で、関税の健全化について問われれば『直轄地が正貨を得ても彼等は本国に債務がある。借金の返済という形で域内経済は循環するだろう(から関税健全化は難しい)』と暗に否定した。
( 国民経済新聞 12月6日 )
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【 リベオール総合商会からの離反者か、子分か? 同商会製紙事業を『ガルフィンガング・リベオール製紙』として独立 】
今月1日付で、ベック・ラグニフラスを取締役とする『ガルフィンガング・リベオール製紙』が立ち上げられた。株式の上場は行われておらず、リベオール総合商会の系列会社として独立を果たしている。
『世界繊維危機』以降、急激に低迷した繊維業に比して製紙産業は不景気でも一定の需要があったために相対的に同商会内での影響力を増大させていた。商会内政治の観点、そして何より税制上での優遇を得るために事業の切り離しを図ったとされている。
ベック・ラグニフラス氏は『未だ塗炭の苦しみを味わう者も多いが(製紙事業のように)回復傾向にあるものもある。更なる国外への輸出攻勢を強めて不景気からの脱却』を目指していきたいと話している一方で、我が国の産業の輸出構造について諸外国からは『国際貿易上の不当廉売にあたるのではないか』と危惧する声も挙がっている。
( 東雲毎日民報 8月4日 )
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【 国際労働者ギルド、第3回会議が重戦士の国で開催 】
労働者の日である2月1日から3日間の間、重戦士の国において国際労働者ギルドの第3回会議が開かれた。『世界繊維危機』の余波が続く中での3回目の開催となった本会議においては金融上の危機に基づく国際紛争勃発の危険性に関する予測が主題となった。『国際紛争』とは、かつて我が国が統一前の領主乱立時代に経験したような領有権や水利権などを発端とする他勢力との軍事的な大規模な衝突、これが現在の国家間において発生することを指す。瘴気の森や未知の森に対する防衛戦力として存在する軍を他国に差し向けるということだ。
『世界繊維危機』による低迷状態が長期化する昨今、財政的に不健全な国家が『人ならざる者』に備えるための軍事力を労働者に向かって冒険的に行使することが現体制のままだと有り得る、というのが『国際労働者ギルド』の主張の核であり、それらの紛争を未然に防止する目的で現体制を打破する必要性を強く訴えている。
同時にそれらの既存体制に迎合する『合法労働者政党』を糾弾する『穏健派革新主義主要打撃論』が展開され、各国の合法政党の代表者が一斉に退席する場面もあった。我が国においても第1回会議より参加していた統一国家党も同様に離脱しており、翌日には脱退声明を出すに至っている。
第3回会議は紛糾を極め、合法政党の排除により彼等の勢力は大きく減退したものの、穏健派の主張を排した結果より急進的かつ直接的な運動を展開する可能性を専門家は指摘している。
( 大衆日報新聞 2月6日 )
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【 ゲーノーメフルス州にて労働者の日に暴力デモ未遂 】
昨日1日午前に、王都の南にあるゲーノーメフルス州にて開催された州内の労働を祝う祭事に、武装勢力が乱入する事件が発生した。催し事の主催者は事前に州警察に届出を提出し許可を得ていた合法的な活動であった。乱入した武装勢力はガルフィンガング解放戦線の旗を掲げており魔石銃や魔法銃、あるいはバールのようなものなどで武装していた。
事前にこの暴力デモの発生を予知していた警察側は、この武装勢力と衝突。一時は発砲すら行われ、20分後に鎮圧された。死者は幸いにも出なかったものの群衆・武装勢力側に負傷者41名、警察官は3名負傷した。
催し事そのものは、武装勢力の排除後に全員の身体検査を行った上で継続された。事件発生直後に、過激派組織・ガルフィンガング解放戦線は一切の関与を否定し『旗も盗まれた物』と釈明を出しているが、州警察は王都警務庁や内務省治安維持部隊とも連携して調査を進めている。
( 大衆日報新聞 2月2日 )
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【 商業都市国家群における総同盟罷業にて群衆が英雄の国大使館職員と一時睨み合いに ――我が国の大使館警備は如何に? 】
十年来、商業都市国家安全保障理事会議長を務める彼の国の顔であったイゴール・アルバス氏であったが本年2月に勃発したとある倒産済の銀行にて使用されていた担保用の貴金属が盗品であったことが発覚した事件において同氏の関与が疑われ、議長職からの退任に追い込まれた。
空白となった次期議長を選定するまでの期間中にイゴール・アルバス氏は軟禁されていた自邸から逃亡し、同国南部の国境線を超え英雄の国直轄地へと亡命、これに激昂した商業都市国家群の群衆は、今月4日総同盟罷業と反政府デモを同時に展開した。
群衆の一部は一時安全保障理事会議場にも乱入し、一連の事件の解明と預金の返還、賃金の是正から外国製品への関税等、安全保障理事会に多様な要求を展開。明確な回答は得られなかったものの、6日に公営の穀物庫を別の群衆が占領した(後に誤報と判明)と議場を襲撃していた群衆が伝え聞くと、一斉に議場より撤退した。その後に政府機能が回復した安全保障理事会によって暴徒の鎮圧命令と非常事態宣言が出され、9日には『問題解決の目途が立った』として宣言が解除されている。
一連の議場占拠事件と並行して、一部の過激派群衆はイゴール・アルバス氏の逃亡した英雄の国へと怒りの矛先を向け、彼の国の大使館へと向けて行進を開始した。両者発砲無く、数時間の睨み合いの後に群衆が退き緊張状態から脱した。
この危機的状況の中で英雄の国大使館が襲撃されなかったのは、大使館職員の武装が群衆の実力を上回っていたためであるとされ、事件発生当初は駐在武官を総大将として、数名の補佐官が現場指揮官として配置に就き、更に武装警備員を増員していたとのことである。
他方、現状の我が国の大使館警備状況は、駐在武官として魔法子爵・錬金子爵相当の武官が1名、その補佐官として準男爵相当の魔法使い・錬金術師が最大数名就くのみ(原則)で、補佐官は設置義務はない。また魔法使い駐在武官は各国最低1名と規定されているものの、錬金術師は『国防上重要となる国』にのみ駐在武官の設置が限定されており、最も少ない国家だと魔法使い駐在武官1名しか、軍属が大使館に駐在していないこともある。
またこれら駐在武官・補佐官は両幕僚本部の統制下にある歴とした『軍人』であるため、日ごろ大使館業務を行う外務省職員に命令権限は無く、彼等駐在武官には大使館職員の保護に関する規定はあるものの、大使館へと逃げ込んできた我が国の民衆の保護に関しては『最大限の尽力をする』という体裁となっている。
関係筋からは『規定に(義務と)無くとも、我が国の国民を有形無形の脅威から守ることは広義の国防である』と話しているが、魔物ではない『人』に対しての発砲は国際問題に発展しかねない以上、有効性は問題視されている。
( 日刊森林 6月18日 ※外務省政務局隣国課の要請で公開差止め )




