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異世界失敗転生!? 元殺人鬼の青年は異世界で冒険者になるようです  作者: 平凡もやし
二章 二人組の盗賊、孤独な少女
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88話 『二人組の盗賊は……』

「ルールさん! すいませんお待たせして」


「モルスさん! 急に走り出すので心配しましたよー……あれモルスさんが脇に抱えてるのは……あと後ろについてきてる人は……?」


「はいルールさんから紙袋を盗った二人組です……おーい起きろー……この子起こしてもらっていい?」


「は、はい。ちょっと待ってください」


 俺は二人組の盗賊を連れてルールがいる広場に戻ってきた。広場に戻ってから脇に抱えていたうるさい方の盗賊をベンチに寝かせて体を揺すって起こそうとするが意識を失っているようで起きる気配はない。

 なので静かな方の盗賊に起こすのを頼んでみる。

 静かな方の盗賊はベンチに寝かせられている盗賊の耳に口を近づけーー


「お姉ちゃん! 起きて!!」


「ファッ!!?? なになになに!?」


 大声を上げた。

 その声に驚きうるさい方の盗賊はベンチから飛び上がって目を覚ます。


「……というかここどこよ?」


「よし起きたな……ルールさん、これ紙袋です。どうぞ」


「あ! と、取り返してくれたんですねモルスさん! ありがとうございます!」


「……ってあんたは紙袋持ってたやつじゃない! そんでこっちは私たちのことを追いかけてきてたやつじゃない!! なに? 私たち捕まったの?」


「お、お姉ちゃん。落ち着いて」


「捕まえたわけではないけど……理解が早くて助かるよ。……で、まぁわざわざこうして君たちをルールさんのところまで連れてきたんだけど……なにかルールさんに対して言うことがあるんじゃないかな?」


 状況をすぐに理解したうるさい方の盗賊を見て俺はそう言った。


「はぁ? なによそれ?」


「お姉ちゃん、その態度はまずいよ……」


「本当に言うことはない? ほんとのほんとに?」


 本当にルールに対して言うべきことがわからないうるさい方の盗賊はうーんと悩んでからすぐに「なにもないわよ」と答える。

 静かな方の盗賊はルールになにを言うべきかわかっているのか「あの、その……」という言葉に続けて何かをボソボソと呟いている。

 俺は一度ため息をついてから一つあることを二人組の盗賊に聞いてみた。


「確認なんだけどさ……こういうことをやるのってこれで何回目? 盗みとかそういうの」


「!! は、初めてよ!」


「……はい?」


「ちょっ!? お姉ちゃん、なに言ってるの?」


 またばればれな嘘をつくうるさい方の盗賊とその嘘を聞いて驚く静かな方の盗賊。

 うるさい方の盗賊は着ていたローブのフードをとりその顔を見せた。

 金髪に青色の目。その顔立ちをどこからどう見ても少女のものだった。


「は、初めてよ! ぬ、盗みをしたのはこれが初めてなの! うちが貧乏で食べるものもなくて今日勇気を振り絞って初めて盗みをしたの。信じて……ね?」


(この子まだここから粘るの?)


 まだ嘘がバレていないと思っているのかそれを通そうとするうるさい方の盗賊は涙目になって俺を見上げ、見つめてくる。

 それに呆れる俺はまたため息をついた。


 ☆☆


(お、お姉ちゃん! ダメだって! 絶対にもうバレてるよ? お姉ちゃんの嘘)


(そ、そんなことないわよ! 前もこうなった時は私の演技で相手の同情を買って逃げれたでしょ? ほら見なさい! あの男の目! 完全に私をただの少女だと思って同情してるわよ!)


(いや、あれはただ単にお姉ちゃんに呆れてるんだと思うよ……)


 まだ嘘をつく姉に僕も「モルス」と隣の女性から呼ばれている人と同じようにため息をつきたくなった。








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