<クローバー平原の空き家>
あてもない少年が行き着いた先はクローバーが生い茂った平原、クローバー平原だった。辺りは薄暗く、人影はなかった。
そして目立ったのは、古ぼけて今にも崩れそうな空き家だった。少年は恐る恐る近づき、少しためらったが、今日の宿と決めた。
中は陰惨で蜘蛛の巣が多く、冷え切っていた。二階に上がり荷物をおろす。よく見ると、もう一つ上へ行けるようになっていた。
そこは空き家の屋根裏で、壊れている木の窓のそばにはベッドまであった。荷物を持ってきて、ベッドに座り込んだ。そこにはランプがあり、床には散らかったマッチもあった。少年はそれを灯して明るくした。すると部屋全体が見えるようになり、机があることに気づくと、その机に近づいた。
埃をはらいつつ、迷わずに引き出しを開けた。そこで少年が目にしたものは、古ぼけた地図だった。誰かが手で描いたものらしく、いたずら描きが目立っている。
少年はしばらく動かずに見ていたが、やがてそれをくるくると丸めて、自分の荷物入れの隅に入れた。
少年が目にした地図はただの地図ではなく、「薊色の街」とその隣の「茜色の街」の全ての家の屋根裏だけを記したものだった。
地図から見える屋根裏のほとんどが未使用で、まるでまだ塗られていない塗り絵のようだった。
「そうだ!これを使って屋根裏を自分の家にしよう」
「屋根裏の冒険だ!」




