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第1話 ノイジーゲーム

新シリーズ。

カタカタと小気味よくなる音と電子音の絶叫。


 力強い衝撃が地面に這っていく。


「くそが!!!またか!」


 語気が強くなるのも同じだ。


 そっと手を放して仮想世界から離脱する。


 のめりこみ過ぎた。あれはダメだったと一人反省会が頭で何度も開かれる。


 置く場所が悪い、もっとアグレッシブに行っていれば、違った結果だったかもというたらればを並べる。


 悪い思考、悪い行動のオンパレード。チームのやつらもさんざん怒鳴りやがって。


 公式戦全敗という文字が頭に根強く焼き付く。


 俺は不要の烙印を押されて終わり。


「頭冷やすか。」


 ヘッドセットを雑に投げて、立ち上がる。


 くらッと立ち眩みを感じて手に頭を当てて、大丈夫だと念仏を唱えて玄関に向かう。


 意味不明。


 へたくそなエイム。


 切り抜きでもしてるのか?


 ウルト合わせろよ。


 定点いい加減に覚えて。


 うるせぇ。


 勢いよく扉を開けると、冷たい風が意識を起こす。


 そこでようやく息を吸った気がした。


 時間は夜だろう。街灯が点いている。


 スマホを見れば23時と表示されている。


「もうこんな時間か。」


 高校生であれば補導される時間だが、あいにく俺は大学生。


 警察に補導されることはない。


 怯える必要もない。


 マンションの階段を下りていくときに蜘蛛の巣を見つけた。


 青い蝶がくっついていた。


 それが何故か妙に、目に止まった。


 カンダタとかいうやつはこれを助け何とかって話を覚えていた。


 だから俺は妙にその話を真に受けて、その青い蝶を蜘蛛の巣から助けてやった。


 幸いにも生きていたようで月に向かって飛んでいった。


 月が好きな蝶もいるもんだ。


 っとこんなことをしている場合じゃない。夜飯を買いに行くんだった。


 スマホの明かりをつけるが足元が少し照らされる程度。


「これ本当にライトとして機能してんのかなぁ。」


 久しぶりに出たら、外の空気は意外とうまい。


 シャバに出た囚人の気持ちを味わいつつコンビニはどこだったけ。


 ああ、あっちだ。


 じりじりと夏の虫が鳴いている。


 つまらんような徒歩数分の道のりもこいつらのおかげで紛れていた。


 夜の街に出れば、居酒屋がうるさいとか車の光が眩しいとかいろいろあった。


 だが今日は、そうではなかった。


 やけに街が静まり返っていた。


 何処かい世界に迷い込んだのかと錯覚するほどに。


 違和感というのはあるがそれでもコンビニに行くことは変わらない。


「暑い。もう足がだれてきたんだが、運動するかそろそろ。」


 引きこもり大学生が運動なんかするわけないだろ。


 また失敗する。


 うるせぇ。


 おいていかないで。


 うるせぇ。


 君が光だった。


 うるせぇ。


 フードを深くかぶって下を向いた。


 ドクンと何かが跳ねて身体が硬直した。


「あっ、コンビニ。」


 目の前にはコンビニがあった。


 すっと、自動ドアが開かれる。


 店員が何かを言っている。


 俺はいつものようにカップ麺と炭酸水を持ってレジへと向かう。。


 いつものようにスマホで決済を完了する。


 商品を受け取る。


 いつものように。


 自動ドアが開かれる。


 見上げた空。


 月が青く光っていた。


 あの階段で助けた青い蝶のようで何か不思議に思えた。


「月の光って、黄色とかじゃなかったか。」


 俺の疑問に答えるやつはいない。


 コンビニ前の信号待ち。


 車は来ない。


 静かすぎた。


 魔が差した。


 イラついていた。


 早く帰りたかった。


「俺ってバカだ。」


 鈍い衝撃が腕に伝ってから、俺の意識は朦朧としていた。


 アスファルトの地面を何回かこすって、何かが折れた音を聞いた。


 甲高い悲鳴とクラクション。


 赤い文字が見えていた。


 ゲームオーバー


 リトライは見えない。



 ゲームの世界だったらあったのに。


 現実世界にはねぇんだ。


 静けさとは真逆の喧騒が俺を中心に世界が見つけた。


 スマホの光が、赤のランプが致命的にうるさかった。


 だから



「黙れ!!!!!!!!!!」




 ....................あなたは異世界に転生しました。




 転生特典

 ――――――――――――――――――――

 コネクション


 解放の刀


 以下の能力を切綱柊也に付与しました。

 ――――――――――――――――――――


 GoodGameを祈ります。

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