68話 『ランスVSマクシス』
「ほらほら、どうしましたか? 私を倒すのではなかったのですか? ランス・ウィリアム」
「くっ! (まずいな……)」
ランスはマクシスが放つ魔法を剣で斬ることによって直接的なダメージ、致命傷はされているがそれも時間の問題。
ランスの持つ魔剣は『鋼を両断するほどの切れ味』という強みがあるがもちろんその強みがある武器に弱みがないはずもない。
ランスの魔剣【グラフ】を使うためには魔力を持っているというのが絶対条件であり、魔力がなければ最大限の力は発揮できずただの鉄の剣になる……もちろん魔力の宿っていない武器ではマクシスの放つ魔法を斬り受けるダメージを限りなくゼロにするということもできなくなるのだ。
マクシスとの戦闘でランスは魔力のほとんどを使い切ってしまっていた。
このままではそのうち魔力が切れ武器も弱体化、そうなればランスがマクシスに勝てる確率はぐんと下がる。
何度かマクシスから距離をとって腰のポーチに入れている魔力回復ポーションを飲もうとするがそうはさせまいとマクシスは魔法を放ってくる。
回復する隙はない……ならばーー
(ーー短期で決着をつける他ない)
何回何十回と魔法を使用してくるマクシスの魔力も減ってきているはずだがそうとは思えないほどマクシスは魔法を使う。
さすがは闇ギルド【魔石】のリーダー。
どうやらマクシスが持つ魔力は一介の魔術師とは比べ物にならないほどのものなのだろう。
自分より魔力が多いであろう相手に長期戦を挑むのはあまりにも危険だ。
だからこそ一気に距離を詰めて近距離戦で決めるしかない。
(だがマクシス……この男の身体能力は全てが魔術師とは思えないほどのもの。少しでも反応されれば反撃をされるのは間違いない……)
戦闘中何度も距離を詰めようとしたランスの動きを読んでかうまく回避行動をとるマクシスの動きは魔術師のものではなく間違いなく戦士のもの。
油断はできない。
全力、全身全霊で剣を振るい攻撃をするしかない。
ランスは右手に持っていた剣を両手持ちに変え、刀身をマクシスに向ける。
最後に体に残った魔力をかき集める。
両手に強く力を込めてランスは強く踏み込んだ。
「はぁぁっ!」
そして一瞬反応に遅れたマクシスの心臓を突き刺すために剣をマクシスの胸に突きさそうとした瞬間にーー
「ーー魔法吸収」
「!? ぐ、がっ……!」
マクシスが口にしたその言葉がランスの耳に届いたと同時にランスの両手から剣が床に滑り落ち、体の中にある魔力が完全に切れた時特有の脱力感に似たようなものがランスの体を襲う。
ランスは力なく倒れた。
「全く無警戒にもほどがありますよ……相手がスキルを持っているかいないかも判断せずに短期で決着をつけるとは……」
「スキル……だと?」
「そうです。相手の体内の魔力を奪い、吸収する力……それが私のスキル魔力吸収。クロックという冒険者よりは楽しめましたよ、ランスさん」
魔法陣が刻まれた右手をマクシスは体を起こそうとするランスの頭に向けた。
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