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私は、私がわからなかった。
私は、私がわからなかった。
誰かといると、その人に合わせた私になっていた。
優しくて、空気が読めて、都合のいい私。
でも一人になると、その私が本当に私だったのか、わからなくなる。
感情も、いつからかよく見えなくなった。
悲しいのか、寂しいのか、それとも何も感じていないのか。名前のつかないものが、ただ胸の奥に溜まっていく。
時々、見えているものが本当なのかもわからなくなる。これは現実?それとも私が作ったもの?そんなことを考えているうちに、「普通の私」はどこかで壊れてしまった気がしていた。
壊れた破片すら何処にあるかも分からなくなった。
私の中に、何人もいる気がした。
どの私も壊れてしまった。
でも──
「私は壊れてしまった」と思った、その瞬間。そう思っている“私”が、確かにそこにいた。
ああ、まだいたんだ。
ちゃんと、ここに。
誰にも見えなくても、触れられなくても、私は、ここにいた。
ちゃんと存在していた。
私がいた。




