第1章 はじまりの刻 1
早朝、私は家で運営している神社の境内で掃き掃除をしていた。
翡山神社
翡翠の勾玉が奉られてあり、古くて小さな神社だけど古い言い伝えがある伝統のある神社だ。
〜100年に1度、翡翠の勾玉に選ばれた翡翠色の目をした娘がこの土地に生まれる。その者は翡翠の巫女と呼ばれ厄災を祓う力がある。祭壇に奉られている翡翠の勾玉の対の首飾りを肌身離さず身に付け、守護者に呼ばれる地に降り立つ時まで毎日祈りを捧げよ〜
というもの。
そして私、翡山 翠は翡翠色の目をしている。
「この目と髪で昔は随分からかわれたなぁ…」
そう言いながら長い茜色の髪を耳にかける。
この髪色は生まれつきで、言い伝えにも髪色の事は触れられていなく、ただただ偶然なのだろう。
そして掃除も一段落したので着替える為に部屋に戻る。
巫女装束から膝丈のセーラー服に身を包みひとつに束ねていた髪も解きストレートヘアに戻す。
そしてお気に入りの金色の花型の髪飾りをつける。
「よし!」
そしてリビングに向かい朝食を食べる。
「ほんとお姉ちゃんは美味しそうに食べるね〜」
そう言って右隣から声をかけるのは2つ下の妹の萌葱
「ほんとよく食うよな〜」
と左から続けて声をかけるのは3つ上の兄の碧
2人は翠とは違い黒色の髪に茶色の瞳だ。
「腹が減っては戦ができぬ!だよ!」と返す
「何と戦ってんだよ…」そう言いながら碧は食べ終わり席を立つ。
「あれ?今日はお兄ちゃんもう行くの?」と聞けば
「はやく行かないと親父がうるさいからな」と手をヒラヒラさせながらリビングを後にする。
碧は翡山神社を継ぐ為に色々と父から叩き込まれているのだ。
「翠、そろそろ8時だよ」とキッチンに立っていた母が目配せすると翠は勢いよく立ち、時計を見ると7時55分を指していた。
「やばい!遅刻しちゃう!」
そう言ってバタバタとリビングを後にした。
そして、さっと身支度を済ませ急いで祭壇の前に着く。
8時に祈りを捧げるのが日課だ。
翠は膝をつき両手を組み、目を閉じて祈る。
(今日も皆が平穏に過ごせますように)
そう祈っていると目をつぶっているはずなのに何故か眩しく感じる。
不思議に思い目を開けると翡翠の勾玉が強く光っていた。
「…何これ…」
いつもと違う出来事に狼狽えていると境内の方から家族が私を呼ぶ声が聞こえる。
だけどそれもつかの間、一瞬で声が聞こえなくなり光に取り込まれる感覚を感じると共に私は意識を失った。
初めまして、お読みいただきありがとうございました。
こちらが初めての投稿になりますので色々と拙いですが、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。




