アブベルの街
前話で、コプトの民⇒アビヌの民に変更いたしました。既存の宗教に同じ名前があったことをおもいだし、不快な思いまたは、あらぬ誤解を避けるため変更しました
。申し訳ありません。
アブベルの街は、ミノリス(始まりの街)から海路で二日で行ける街である。
大陸的には、ミノリスの北西に位置するが、ミノリスとアブベルの間には高い連峰があるため、移動はもっぱら海路が主流だ。
タロウはアブベルの端に位置する港についた。
降り立つとむわっと熱い熱気が吹き抜けていく。港の周辺と街へと続く街道には、ナツメヤシが林をつくり、そこを過ぎれると見渡す限り、砂漠である。
港からのラクダの乗合馬車に揺られて1時間。ようやくアブベルの街に到着した。
見渡す町並みは、オアシスを起点として環状に干し煉瓦で作られた建物が幾重にもならんでいる。
行き交う人々は、古代ローマ時代の鎧を身にまとったものから、サリーに似た布をまとってきる人々がいるなど様々だ。
「だいぶミノリスとは違うなあ。」
どちらかといえば、ミノリスは中世ヨーロッパ的な街であったが、アブベルはどちらかというと、タロウの世界でいうエジプトに赴きがにていた。
馬車からおりると街の入り口に兵士らしき人がいる。通行人の確認をしているようだ。
いそいそとタロウも街の検問の列へとならんだ。
「おお、あれがアヌビの民か。確かに、犬耳がある・・・イメージ的には、ファンタジーで出てくるコボルとに近いなあ。」
(あの耳触触ってみたい・・・)
いよいよタロウの検問の番がやってきた。
「おい、お前。見慣れぬ髪と肌だなあ。アブベルへは何用か?」
「私は、ミノリスから参りましたタロウと申します。アブベルへは、迷宮挑戦の為に参りました。ギルドが発行する。帰還石のほかに、初級薬師の証がここにございます。」
「ふむ、どうやら本物ようだ。迷宮挑戦については、あまり喜ばしくはないが薬師は大歓迎だ。ここアブベルは熾烈な環境ゆえ病は多い。滞在中は存分にその腕を振るってくれ。」
「はい、ありがとございます。」
こうしてタロウは、無事に街へと入ることができた。
「さて、まずは神殿に行こう。いろいろと迷宮や街のことを知らなくては。」
こうしてタロウのアブベル第1日目は、犬耳を触りたい衝動を抑えることからはじまったのである。