97話 『護衛依頼』
「よし。依頼を受けたし一旦組合を出て依頼人が待っている店まで行こう」
「へ? 依頼って魔物を倒しに町の外に出たりするんじゃないの?」
「お姉ちゃん。モルスさんが受けた依頼の内容、ちゃんと聞いてなかったの……?」
依頼を受けた俺がすぐに冒険者組合の出入り口に向かって歩きながらそういうと後ろからアルスの声とカルスの声が聞こえた。
どうやらアルスは俺が受けた依頼の内容を何一つ聞いていなかったようだ。ステーキ、ステーキと連呼してたからそりゃそうだろう……。
そのせいで周りの冒険者の視線をバシバシと感じた。
「今受けた依頼はアルスが思ってるような依頼とはちょっと違う。確かに町の外には出るけど魔物を狩るのが主な目的じゃない」
「? じゃあどんな依頼なのよ?」
「今受けたのは護衛の依頼だよ」
「ごえい?」
「護衛ね。依頼人を指定の場所まで護衛したりする依頼だ。今回の護衛依頼もそんな感じのものだよ」
俺はそうアルスに説明する。
だが実際説明している俺自身護衛の依頼を受けるのはこれが初めてだったりする。今の説明は受付担当の人が言っていた護衛依頼についての説明をまんまパクったものだ。
「ふぅ〜ん。……今から依頼人が待っている店まで行こうってのはどういうこと?」
「そのまんまの意味だよ。今受けた依頼は今日までの期間限定の依頼で、依頼を受けた冒険者はどこどこの店に何時頃に来るように……って感じで依頼の紙に書いてあった。だから書いてあった店に今から行こうってこと」
指定されている時間まであと三十分ほど。
念のために急いで向かうべきだろう。
依頼を受けたのに依頼人を待たせるなんてあってはならない。
酒場宿屋【ベオ】にいた荒くれ者の冒険者の誰かが言っていた言葉を思い出しながら俺は二人を連れて冒険者組合を出る。
依頼の紙に書かれていた依頼人から指定された場所はポーション屋【フェア】という知っている店だったために「どこの店?」「誰かに聞かないと……」ということなくすぐに向かえた。
(ポーション屋【フェア】……確かソフィーさんがいるところだったか……一度会ってるから前みたいにひどい誤解や勘違いをされることもない。そう思うとかなり安心できるな……!)
ポーション屋【フェア】に向かう道中、前にポーション屋【フェア】を訪れた際に出会ったソフィーとそんなソフィーがしたひどい誤解により自分が意識を失ったということを俺は思い出した。
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