第29話俺と鬼ごっこ前編
29話です。
「雄一さん大切な話があるのです」
太刀川さんが帰っていった後学園長が、真面目な顔で話しかけてきた。
「………何かあったんですか?」
「来週………いえ五月から、お見合い実習が始まるなのです」
ついに来たか。
「なので一度雄一さんの姿で、明日来ていただきたいなのです」
「了解です」
俺は頷く。
「後これを」
ハリセンを渡された。
「あの? 学園長?」
「坂本流ハリセン殺法なのです!」
「だからそんな殺法ないですって!」
最後は結局締まらなかった。
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「お待ちしておりましたわ雄一さん」
「雄一さんおはよう!」
「おはようですネ雄一さん!」
翌日雄一の姿で学校に来ていた。
神宮寺さんの後ろには優(学園長変化)、藤森さん、太刀川さん、二人の異端審問部の子がいた。
「は、は、は、初めまして、雄一さん! か、か、か、会員番号005です!」
「わ、わ、わ、私は008です!」
「よろしく知ってると思うけど坂本雄一だよ」
俺はそう言い二人と握手した。
「「もうこの手洗わない」」
「いや洗えよ」
前もこんなことあったな。
「兄よ生徒会室まで来てくれ」
「分かった」
俺は皆と一緒に生徒会室へ向かった。
□□□
「兄よ実は先ほど決まったことだが、この学校の生徒と鬼ごっこをしてもらうことになったぞ」
「はい? 鬼ごっこ?」
生徒会室について席に座ってから優にそう言われた。
ちなみに異端審問部の子達は教室に戻った。
「何で鬼ごっこ?」
「お見合い実習は何時も殿方の写真を、見せてするかしないかを決めているんです。今回雄一さんが出ることを、言った瞬間に全生徒したいと言い出しましたわ」
全生徒かよ。
「でも何で鬼ごっこなんだ?」
「雄一さんを捕まえた人のクラスから、実習を行うことになったんです」
藤森さんがそう言ってきた。
「そういうことかなら全力で逃げようと思う」
「決まりですネ! 雄一さんを全力で捕まえたますヨ~!」
ん? そういえば。
「俺が捕まらなかったらどうなるんだ?」
いくらなんでも時間制限はあるだろ。
「先生から始まるそうだ」
「「「はい?」」」
「だから先生からだと言った」
何故先生から?
「ちょっと待ってください!? 先生からとは、どういう事ですか優さん!?」
神宮寺さんがそう言う。
「どういう事と言われても、学園長いわく先生方からも兄は大人気だそういう事もあり、先生方も兄とお見合いしたいという意見が続出したらしい」
初耳何ですが。
「そういう事ですか」
「なら絶対二」
「雄一さんを」
「「「絶対に捕まえます(ス)(わ)!」」」
「はあ~」
俺は思いっきり、ため息をした。
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