18.可能性は無限大
「神がいた世界…ですか…」
カンナーレの話を聞き終え、一通り記憶の保管庫を見た後、ショウとリツはジャッジメントの本部へと戻っていた。
「色があふれていた世界って生を受けた者の世みたいですね~?」
ショウはふと立ち止まり、窓の外のモンド・アニマを見下ろした。
その瞳に映る白黒の世界はとても悲しげに見えた。
「…ショウ?」
ショウはため息をつき、俯いた。
「僕ずっと考えていたんです。どうして僕たちは白と黒なのか。モンド・アニマはどうして白と黒だけなのか。カラフルな世界が羨ましかったんです…」
再び顔を上げ、ショウはリツをしっかりと見据えた。
「神は…色と引き換えにアルベロ・サクロを…僕たちを作ったんですね…だからこの世界は無色なんですね…」
ショウの言葉を聞き、しばらく考え込んでいたリツが口を開いた。
「………無色じゃないですよ?この世界もたくさんの色が、溢れていますよ?」
「えっ?」
「感情はいろんな色を宿しているんです。
白や黒がこの世界を大切にしているからなのかわからないですけど、いろんな物にたくさんの色が宿っているのが、私には見えるんです。
そういう色までは神様も奪えなかったんですね~?」
そう言いながら、リツは窓の外の世界を見下ろした。
ショウはそんなリツの目を覗き込む。その目に映る世界は心なしかたくさんの色を宿しているように見えた。
「ふふっ…リツには敵わないですね…僕もリツが見ている世界を見たいものです。
神はリツだけにはこの世界にまだ色が溢れてるってことを知って欲しかったのかもしれませんね…」
「ショウがこの色で溢れた世界を見たいなら、私が教えます~!
そうやって一緒に世界を見ればいいんですよ~!
白黒の世界なら、まだ何色にもなれます。
可能性は無限大ですね~?」
リツの言葉を聞いてショウは満面の笑みを浮かべた。
白黒の世界に少し色が宿ったような気がした。
何色にもなれる世界。
案外白黒の世界も悪くないな、そう思った。




