第92話俺とかくれんぼ前編
92話です。
「雄一さん」
「何ですか、文美さん?」
「呆れる位、平和ですねえ」
「そうですね」
休日の日、今俺は、昼食を作っている。
ピンポーン
「「ん?」」
突然インターフォンが、鳴る。
「文美さん。誰か来客の予定、ありましたっけ?」
「無いなのです! 見てくるなのです!」
そう言って、文美さんは、とてとてと、走って玄関へ向かった。
「はてさて、誰が来たのやら」
□□□
「お兄ちゃん! お久しぶり!」
来たのは、月下さんの妹、彩夏ちゃんだった。
「久しぶりだね彩夏ちゃん。今日は、どうしたんだい?」
「えっとね~………いい臭いがする!」
「今昼食を、作ってるんだ、食べるかい?」
「良いの!」
「もちろんさ、テーブルで、待っていてね」
「うん!」
彩夏ちゃんは、テーブルに、向かって走っていく。
「はあ~、雄一さん………」
文美さんが、ため息をしながら、俺に話しかけてくる。
「どうしましたか、文美さん?」
「いつの間に、増やしたなのです?」
はい?
「増やしたって、何をですか?」
「惚けても、無駄なのです! あの子完璧に、雄一さんに、ほの字なのです!」
「まず、ほの字って何ですか?」
「つまり、あの子は、雄一さんの事が、好きだということなのです!」
「ふむ………それで、何が増えたんですか?」
「雄一さん。わざとやっているように、見えるなのです………」
文美さんは、頭を抱える。
「やっぱり、お兄ちゃんって、モテるんですね………」
彩夏ちゃんが、会話に参加してきた。
「そうなのですよ、雄一さんという方は、無自覚に、女の子を落とす天才なのです」
「なるほど、という事は、貴女もですか?」
「はいなのです」
二人が、そんな会話をしているが、俺には、意味が、分からなかった。
「ねえ、彩夏ちゃん。今日は、どうしたの?」
俺は、話題を変えようとする。
「ああ、そうだ! 僕お兄ちゃんと、遊びたくって、来たんだった!」
「そっか、じゃあお昼食べてから、遊ぼうか」
「うん!」
俺は、話題を変えることに、成功した。
「全く………後でいっぱいお話なのです! 覚悟してくださいなのです!」
流石に文美さんは、無理だったか………
□□□
「さて、何して、遊ぶ?」
「かくれんぼが良い!」
「かくれんぼかあ、この家かなり広いよ」
「場所を限定するなのです! 一階限定で、良いと思うなのです!」
なるほど、しかし、それでもこの家が、広い事は、変わり無いが。
「んじゃあ、最初は、お兄ちゃんが、鬼で、僕と文美さんが、隠れるね!」
「雄一さんは、その場で、目を閉じて、三分待機なのです!」
「時間制限は、何分?」
「「無制限で!」」
「了解、じゃあ、二人は、隠れてね」
「「はーい!」」
二人は、走っていった。
「さてと」
俺は、携帯のタイマーをセットする。
「頑張って、二人を見つけますか」
俺は、ゆっくりと、目を閉じた。
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