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怪盗吉三  作者: 藍華
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 美しきネオン

人の短所は、いつでも長所になる事が可能である。

人の無邪気さは、いつでも貴方を主人公にしてくれる。

人の夢は、儚くも根強い物語になる。

人が刺激を求めるのは、なんて素敵なことであろうか。


そんな事ができない私の創り出した、楽しむことを忘れない、楽しくて、無邪気で、いつまでも子供な悪者の物語。

 

 今日の月はやけに怪しい。不気味に鈍く光り、路地を歩く人の影を果てしなく伸ばす。黒猫が闇の中に溶け込んでいく。


月の光など頼りにしないネオン外に、やたら露出の多いけばい女と、鼻の下をだらしなく伸ばした男が行き交う。

「キャバクラ loveflower」

キャバクラが集まる此処周辺で、一番高額。そして一番美女が集まる男にとって魅惑のキャバクラだ。 


その中、最近入ったばかりの噂の新人は営業8日目で業績トップを叩きだしNo.1に上り詰めたという。

すれ違う人すべてが彼女を振り返る。女でさえも彼女の魅力の虜になる。



「みなみちゃん、今日一番の大物さんだから。よろしくね。」

ウエイターがそんな彼女に声をかける。潤んだ分厚い唇がわずかに歪み、白い歯を覗かせる。

「はい。ただいま。」

胸元についた黒とピンクのフリルが揺れ、ゆっくりと老いた男性に近づく。

「こんばんわぁ。成瀬みなみです、楽しんで行ってください♡」

白く細長い手足、胸元まで伸びた茶色の髪、小さな顔に収まった大きな目と厚い唇、どこを見てもそそられるその体に男性は期待に胸を膨らませながら舐めるように眺める。



 

そして確実に。優しく微笑む彼女に、どろどろと、溺れていった。


「ミッション開始♡」


  平成最大の怪盗 怪盗吉三。にたりと不敵な笑を浮かべ、今宵も、最っ高に甘い蜜を奪いに来る…


                 続く

生まれ持ったものは、悪知恵であろうが美しさであろうが、悪戯心であろうが、使い切らなきゃもったい。

持て余すのがかっこいいと思ってる人は、もう子供には戻れない。

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